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1人目の自称ヒロイン
****専属護衛の味見
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「メデューサ、少し……よろしいかしら?」
わたくしが書庫で本を読んでいると、ステノーお姉様に声をかけられた。
後ろには、赤い髪の騎士が立ってる。
自然と目が彼に向いてしまう。
日焼けした逞しい彼は、今日は王国騎士の制服を着ていた。
「彼はポセイドン公爵家の次男でメルビン様と仰るの。なんでも修行?の為に、ゴルゴン公爵家の騎士団にいたらしいのだけど、今日からメデューサ専属護衛として、我が家に迎える事になったそうで、お父様から手紙も届いているわ」
彼がメルビン?
呆然と見詰めていると、彼が微笑む。
「実は、父………ポセイドン公爵とゴルゴン公爵は、親友でして我儘を言って騎士団に入れてもらっておりました。父から離れ、経験を積みたいとお願いしたら、高等学校に入学する迄の期間ならと、快く引き受けてくれたのです。それから、本日よりメデューサ様の婚約者でもありますので、よろしくお願い致します」
恥ずかしそうに、はにかみながら人差し指で、顎を掻く仕草は、確かにメルビンと一緒だった。
メルビンは顎を触る癖があり、照れると掻く。
それに、わたくしの心と身体が、彼だと言っている。
椅子に座っていなかったら、肌が逆立つ感覚に、へたり込んでいたかもしれない。
「前世の記憶を思い出した時、無意識とはいえゴルゴン公爵領の騎士団に、短期間限定でも見習いとして身を置いていた自分を褒めたくて仕方なかった。街で会った時、抱き締めたくて堪らなかった」
しばらく固まっていたけど、メルビンの言葉に意識が戻ってくる。
いつの間にか、書庫には2人しかいなかった。
「ステノーお姉様は?」
「気を利かせて出て行ったよ」
「え?」
「恋人だと伝えであるからね。離れたくないから、護衛として雇って欲しいと懇願したら、婿入り限定の婚約を条件に快諾されたんだよ」
そう言いながら、メルビンは書庫の扉の前に歩いている。
「堂々とメデューサに会う為に、時間が思ったよりも掛かってしまった」
ガチャリ
鍵がかかった音が響いた。
「俺は薬品の池に落とさ殺された影響で付いた傷を癒し切ったと思っていたんだが、歪んでしまった魂は完治不可能でね、再製するしか無かった。でも、メデューサの傷を癒すまではと、気力と根性………それから精霊王の助力で、前世の姿を保っていたんだ」
逞しい後ろ姿なのに、その背中が小さく見えて、慌てて立ち上がってメルビンに駆け寄り、そっと手を伸ばした。
背も高く、スラットした細身だけど筋肉質な背中を撫でる。
「メルビン………顔を……よく見せて」
静かに振り返った彼の顔に両手を伸ばした。
前世の面影は有るけど、ずっと野性味を感じさせる凛々しい眉毛、大きな切れ長の目は長いまつ毛に縁どられ、頬には1本傷があり、鼻も少し大きい気がする。
顔は別人なのに、愛おしくて仕方ない。
理由なんて分からない。
「わたくしは、またメルビンを好きになって良いのね」
まるで盲目のわたくしが彼の顔を確認する様に、撫でている。
何も言わずにメルビンは、わたくしを見詰めている。
左手で赤い髪に触れながら、男らしい薄い唇に右手の人差し指を這わせる。
その手を取ったメルビンに、抱き寄せられ、顎を上向かせられると大きな唇が、わたくしの唇に触れた。
最初は優しく触れるだけだったキスが、回数を重ねるごとに角度を変え深くなっていく。
「やっと触れる」
勢い良く抱きかかえらると、書庫の壁に設置された二人がけのソファに降ろされ、押し倒すよえにキスが再開される。
「んっ………あっ……メルビン……わたくしのファースキスが…ンンッ……貴方で嬉しい」
「メデューサ……チュプッ………可愛い……これから…ハァッ………たくさん……デートもしよう。俺達は恋人で婚約者。もう誰にも邪魔させない」
「はい」
「メデューサ」
その後、扉をガチャガチャ音を立て「そろそろ出てきなさい。最後までは許さないわよ!」とステノーお姉様に声をかけられるまで、キスが止まらなかった。
わたくしが書庫で本を読んでいると、ステノーお姉様に声をかけられた。
後ろには、赤い髪の騎士が立ってる。
自然と目が彼に向いてしまう。
日焼けした逞しい彼は、今日は王国騎士の制服を着ていた。
「彼はポセイドン公爵家の次男でメルビン様と仰るの。なんでも修行?の為に、ゴルゴン公爵家の騎士団にいたらしいのだけど、今日からメデューサ専属護衛として、我が家に迎える事になったそうで、お父様から手紙も届いているわ」
彼がメルビン?
