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顔ありに進化した

事務所にて

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顔を前髪で隠し、香水の香りがするパーカーをビニール袋に入れて持った私は、就業時間を終えた事務所を訪れていました。


事務所には蓮見さんしかいませんでした。


「おかえり。実はナビにお願いがあって、顔あり進化しそうな男の子が居るんだけど、どうも世間知らずというか、危なっかしいというか。男を無意識に誘うというか心配な子で知恵を貸して欲しいんだよ」


進化する前から穢したい系の美少年らしいです。


「そういえば帝王さんが、前の仕事のキャラが女の子にしか見えないから、他のモブのタチの人達がやる気を削がれて大変だったと言っていました。男性的な魅力は大事らしいと」


帝王さんとは、社長に『コケシ帝王』と名付けられたタチ専門のモブで、博士では話にならないと私に声を掛けてくる人です。


背が社長ほどでは無いけど高く浅黒い肌に逞しい身体付きのかなり顔が整った男性で、よくお土産にお菓子をくれる先輩です。



帝王さんから聞いた話だと、男しか抱きたくない男の人が好きなのは、女性らしい男性ではなく、男性らしい男性なのだそうです。


強く逞しい身体に欲情するそうです。


ふとビニールの中のパーカーを思い出した。


女性の魅力を引き出す香水が染み込んだパーカー。



「蓮見さん!このパーカーを着せてみては?」


「それは?」


「ちょっと事故で、余った香水を掛けてしまったんですが、ゴリゴリの男が好きなタチ避けにピッタリなのでは?」


そして買い取らないで済む。


蓮見さんがパーカーを受け取り匂いを嗅いでいる。


「なるほど、この甘い女性的な香りは男に魅力を感じる奴から敬遠されるかもしれない。助かるよ。せっかくの新人が男性恐怖症にでもなったら一大事だからね」


私の顔に気が付くこと無く蓮見さんはパーカーを持って事務所から出て行きました。


顔ありに進化した事を言いそびれ、どうしようか迷っていたら、すぐに蓮見さんが戻ってきた。


その手には白いパーカーがありました。


ネコ耳?


「おや?なんか雰囲気が変わった?」


ビクッ


言わなきゃ。


顔ありに進化した事を言わなきゃ。


でも会社をクビになるかもしれない。


恐い。


近寄って来た蓮見さんの長い指が視線を遮っていた前髪をすくい取り耳に掛けるとハッと息を飲む音がした。


終わった。


私のモブ人生が終わった。


紅巴と一緒に居るどころか、同じ会社にすら居られないかも知れません。


「ナビ…………やっぱり進化したか」


「ひっ……へ?やっぱり??」


ビックリして見上げた蓮見さんの顔は、優しく笑っていました。


「これはまた美人になったなぁ。顔なしでも社長が溺愛してたのに拍車がかかりそうだよ。社長は童顔好きだからね」


「童顔ですか?」


「僕も社長も、両刀でね。可愛い子は男でも女でも好きなんだよ。もっと顔をよく見せて」


クイッと顎を上げられると、メガネに自分の顔が写っていた。


「可愛い仔猫………ナビには、こっちの方が似合うかもな」


持っていたパーカーを肩に掛けられる。


「今日からナビもモブデリの飼い猫たがらね」


「クビにならないんですか?」


「あのねぇ。君のお母さんは顔ありに進化する条件を勘違いして処女じゃないのに顔あり達に肉体関係を迫っても一向に進化しないものだから、焦って全年齢対象の乙女ゲームに侵入して関係ない顔ありを性的に襲ったんだよ。しかも娘の君を自分の代わりに顔あり達に襲わせようとしたりして社長がブチ切れたんだ。初対面で社長がナビを気に入っていたからね」


ルシアスがR18仕様のオリジナルキャラに抱かれるのが完璧な進化する第1条件だと言っていたのを思い出した。


「そっかそっか。今日の仕事先はエロ盛り沢山の乙女ゲームだったね。本当にナビは可愛いなぁ」


優しくおデコにキスされた。


「これからも………いや、博士が作るアイテムを売る店やヒロイン達のお助けキャラのモブを派遣できないか問い合わせがあるんだ。
 オリジナルキャラを作るほどでは無いけど、可愛い顔ありが欲しいって言われてて、中々適任か見つからなくて困っていたんだ。
 既に先行してナビッチとして紅巴が仕事をしているけど、残念ながらアイテム知識が乏しくて売り子には向かなくて困ってたんだ」


