ハンターの俺、好きなだけモンスターを狩ってたら勇者を超えました。〜伝説級モンスター狩りまくっただけの俺が転生チート勇者より強い件について

ヒロアキ コウダイ

文字の大きさ
1 / 1

第一話 その名はハンター

しおりを挟む

「コウイチ……逃げな……さい」

十三年前……紫のおぞましい炎が俺の全てを焼いた。村、家族、笑顔、自然、心、全てを失った。

「母さん……? かあ、さ、……」

そこにあったのは右腕だけになった母の死体……目の前には紫の炎を纏った竜………

「グオオオオオオオオオオッ!!」

「あ、あ……」

俺は怒りで目の前が真っ白になる。気づいたら俺は獣みたいな声をあげていた。

「ゔあああああああああああああああああっ!!」

そっから先は覚えてない。だが一つわかることがある。あの時、あの瞬間俺はハンターとしての道を進む運命だったのだろう……あの竜に復讐するために。

それから俺はハンターの街であるタタラの里で実力を重ね遂にハンターになることができた。

「おめでとう……少年、君は今日からハンターだ。」

そして初めて師匠からもらった武器は刀だった。

刀はモンスターと呼吸を合わせ隙を一瞬で見切り……敵を切り刻む武器

他の武器と違って防御面は無いに等しいので失敗は許されない……だけどそれがいい。

なぜか?それはこの緊張感がたまらないからだ。

……まあそんなことは置いといて俺は戦車獅子レオバルドの討伐に来ていた。

『レオバルド』……戦車獅子の名の如く巨大な肉体をもつモンスターだ。

特徴はその強靭な体毛……普段他のモンスターの体毛と変わらないが攻撃を受ける瞬間だけ硬化し伝説級のモンスターの素材で作った大剣ですら弾き返す。

そして輝かしい色を持つたてがみは大砲の一斉射に兵器で耐えてしまうほどの頑丈さをもつ。

さらに戦闘時に興奮すると攻撃形態なる。

攻撃形態になるとたてがみが激しく逆立ちあらゆるものを切り裂くほど硬く、そして鋭くなる。

まあようするに攻撃を防いで一方的にボコしてくるライオンってことだ。

そんなチート属性てんこ盛りのモンスターと俺は戦おうとしていたが先客がいたようだ。

「グオオオオオオオオオオッ!!」

「くそっ! これが戦車獅子レオバルドのパワーか!?」

「剣はまるできいてないわね……!! なら……ガンナー!」

「わかってますって! 徹甲弾はもう装填してっすよ!」

「こいつを喰らえええええええええ!!」

ズドン!!と響きわたるとキャノンが大きく跳ね、土埃が舞う。 弾が直撃するとレオバルドは大きく吹っ飛ばされ動かなくなる。

「やったか!!」

「あーあ大したことないやつだったな」

「でもどうする? こいつ倒したところで迷ったままだぞ……」

「確かに……どうしましょう……」

「グルルル……」

「………!!こいつ!生きていやがる!!」

するとレオバルドがスパークし始め金色に……ありゃ怒ってるな……

「ひっ……!」

「おいおい……!俺らやべーんじゃ!?」

「やばいっすねこれ……!」

「グオオオオオオオオオオッ!!」

「「「うわああああああああっ!!」」」

すると俺はタイミングを見計らい刀を構えて攻撃を待つ……

「あんた何してんの!!逃げなさ……」

(ここだ!)

抜刀し一閃斬りをする。

するとレオバルドはあちこちが一瞬で切り裂かれズタズタになり、そのまま動かなくなった。

「す、すごい……一瞬で倒しやがった……」

「おめーらが戦ってたところをみて隙を見つけられたからな感謝するぜ」

「つまり……私たちを利用したってこと?」

「まー……そういうこった! わりぃな!」

「あんた誰だ……?この地方の人間でもなさそうだし……」

「俺はハンターさ、依頼されたモンスターを狩るそれだけ」

「は、はぁ」

「んじゃ!またな!」

「お、おい!」

「あと街はそっちの方面にあるぜ、探しな」

「あ、ありがと……う」

「じゃあな!」

俺はワイヤーを使ってその場を去る。

「えっと……次の討伐対象は癌元龍がんがんりゅうギャンザーだっけ……場所は毒深林か……」

俺は依頼内容を確認する。

「よーし!行くか!!」

『ちょっと待ったああああ!』

「うげっ! なんだよじっちゃん……」

コトバダマというアイテムでじっちゃんが話しかけてきた。

これはハンターに支給される通信アイテムでどれだけ離れていても通信ができる。

気で通信するため他のハンターから傍受も妨害もされない。

『お前さん3日連続で狩りすぎじゃ!! ちょっとは体を休ませい!!』

「いー!? まだ全然体力あるって!!」

『いいか! 心身の乱れは狩りの乱れじゃ!! さっさと帰ってこい!』

「えーでもなぁ……あと一体だけ……」

『妹ちゃんが飯作って待っとるぞー?』

「よし帰ろう」

『相変わらずブラコンじゃのぉ………』

俺は急いでタタラの里へと向かう。

(正直言ってギャンザーを狩りたいけど……美味いメシとツバキが待ってるならまぁいっか!!)

「~♪~♪」

「よいしょっと!」

「あ!おかえりなさい!」

「ただいまー」

「ウッ!お義兄ちゃん臭うよ……?」

「えっ?まじか……」

「まぁでも……3日連続狩してたんでしょ? 臭いのは当然ね……」

「お風呂沸かしてあるから先はいってきてお義兄ちゃん」

「おう」

俺は風呂に浸かり3日間の汚れを落とす……彼女の名はツバキ、俺の義理の妹だ。
昔は俺と同じくハンターになろうとしたが試験に落ちてしまい今はハンター食堂のメニュー開発をしている。

狩ることしか叩き込まれなかった俺からすれば苦手な家事をやってくれるとてもありがたい存在である。 

しかもあいつの飯はうまい。 ある王国の専属コックを『弟子入りさせてほしい』と言わせたほどだ……

「ふいースッキリスッキリ!」

「そういや今日のメシなんだ?」

「新開発した焼肉定食よ、ちょっと毒味してみて」

「え゛っ……なんの肉?」

「安心して、コッドンの上質な部分だけ使った焼き肉よ」

「羊毛獣コッドンか?」

「ええ、コスト度外視の試作品だけど……まぁまぁ美味しいはずよ」

「この前は自爆竜の肉使ったから警戒したぜ……」

「あれねぇ……もうちょい焼けば爆発しなかったかしら?」

「もうあれ使うなよ……この前だってキッチン吹き飛んだじゃねーか」

「うーん……でも自爆竜の肉はタンパク質が大量なのは確かなのよねぇ……」

そう……ツバキはかなり挑戦的で俺が狩ったモンスターの肉をこっそり調達して料理に使うことが多々ある。

この前は自爆竜ダイナボンガーの肉を調理してキッチンが吹き飛んだ……その前なんかは閃光竜ピカーシュの肉を調理して家中に激しい閃光がほど走った上にその状態何日間か続いてしばらく家に入れなかった。

まぁそんなトラブルメーカーな妹だ。

「……!! この肉うめぇな!」

「へっへーん!でしょ!!」

「コッドンの肉って熱が長持ちしやすいのよ! よくわかんないけど」

「コッドンは寒冷地に住む生物だからな、羊毛だけじゃ体に熱を閉じ込められないからそういう体に進化したんだな」

「へぇー」

「ねぇお義兄ちゃん! 次はなんのモンスターを狩るの?」

「うーん……次は癌元龍だったな……」

「癌元龍って……そんなやつの肉使えないじゃない!!」

「当たり前だろ!! 一口でも食ったら即死だぞ……」

「それはそうと……あんなやつの素材売れるの?」

「今回の依頼は素材目的じゃないな、」

「え? 素材目的じゃないって珍しいわね……」

「どっちかっていうと討伐がメインだな」

「なんか怪しいわね……でもそれくらいで辞めるお義兄ちゃんじゃないか」

「いってらっしゃい、"ハンター"」

 やれやれとツバキがキッチンへ向かう。

 なんか悲しそうな感じしてたな……まぁいいや、とりあえず癌元龍の元へ向かおう。 

 
 次回……毒森林での出会い。


しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

「餌代の無駄」と追放されたテイマー、家族(ペット)が装備に祝福を与えていた。辺境で美少女化する家族とスローライフ

天音ねる(旧:えんとっぷ)
ファンタジー
【祝:男性HOT18位】Sランクパーティ『紅蓮の剣』で、戦闘力のない「生産系テイマー」として雑用をこなす心優しい青年、レイン。 彼の育てる愛らしい魔物たちが、実はパーティの装備に【神の祝福】を与え、その強さの根源となっていることに誰も気づかず、仲間からは「餌代ばかりかかる寄生虫」と蔑まれていた。 「お前はもういらない」 ついに理不尽な追放宣告を受けるレイン。 だが、彼と魔物たちがパーティを去った瞬間、最強だったはずの勇者の聖剣はただの鉄クズに成り果てた。祝福を失った彼らは、格下のモンスターに惨敗を喫する。 ――彼らはまだ、自分たちが捨てたものが、どれほど偉大な宝だったのかを知らない。 一方、レインは愛する魔物たち(スライム、ゴブリン、コカトリス、マンドラゴラ)との穏やかな生活を求め、人里離れた辺境の地で新たな暮らしを始める。 生活のためにギルドへ持ち込んだ素材は、実は大陸の歴史を塗り替えるほどの「神話級」のアイテムばかりだった!? 彼の元にはエルフやドワーフが集い、静かな湖畔の廃屋は、いつしか世界が注目する「聖域」へと姿を変えていく。 そして、レインはまだ知らない。 夜な夜な、彼が寝静まった後、愛らしい魔物たちが【美少女】の姿となり、 「れーんは、きょーも優しかったの! だからぽるん、いーっぱいきらきらジェル、あげたんだよー!」 「わ、私、今日もちゃんと硬い石、置けました…! レイン様、これがあれば、きっともう危ない目に遭いませんよね…?」 と、彼を巡って秘密のお茶会を繰り広げていることを。 そして、彼が築く穏やかな理想郷が、やがて大国の巨大な陰謀に巻き込まれていく運命にあることを――。 理不尽に全てを奪われた心優しいテイマーが、健気な“家族”と共に、やがて世界を動かす主となる。 王道追放ざまぁ × 成り上がりスローライフ × 人外ハーモニー! HOT男性49位(2025年9月3日0時47分) →37位(2025年9月3日5時59分)→18位(2025年9月5日10時16分)

没落ルートの悪役貴族に転生した俺が【鑑定】と【人心掌握】のWスキルで順風満帆な勝ち組ハーレムルートを歩むまで

六志麻あさ
ファンタジー
才能Sランクの逸材たちよ、俺のもとに集え――。 乙女ゲーム『花乙女の誓約』の悪役令息ディオンに転生した俺。 ゲーム内では必ず没落する運命のディオンだが、俺はゲーム知識に加え二つのスキル【鑑定】と【人心掌握】を駆使して領地改革に乗り出す。 有能な人材を発掘・登用し、ヒロインたちとの絆を深めてハーレムを築きつつ領主としても有能ムーブを連発して、領地をみるみる発展させていく。 前世ではロクな思い出がない俺だけど、これからは全てが報われる勝ち組人生が待っている――。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

雪奈 水無月
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します

burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。 その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。

ブラック企業で心身ボロボロの社畜だった俺が少年の姿で異世界に転生!? ~鑑定スキルと無限収納を駆使して錬金術師として第二の人生を謳歌します~

楠富 つかさ
ファンタジー
 ブラック企業で働いていた小坂直人は、ある日、仕事中の過労で意識を失い、気がつくと異世界の森の中で少年の姿になっていた。しかも、【錬金術】という強力なスキルを持っており、物質を分解・合成・強化できる能力を手にしていた。  そんなナオが出会ったのは、森で冒険者として活動する巨乳の美少女・エルフィーナ(エル)。彼女は魔物討伐の依頼をこなしていたが、強敵との戦闘で深手を負ってしまう。 「やばい……これ、動けない……」  怪我人のエルを目の当たりにしたナオは、錬金術で作成していたポーションを与え彼女を助ける。 「す、すごい……ナオのおかげで助かった……!」  異世界で自由気ままに錬金術を駆使するナオと、彼に惚れた美少女冒険者エルとのスローライフ&冒険ファンタジーが今、始まる!

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...