呆然と見詰めていると、彼が微笑む。
「実は、父………ポセイドン公爵とゴルゴン公爵は、親友でして我儘を言って騎士団に入れてもらっておりました。父から離れ、経験を積みたいとお願いしたら、高等学校に入学する迄の期間ならと、快く引き受けてくれたのです。それから、本日よりメデューサ様の婚約者でもありますので、よろしくお願い致します」
恥ずかしそうに、はにかみながら人差し指で、顎を掻く仕草は、確かにメルビンと一緒だった。
メルビンは顎を触る癖があり、照れると掻く。
それに、わたくしの心と身体が、彼だと言っている。
椅子に座っていなかったら、肌が逆立つ感覚に、へたり込んでいたかもしれない。
「前世の記憶を思い出した時、無意識とはいえゴルゴン公爵領の騎士団に、短期間限定でも見習いとして身を置いていた自分を褒めたくて仕方なかった。街で会った時、抱き締めたくて堪らなかった」
しばらく固まっていたけど、メルビンの言葉に意識が戻ってくる。
いつの間にか、書庫には2人しかいなかった。
「ステノーお姉様は?」
「気を利かせて出て行ったよ」
「え?」
「恋人だと伝えであるからね。離れたくないから、護衛として雇って欲しいと懇願したら、婿入り限定の婚約を条件に快諾されたんだよ」
そう言いながら、メルビンは書庫の扉の前に歩いている。
「堂々とメデューサに会う為に、時間が思ったよりも掛かってしまった」
ガチャリ
鍵がかかった音が響いた。
「俺は薬品の池に落とさ殺された影響で付いた傷を癒し切ったと思っていたんだが、歪んでしまった魂は完治不可能でね、再製するしか無かった。でも、メデューサの傷を癒すまではと、気力と根性………それから精霊王の助力で、前世の姿を保っていたんだ」
逞しい後ろ姿なのに、その背中が小さく見えて、慌てて立ち上がってメルビンに駆け寄り、そっと手を伸ばした。
背も高く、スラットした細身だけど筋肉質な背中を撫でる。
「メルビン………顔を……よく見せて」
静かに振り返った彼の顔に両手を伸ばした。
前世の面影は有るけど、ずっと野性味を感じさせる凛々しい眉毛、大きな切れ長の目は長いまつ毛に縁どられ、頬には1本傷があり、鼻も少し大きい気がする。
顔は別人なのに、愛おしくて仕方ない。
理由なんて分からない。
「わたくしは、またメルビンを好きになって良いのね」
まるで盲目のわたくしが彼の顔を確認する様に、撫でている。
何も言わずにメルビンは、わたくしを見詰めている。
左手で赤い髪に触れながら、男らしい薄い唇に右手の人差し指を這わせる。
その手を取ったメルビンに、抱き寄せられ、顎を上向かせられると大きな唇が、わたくしの唇に触れた。
最初は優しく触れるだけだったキスが、回数を重ねるごとに角度を変え深くなっていく。
「やっと触れる」
勢い良く抱きかかえらると、書庫の壁に設置された二人がけのソファに降ろされ、押し倒すよえにキスが再開される。
「んっ………あっ……メルビン……わたくしのファースキスが…ンンッ……貴方で嬉しい」
「メデューサ……チュプッ………可愛い……これから…ハァッ………たくさん……デートもしよう。俺達は恋人で婚約者。もう誰にも邪魔させない」
「はい」
「メデューサ」
その後、扉をガチャガチャ音を立て「そろそろ出てきなさい。最後までは許さないわよ!」とステノーお姉様に声をかけられるまで、キスが止まらなかった。
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