蓮見さんが半泣きの私の頭を優しく撫でながら話し続ける。


「ナビならアイテムにも詳しいしピッタリだ。それに顔ありに進化したのなら、無理に紅巴を避ける必要無いからね。

 待たせて、すまなかったね。

 何も知らない紅巴には紫苑が顔なしになった理由は伏せた方がいいから接触禁止にしていたけど、もう我慢しなくて良いから。

 それと会社の外ではお前達の安全の為に本名は隠しなさい」


ヒロインに好感度を教えてあげたり、便利なアイテムを売るモブのナビキャラ。


私の新しい仕事。


しかも双子の姉の紅巴と一緒に。


やっと一緒に居られる。


嬉しい♡


この居心地がいい会社も辞めずに済む。


「楽しそうだね」


ギューッと後ろから抱き締めてられたので顔を上に向けると、社長は背が高いから余裕で頭の上から顔を覗いていました。


「…………」


しばらく固まった社長に顔をガン見されているけど、上げたままの首が辛くて戻そうとすると大きな手が顎を持って止められてしまった。


「なんて可愛らしい白猫なんだ」


「あっ猫に決定なんですね」


「オリジナルキャラに手を出されたか。それにしては身体の変化はなさそうだね」


社長の言葉を聞いたからなのか、急に正面にいる蓮見さんのモノと思われる手が、するすると私の洋服を脱がし始めた。


「何してるんだ、蓮見。可愛いナビには優しくエッチしないと」


「ちょっと黙れ。嫌な予感がする。ナビは研究室に出入りしているし、暴走した博士の香水を大量に浴びた可能性がある。不測の変化が生じていたら可哀想でしょう」


「なるほど」


2人に事務所で服を脱がられている。


「ちょっと待って下さい!このは事務所で!」


「他の社員は帰った」


しれっと答える蓮見さん。


「じゃ~いっか。なんてなりませんから!」


なんとか下着派死守したもののシャツとスカートは脱がされてしまった。


「これはサキュバス進化」


蓮見さんが見ているのは、私のお腹です。


慌てて私の肩を掴んで振り返らせる社長の顔が、いつの間にかしゃがんだ顔の正面にお腹がきている。


少し暖かい鼻息が当たって少しくすぐったい。


「この模様は数少ないサキュバス進化の中でも、希少種の精霊属性。無理に男を誘う必要はなく精液で無理に食事をしなくても生活できる普通の女の子と変わらない種類のサキュバスだ」


よく見るとお臍の下に青いハート型の模様が描かれていた。


どうやら植物がハートを型どったデザインみたいで、葉が付いており真ん中には大きな百合の花が咲いている。


サキュバス進化には種類が有り、悪魔属性.夢魔属性.妖精属性と性質が違うらしく、悪魔は精液を摂取しないと餓死するから必死とか、夢魔はエロい夢からじゃないと精液が摂取できないとか、妖精属性は体液なら性別関係く唾液や汗でもいいのだと社長が説明してくれた。


「その中でも超レアな希少種の精霊属性は男に抱かれると相手によって特殊な能力や魔力が目覚め、魔女や占い師として成功している者が多いと聞く…………………博士…クビにするか」



「ナビ専用の研究室を用意しよう」


凄い勢いで蓮見さんが事務所から出て行った。


出口に気を取られていた私のお腹を暖かい何かが触れたので、慌てて目を向けると社長の舌がお腹の模様をなぞる様に這わせていた。


「やぁっ…離してください」


ガッチリと腰を捕まれお臍の下を舐められている。


「精霊属性は…チュクッ…無理に精液を摂取する必要は無いけど…チュッ……サキュバスはみんなエッチ大好きだし、お腹いっぱいになるからね」


ニッコリと微笑んで私を見上げる社長。


「1日1回、誰かとSEXしなさい。3食とは言わないから、1回食事は精液を摂取する様に心掛けなさい。今着ている洋服は全て買い換えよう。下着も、もっと可愛い物を用意させるから」


今、私が着ている下着はプチプラのショップで購入した白いシンプルなデザインで、水色のリボンやレースが少しだけ付いている。

結構、可愛いと思うんだけど。


社長の好みじゃ無いみたいです。


「今日からナビは紅巴と一緒にナビキャラ専属のモブの仕事をしながら、専用の研究室を用意するから、料理系や可愛いアイテム中心に研究して制作して欲しい。そして、パパといっぱいSEXしよう」


「パパと?」


「そうだよ。精霊属性は甘い食べ物が好きで、普通に食事もすると聞いてくけど、身体の為には男性の精液が必要なはずだ」


日々のセクハラのお陰で社長に触れられるのは、残念ながら嫌じゃないし抵抗も無い。


「男の味を覚えなさい」


裸にされると事務所に設置されているソファの上に押し倒され唇をキスで塞がれた。


本能が口を開けと言っている。


ちょっと口を開けると入って来た社長の舌からもたらされる唾液が甘くて、まるで桃味のジュースを飲んでるみたいな感じがして夢中で舌を絡めた。


ルシアスとしたキスよりも、確実に甘い味がした。


私がサキュバスになった証拠なのかもしれない。


「ナビの口の中も柔らかくて気持ちいいよ。これが男を虜にするサキュバスか。キスだけでオジサンはメロメロになりそうだよ」


「アッ…パパのチュー美味しいぃ。もっと」


「キスも良いけど、そろそろパパはナビの おっぱいを舐めたいかな」


私に見えるように両手で胸を押し上げるとチュバッと音を立てて吸い付いく口が動くとお臍の下が熱くなって、もっと触って欲しくてパパの頭に手を伸ばし髪に触れた。


短くサラサラする髪。


少し白髪が混じっている。


「チュクッ…進化SEX済みって事はナビの下の口はおチンチンの味を知ってるんだよね?パパは、ナビのキスやおっぱいが良すぎて余裕があまり無いんだ。しかも最近は仕事続きで、お気に入りの子も不在で欲求不満気味。既にギンギンに硬くなってるんだけど」


疲れているとエッチしたくなるのかな?と思いながらパパの眼鏡を外してあげる。


擦り付けられる腰がゴリゴリと私の中に入りたいと主張してる気がした。


入れられる事を想像するだけで、頭の中もお腹の中も焼き切れそうなほど熱を産み、股間からヌルッと液体が流れ出した。


だから、少し身体の位置をずらし社長の顔の前で股を開き、2本の指で中が見えるように押し広げた。


私はSEXの後の満腹感を知っている。



「パパの精液をください」


早く入れてとお願いした。
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