16 / 62
動き出す攻略対象者達
空気を読むことを止めた魔道士
スパーン!!
空き教室で扉を開け放つ音が響き渡る。
「そこまで」
ツカツカと近寄って来たゼロにエドワード様が引き剥がされた。
「リリアーヌを襲ったって言われたくなければ離れて」
「…………リリアーヌ……僕は本気だ」
それだけ言うと、エドワード様は教室から出て行った。
頭が混乱していて、段々足の力が抜けてしまい、床に座り込んでしまう。
「これが18禁仕様の恋愛ゲームなんだね」
顔を上げると、すぐ側に膝を付いて私を見ているゼロと目が合った。
「僕は魔法に関する知識が豊富なんだよ」
ゼロの手が私の頬を撫でた。
「東洋の文字も読める」
「読めない振りをしたのね?」
「うん。リリアーヌが読めない振りをしたし、転生して前世の記憶があるから東洋の文字が勉強しなくても読めると勘違いしている事は、チラッと読んだ手紙で分かったから」
「私はゲームの内容を知らないの」
「でも、前世の記憶がある」
ゼロの手が、私の前髪に触れている。
「でなきゃ東洋の文字が解読出来ることを黙っている必要はないよね?」
「…………合わせてくれたのね」
「僕もリリアーヌが好きだからね」
僕も?
落ち着き始めた頭が、また混乱する。
「王族同士のリリアーヌをめぐる争いの脇から、魔道士登場」
少しづつ後退るけど、ゼロを腕を掴まれ動けなくなる。
金色の目が妖しく細められる。
「実験してみない?」
「え?何を?」
「リリアーヌに愛がこもったキスをしたら、ラフレアが近寄れなくなる可能性」
掴まれた腕を引き寄せられ、勢い余ってゼロの胸に飛び込む体制になっていた。
「リリアーヌは良い匂いがする」
耳の後ろに鼻を擦り寄せられ、息が掛かって背中がゾワゾワする。
「んぅんっ」
「………リリアーヌは耳が弱いの?」
「耳元で喋らないで……んぁ………んっ」
耳を手で触りながら、ゼロに唇を奪われる。
引けていた腰を腕で強く抱き寄せられ、重なる唇の角度が変わる。
抵抗したいのに耳を撫でられる度に力が抜けて、思うように引き離せない。
「明日から覚悟してね。隙あらばリリアーヌにキスするから」
私は手で口を押さえて首を横に振る事しかできない。
「空気を読んで王族にリリアーヌを譲るのを止めたんだ」
立ち上がったゼロに腕を掴まれ、私を引き寄せ立たせると、おデコにキスをした。
「小さい頃から好きなんだ」
私の手を取り唇に寄せる。
「今日は帰ろう。これ以上はしないから」
頭が混乱し、足元がおぼつかない私の手を引いて、ゼロが教室に連れて来てくれた。
「また明日」
鞄を持って教室を出ていくゼロの背中を自分の席に着きながら見送った。
椅子に座らないと、また床に崩れ落ちてしまいそうでした。
ランスロット様との婚約は、私に選択権などありませんでした。
エドワード様の婚約者候補として会いに行った、その日に婚約者がランスロット様に変更され、ランスロット様の騎士としての地位が確立する迄は公にはしないで、表面上はセシル様の婚約者候補とされる言われた。
そこに私の意思など存在しない。
貴族としての立場が、拒否などさせてはくれません。
私が婚約者であるランスロット様以外の人に、心を奪われた未来は、本当に幸せになれるのでしょうか?
逆に、ランスロット様と結婚して、私は幸せになれるの?
ランスロット様は私に優しく、格好が良いけど、恋をする前に婚約したから、それ以上に考えた事がありませんでした。
他の人の手を取る事も考えられなかった。
貴族の役目だと、諦めていたから。
婚約者のランスロット様。
最初から好意を隠そうともしないセシル様。
小さい頃から婚約者だと言われていたエドワード様。
そして幼なじみのゼロ。
考えても答えなど出ない事は頭では分かっていても、思いを巡らせずにはいられなかった。
ランスロット様と結婚する以外の未来の可能性を前して、私の心は揺れ動いていました。
もし叶うなら、エドとの婚約が確定したと言われた時に諦めると決めた初恋をの人の隣に立つ未来があれば良いのに。
そんな気持ちにストップを掛けるのは、忌々しい前世の記憶でした。
空き教室で扉を開け放つ音が響き渡る。
「そこまで」
ツカツカと近寄って来たゼロにエドワード様が引き剥がされた。
「リリアーヌを襲ったって言われたくなければ離れて」
「…………リリアーヌ……僕は本気だ」
それだけ言うと、エドワード様は教室から出て行った。
頭が混乱していて、段々足の力が抜けてしまい、床に座り込んでしまう。
「これが18禁仕様の恋愛ゲームなんだね」
顔を上げると、すぐ側に膝を付いて私を見ているゼロと目が合った。
「僕は魔法に関する知識が豊富なんだよ」
ゼロの手が私の頬を撫でた。
「東洋の文字も読める」
「読めない振りをしたのね?」
「うん。リリアーヌが読めない振りをしたし、転生して前世の記憶があるから東洋の文字が勉強しなくても読めると勘違いしている事は、チラッと読んだ手紙で分かったから」
「私はゲームの内容を知らないの」
「でも、前世の記憶がある」
ゼロの手が、私の前髪に触れている。
「でなきゃ東洋の文字が解読出来ることを黙っている必要はないよね?」
「…………合わせてくれたのね」
「僕もリリアーヌが好きだからね」
僕も?
