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君は所謂「真面目」とか「優等生」とか言われるような人間でその理由は「家が貧乏だから」とか「頼れる人がいなかった」だとか、大方そんな感じだった。
ただその一方で、タバコを吸ったりリストカットをしたり嘘をついたりその「優等生」という自分が貼り付けたレッテルがどうしても気に食わない1面もあった。
私には愛がわからない。
ただ私はその形を知っている。
それは私自身が愛の曲を聴き、愛の話を読み、愛を語りかけられてきたからだ。
よく彼女は僕に聞く
「私の何がいいの?」
僕は彼女に答える「それは全てだ」
彼女は不満げに「そっか」と話を終わらせる
具体的に答えが欲しかったのであろう
容姿とか真面目さとかそんなんじゃない自分の内側にある自分でも理解できない何かを私に理解して欲しかったのであろう。ただ僕はそれを出来なかった。いや、しなかっただけだと思う。
よく嘘をつく彼女は「援交した」だの「あなたが嫌い」だの言ってくる。
彼女は嫌って欲しかったのだろう。「私は元々あなたが好きじゃない」とついた嘘に彼女は何を求めるのだろう。
「離れて欲しかった」
そう言う彼女の表情は酷く虚しく涙を流すのだろう。
本当は離れたくもないのに自分勝手に病んでしまう自分のやるせなさや思い通りにならない私への負の感情がどうしても抑えきれなくなり私への不憫さを感じてしまうのだろう。
私は彼女に嫉妬して欲しかった。
彼女はよく嫉妬をする。私はそれがとてつもなく嬉しいのだ。
生まれてこの方愛されてきた。誰かの2番目か三番目として。
親にも愛されたが、長男や次男への愛には勝てずいつも1歩引いていた。一番になるためにした工夫は全て裏目に出て貼られたレッテルは「出来損ない」や「劣化版」であった。
付き合ってきた人々からも私は1番ではなくどこかの誰かと比べているような雰囲気が見られた。
彼女と付き合ってから彼女は僕を1番に置いた。誰と比べるわけでもなく私を私としてみてくれた。それは喧嘩の原因になったこともあったが、私はそれが嬉しく思い言い返した。私のことを見てくれている。私の負さえも愛してくれている。全てを見てほしい。それだけが私の魂胆で生き甲斐であった。
彼女はよく嫉妬をした。
女の子と話した、男友達と遊びに行った。
それだけで彼女は不安がった。そしてよく病んでいた。
「私だけを見て。他に何もいらないでしょ」そう言うことを最初は抑えていたが今になっては抑えず言ってくる。
それを煩わしいと思っている。だけどそのLINEが来る度に僕は愛されていると実感しにやけてしまう。
彼女は僕を何からも取られたくなさそうにする。そして何かに取られるかもしれないという防衛本能から嘘をつき、罵倒し、僕から捨てられる前にと別れを切り出す。
彼女はよく「別れる」という。
付き合い始めてからもう1年と少し経った。
何回別れ話をしたのであろうか。それが分からないほどに喧嘩をして、その後に愛を囁きあった。
よくわからない感情の渦巻きを止めるのは私にしかないと彼女はそう思っていたのだろうけどその原因は私であることも悩みの種であったのだろう。
夜になると病みだし通話越しに悪夢を見て泣き出す。
「助けて。」と呟き泣いている彼女を赤子をあやす様に「大丈夫だよ。愛してるよ。私がいるよ」と語りかける。
彼女は寝ぼけたように「うん」といい静かに眠りにつく。その悪夢がない日は僕を思ってないのかと不安になる。
彼女はよく「夜が怖い」という。
手を繋ぎ頭を撫でる。「またね」と言うと泣きそうな顔になる。
ちゃんと家に帰れるか浮気をしないか、そして彼女が家に帰りたくないのと一緒にいたいのであろう強がって「また明日」という。
僕は素っ気ないふりをして「うん」という。
いつも車の中で涙を流す。
彼女はよくセックスをする時に痛がる。
僕が下手くそなのと遅いのが原因だろう
ただもう辞めようかと言うと彼女は「まだやりたい」という。
痛みが生きている証なのだろう。
そして、痛がって苦しがっている自分を見せたいのであろう。こんなに私は尽くしていると彼女は私に言いたいのであろう。
私はそんな健気な彼女がたまらなく好きで意地悪をする。
「もうやめよう。」そう言いながら僕は続ける。強がった彼女は次の朝「痛い」という。
覚えていないふりをしてお酒のせいにする。私は彼女以上に彼女を知っている。
彼女はよく「死にたい」という。
「殺して」とも言う。
「一緒に死のうよ」とも言う。
本音なのだろう。
私はそれを許さないという。
彼女が僕といて苦しんで欲しい。
そして楽しんでほしい。
私という存在が彼女の人生を覆い尽くして暗闇の中から救い出したい。
彼女はよく「愛してる」という。
僕もよく「愛している」という。
それは、本音であり確認でもある。
「私には愛がわからない」そういう彼女に僕は笑う。
「僕に対してのそれは必ず愛と呼ぶべきものだよ」そういうことを言うと不思議そうな顔をする。
私には愛がわかる。
私自身本当に人を愛してきたのかわからない。
ただ彼女を愛している。
私にはもう彼女しかないのだから彼女も私しか無ければならない。
それは答えでそうしないといけない。
彼女はよく私を見ている。
私はそれ以上に彼女を見ている。
私は彼女の全てを知りはしない。
だけど私は彼女以上に彼女を知っている。
私は彼女を愛している。
Kへ。
ただその一方で、タバコを吸ったりリストカットをしたり嘘をついたりその「優等生」という自分が貼り付けたレッテルがどうしても気に食わない1面もあった。
私には愛がわからない。
ただ私はその形を知っている。
それは私自身が愛の曲を聴き、愛の話を読み、愛を語りかけられてきたからだ。
よく彼女は僕に聞く
「私の何がいいの?」
僕は彼女に答える「それは全てだ」
彼女は不満げに「そっか」と話を終わらせる
具体的に答えが欲しかったのであろう
容姿とか真面目さとかそんなんじゃない自分の内側にある自分でも理解できない何かを私に理解して欲しかったのであろう。ただ僕はそれを出来なかった。いや、しなかっただけだと思う。
よく嘘をつく彼女は「援交した」だの「あなたが嫌い」だの言ってくる。
彼女は嫌って欲しかったのだろう。「私は元々あなたが好きじゃない」とついた嘘に彼女は何を求めるのだろう。
「離れて欲しかった」
そう言う彼女の表情は酷く虚しく涙を流すのだろう。
本当は離れたくもないのに自分勝手に病んでしまう自分のやるせなさや思い通りにならない私への負の感情がどうしても抑えきれなくなり私への不憫さを感じてしまうのだろう。
私は彼女に嫉妬して欲しかった。
彼女はよく嫉妬をする。私はそれがとてつもなく嬉しいのだ。
生まれてこの方愛されてきた。誰かの2番目か三番目として。
親にも愛されたが、長男や次男への愛には勝てずいつも1歩引いていた。一番になるためにした工夫は全て裏目に出て貼られたレッテルは「出来損ない」や「劣化版」であった。
付き合ってきた人々からも私は1番ではなくどこかの誰かと比べているような雰囲気が見られた。
彼女と付き合ってから彼女は僕を1番に置いた。誰と比べるわけでもなく私を私としてみてくれた。それは喧嘩の原因になったこともあったが、私はそれが嬉しく思い言い返した。私のことを見てくれている。私の負さえも愛してくれている。全てを見てほしい。それだけが私の魂胆で生き甲斐であった。
彼女はよく嫉妬をした。
女の子と話した、男友達と遊びに行った。
それだけで彼女は不安がった。そしてよく病んでいた。
「私だけを見て。他に何もいらないでしょ」そう言うことを最初は抑えていたが今になっては抑えず言ってくる。
それを煩わしいと思っている。だけどそのLINEが来る度に僕は愛されていると実感しにやけてしまう。
彼女は僕を何からも取られたくなさそうにする。そして何かに取られるかもしれないという防衛本能から嘘をつき、罵倒し、僕から捨てられる前にと別れを切り出す。
彼女はよく「別れる」という。
付き合い始めてからもう1年と少し経った。
何回別れ話をしたのであろうか。それが分からないほどに喧嘩をして、その後に愛を囁きあった。
よくわからない感情の渦巻きを止めるのは私にしかないと彼女はそう思っていたのだろうけどその原因は私であることも悩みの種であったのだろう。
夜になると病みだし通話越しに悪夢を見て泣き出す。
「助けて。」と呟き泣いている彼女を赤子をあやす様に「大丈夫だよ。愛してるよ。私がいるよ」と語りかける。
彼女は寝ぼけたように「うん」といい静かに眠りにつく。その悪夢がない日は僕を思ってないのかと不安になる。
彼女はよく「夜が怖い」という。
手を繋ぎ頭を撫でる。「またね」と言うと泣きそうな顔になる。
ちゃんと家に帰れるか浮気をしないか、そして彼女が家に帰りたくないのと一緒にいたいのであろう強がって「また明日」という。
僕は素っ気ないふりをして「うん」という。
いつも車の中で涙を流す。
彼女はよくセックスをする時に痛がる。
僕が下手くそなのと遅いのが原因だろう
ただもう辞めようかと言うと彼女は「まだやりたい」という。
痛みが生きている証なのだろう。
そして、痛がって苦しがっている自分を見せたいのであろう。こんなに私は尽くしていると彼女は私に言いたいのであろう。
私はそんな健気な彼女がたまらなく好きで意地悪をする。
「もうやめよう。」そう言いながら僕は続ける。強がった彼女は次の朝「痛い」という。
覚えていないふりをしてお酒のせいにする。私は彼女以上に彼女を知っている。
彼女はよく「死にたい」という。
「殺して」とも言う。
「一緒に死のうよ」とも言う。
本音なのだろう。
私はそれを許さないという。
彼女が僕といて苦しんで欲しい。
そして楽しんでほしい。
私という存在が彼女の人生を覆い尽くして暗闇の中から救い出したい。
彼女はよく「愛してる」という。
僕もよく「愛している」という。
それは、本音であり確認でもある。
「私には愛がわからない」そういう彼女に僕は笑う。
「僕に対してのそれは必ず愛と呼ぶべきものだよ」そういうことを言うと不思議そうな顔をする。
私には愛がわかる。
私自身本当に人を愛してきたのかわからない。
ただ彼女を愛している。
私にはもう彼女しかないのだから彼女も私しか無ければならない。
それは答えでそうしないといけない。
彼女はよく私を見ている。
私はそれ以上に彼女を見ている。
私は彼女の全てを知りはしない。
だけど私は彼女以上に彼女を知っている。
私は彼女を愛している。
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