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女神転生の目的
温室の薔薇
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「わたくし………そこのメルビンみたいに、無駄にイケメンの男が死ぬほど嫌いなのですわ」
学校のカフェで似たセリフを聞いたのに、話す人と状況が違うと、こんなに違うのかと思っていました。
わたくしを処刑してまで結ばれようとしたメルビンに対して、嫌悪感を露わにする彼女に戸惑いを感じる。
髪や目の色だけでなく、性格まで変わったみたいです。
「今度は………随分と顔立ちが変わられましたけど、嫌味な程に整った顔に吐き気がしますわ」
「お前も相変わらずなのだな……アンジェリーナ………いや、今はバレンティーナだったな」
「今は他人です。気安く呼ばないでください」
ギスギスした空気に、息が詰まりそうなので、わたくしは庭の温室に逃げ込みました。
最後まで、黙って見ている自信がありません。
温室の中は……あの時の様に、色とりどりで多種多様の薔薇が咲き誇っていました。
甘い香りに包まれ、あの時の事を思い出していた。
わたくしはメルビンの妹であるアンジェリーナ様の 御学友の1人に過ぎなかった。
積極的に関係を築いた覚えらないけど、わたくしは彼女のそばに居た。
アンジェリーナ様の趣味とされていた温室の薔薇の世話を任されるようになっていた。
わたくしも貴族だったけど、立派な温室など無く、ここで薔薇を育てる事が嬉しくて楽しかった。
そんな わたくしの姿を眺めながらお茶を飲むのが彼女の日課だった。
何も言わずに見ているだけ。
そこにメルビンが加わる様になったのは、わたくしが温室に寝泊まりした事が切っ掛けだった気がする。
少し前から調子が悪い株があり、心配で毛布を持ち込んで、ずっと座り込んで見守っていた。
あの時のアンジェリーナ様は、とても優しくて、何度も わたくしを気使い、差し入れを持って訪れてくれた。
そんな彼女の様子が気になったのか、兄であるメルビンが、アンジェリーナ様の目を盗んで温室に入ってきた。
「こんな所に、薔薇の妖精を飼っていたのか」
暗闇に浮かぶ青い髪の男性に、見蕩れるよりも恐怖におののきながら、縺れる足に逃げる事ができず転んでしまった わたくしを抱き起こしてくれた。
遠目から見ていた凛々しいアンジェリーナ様の兄が目の前に居て焦りと緊張で吐きそうになっていきました。
そんな わたくしを軽々と横抱きして、いつもアンジェリーナ様がお茶を飲んでいる椅子に座らされる。
「すまない。驚かせるつもりは無かった」
最初は口も聞けず、震えながら海が波打つようにキラキラした水色の瞳を見詰め返す事が精一杯だった。
それから薔薇の世話をする わたくしの姿を見ながら兄妹で お茶会をする事が通例になっていきました。
その頃からアンジェリーナ様の機嫌が悪くなり始めていたので、わたくしに対する嫉妬だったのかも知れませんが、当時のわたくしには分かるはずもなく、緊張しながら薔薇の世話をしていた覚えがあります。
連日にわたり緊張していた為か、わたくしが体調を崩し寝込んだ時に、3人の関係が変わりました。
昼間はアンジェリーナ様が、お見舞い来てくれて「メデューサが居ないと薔薇の元気が無いの。わたくしも寂しいわ………早く良くなってね」と気遣ってくれた。
その日の夜、熱か落ち着いて夜中に目が覚めてしまった わたくしは、部屋の中に動く影を見付けて悲鳴をあげそうになるけど、大きな白い手に口を塞がれる。
「すまない。アンジェリーナには止められたんだが、どうしても顔が見たくなった」
そう言いメルビンに抱き締められた。
病み上がりで お風呂に入って無かった上に、ナイトドレス1枚という恥ずかしい状況でに、頭の中はパニック状態だった。
なのに「メデューサ………好きだ」憧れの人に告白されて、色々と限界だった わたくしは、彼の腕の中で意識を失ってしていました。
その日を境に、アンジェリーナ様の目を忍んで、メルビンの猛アピールが始まりました。
世話を手伝ってくれたり、目が合えば”好きだ”とか”可愛い”と囁かれ、隙あらば抱き寄せられ、キスされるようになり、抵抗なんて頭になかった わたくしは次第に 惹かれていきました。
学校のカフェで似たセリフを聞いたのに、話す人と状況が違うと、こんなに違うのかと思っていました。
わたくしを処刑してまで結ばれようとしたメルビンに対して、嫌悪感を露わにする彼女に戸惑いを感じる。
髪や目の色だけでなく、性格まで変わったみたいです。
「今度は………随分と顔立ちが変わられましたけど、嫌味な程に整った顔に吐き気がしますわ」
「お前も相変わらずなのだな……アンジェリーナ………いや、今はバレンティーナだったな」
「今は他人です。気安く呼ばないでください」
ギスギスした空気に、息が詰まりそうなので、わたくしは庭の温室に逃げ込みました。
最後まで、黙って見ている自信がありません。
温室の中は……あの時の様に、色とりどりで多種多様の薔薇が咲き誇っていました。
甘い香りに包まれ、あの時の事を思い出していた。
わたくしはメルビンの妹であるアンジェリーナ様の 御学友の1人に過ぎなかった。
積極的に関係を築いた覚えらないけど、わたくしは彼女のそばに居た。
アンジェリーナ様の趣味とされていた温室の薔薇の世話を任されるようになっていた。
わたくしも貴族だったけど、立派な温室など無く、ここで薔薇を育てる事が嬉しくて楽しかった。
そんな わたくしの姿を眺めながらお茶を飲むのが彼女の日課だった。
何も言わずに見ているだけ。
そこにメルビンが加わる様になったのは、わたくしが温室に寝泊まりした事が切っ掛けだった気がする。
少し前から調子が悪い株があり、心配で毛布を持ち込んで、ずっと座り込んで見守っていた。
あの時のアンジェリーナ様は、とても優しくて、何度も わたくしを気使い、差し入れを持って訪れてくれた。
そんな彼女の様子が気になったのか、兄であるメルビンが、アンジェリーナ様の目を盗んで温室に入ってきた。
「こんな所に、薔薇の妖精を飼っていたのか」
暗闇に浮かぶ青い髪の男性に、見蕩れるよりも恐怖におののきながら、縺れる足に逃げる事ができず転んでしまった わたくしを抱き起こしてくれた。
遠目から見ていた凛々しいアンジェリーナ様の兄が目の前に居て焦りと緊張で吐きそうになっていきました。
そんな わたくしを軽々と横抱きして、いつもアンジェリーナ様がお茶を飲んでいる椅子に座らされる。
「すまない。驚かせるつもりは無かった」
最初は口も聞けず、震えながら海が波打つようにキラキラした水色の瞳を見詰め返す事が精一杯だった。
それから薔薇の世話をする わたくしの姿を見ながら兄妹で お茶会をする事が通例になっていきました。
その頃からアンジェリーナ様の機嫌が悪くなり始めていたので、わたくしに対する嫉妬だったのかも知れませんが、当時のわたくしには分かるはずもなく、緊張しながら薔薇の世話をしていた覚えがあります。
連日にわたり緊張していた為か、わたくしが体調を崩し寝込んだ時に、3人の関係が変わりました。
昼間はアンジェリーナ様が、お見舞い来てくれて「メデューサが居ないと薔薇の元気が無いの。わたくしも寂しいわ………早く良くなってね」と気遣ってくれた。
その日の夜、熱か落ち着いて夜中に目が覚めてしまった わたくしは、部屋の中に動く影を見付けて悲鳴をあげそうになるけど、大きな白い手に口を塞がれる。
「すまない。アンジェリーナには止められたんだが、どうしても顔が見たくなった」
そう言いメルビンに抱き締められた。
病み上がりで お風呂に入って無かった上に、ナイトドレス1枚という恥ずかしい状況でに、頭の中はパニック状態だった。
なのに「メデューサ………好きだ」憧れの人に告白されて、色々と限界だった わたくしは、彼の腕の中で意識を失ってしていました。
その日を境に、アンジェリーナ様の目を忍んで、メルビンの猛アピールが始まりました。
世話を手伝ってくれたり、目が合えば”好きだ”とか”可愛い”と囁かれ、隙あらば抱き寄せられ、キスされるようになり、抵抗なんて頭になかった わたくしは次第に 惹かれていきました。
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