落ち着き始めた頭が、また混乱する。
「王族同士のリリアーヌをめぐる争いの脇から、魔道士登場」
少しづつ後退るけど、ゼロを腕を掴まれ動けなくなる。
金色の目が妖しく細められる。
「実験してみない?」
「え?何を?」
「リリアーヌに愛がこもったキスをしたら、ラフレアが近寄れなくなる可能性」
掴まれた腕を引き寄せられ、勢い余ってゼロの胸に飛び込む体制になっていた。
「リリアーヌは良い匂いがする」
耳の後ろに鼻を擦り寄せられ、息が掛かって背中がゾワゾワする。
「んぅんっ」
「………リリアーヌは耳が弱いの?」
「耳元で喋らないで……んぁ………んっ」
耳を手で触りながら、ゼロに唇を奪われる。
引けていた腰を腕で強く抱き寄せられ、重なる唇の角度が変わる。
抵抗したいのに耳を撫でられる度に力が抜けて、思うように引き離せない。
「明日から覚悟してね。隙あらばリリアーヌにキスするから」
私は手で口を押さえて首を横に振る事しかできない。
「空気を読んで王族にリリアーヌを譲るのを止めたんだ」
立ち上がったゼロに腕を掴まれ、私を引き寄せ立たせると、おデコにキスをした。
「小さい頃から好きなんだ」
私の手を取り唇に寄せる。
「今日は帰ろう。これ以上はしないから」
頭が混乱し、足元がおぼつかない私の手を引いて、ゼロが教室に連れて来てくれた。
「また明日」
鞄を持って教室を出ていくゼロの背中を自分の席に着きながら見送った。
椅子に座らないと、また床に崩れ落ちてしまいそうでした。
ランスロット様との婚約は、私に選択権などありませんでした。
エドワード様の婚約者候補として会いに行った、その日に婚約者がランスロット様に変更され、ランスロット様の騎士としての地位が確立する迄は公にはしないで、表面上はセシル様の婚約者候補とされる言われた。
そこに私の意思など存在しない。
貴族としての立場が、拒否などさせてはくれません。
私が婚約者であるランスロット様以外の人に、心を奪われた未来は、本当に幸せになれるのでしょうか?
逆に、ランスロット様と結婚して、私は幸せになれるの?
ランスロット様は私に優しく、格好が良いけど、恋をする前に婚約したから、それ以上に考えた事がありませんでした。
他の人の手を取る事も考えられなかった。
貴族の役目だと、諦めていたから。
婚約者のランスロット様。
最初から好意を隠そうともしないセシル様。
小さい頃から婚約者だと言われていたエドワード様。
そして幼なじみのゼロ。
考えても答えなど出ない事は頭では分かっていても、思いを巡らせずにはいられなかった。
ランスロット様と結婚する以外の未来の可能性を前して、私の心は揺れ動いていました。
もし叶うなら、エドとの婚約が確定したと言われた時に諦めると決めた初恋をの人の隣に立つ未来があれば良いのに。
そんな気持ちにストップを掛けるのは、忌々しい前世の記憶でした。
あなたにおすすめの小説
婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。
黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」
豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。
しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。
断罪中、味方が多すぎて王子が孤立している件について
夏乃みのり
恋愛
バーンスタイン伯爵家の令嬢ラミリアは、魔力も剣の才能もない「ごく普通」の地味な女性。
ある日のパーティーで、婚約者であるジェラルド第二王子から「地味で無能で嫉妬深い」と罵られ、身に覚えのない罪で婚約破棄を突きつけられてしまう。
しかし、断罪劇は予想外の展開へ。
【完結】転生したら断罪イベントの真っ最中。聖女の嘘を暴いたら、王太子が真っ青になりました
丸顔ちゃん。
恋愛
王太子は私――エリシアに婚約破棄を宣言し、
隣では甘ったるい声の“聖女”が「こわかったんですぅ♡」と泣き真似をしている。
だが私は知っている。
原作では、この聖女こそが禁術で王太子の魔力を吸い取り、
私に冤罪を着せて処刑へ追い込んだ張本人だ。
優しい家族を守るためにも、同じ結末は絶対に許さない。
私は転生者としての知識を武器に、
聖女の嘘と禁術の証拠を次々に暴き、
王太子の依存と愚かさを白日の下に晒す。
「婚約は……こちらから願い下げです」
土下座する王太子も、泣き叫ぶ聖女も、もう関係ない。
私は新しい未来を選ぶ。
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
お言葉を返すようですが、私それ程暇人ではありませんので
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<あなた方を相手にするだけ、時間の無駄です>
【私に濡れ衣を着せるなんて、皆さん本当に暇人ですね】
今日も私は許婚に身に覚えの無い嫌がらせを彼の幼馴染に働いたと言われて叱責される。そして彼の腕の中には怯えたふりをする彼女の姿。しかも2人を取り巻く人々までもがこぞって私を悪者よばわりしてくる有様。私がいつどこで嫌がらせを?あなた方が思う程、私暇人ではありませんけど?
よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………
naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます!
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話………
でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ?
まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら?
少女はパタンッと本を閉じる。
そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて──
アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな!
くははははっ!!!
静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。
婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています
由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、
悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。
王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。
だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、
冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。
再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。
広場で語られる真実。
そして、無自覚に人を惹きつけてしまう
リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。
これは、
悪役令嬢として断罪された少女が、
「誰かの物語の脇役」ではなく、
自分自身の人生を取り戻す物語。
過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、
彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。
タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒―
私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。
「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」
その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。
※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています