18 / 39
からかさの恋
からかさの恋 八
しおりを挟む
「定着しない?」
「ええ。一応魂は反物に入れたんですが、一体化してくれないんですよ。むしろヤンス氏とくっつきたがっているような素振りさえあります」
「魂に素振りなんてあるのか……」
事務所に戻ると俺たちは、アパートの空き部屋を使い、さっそくお絹さんの魂を反物に戻す作業を始めた。
基本的に不死ではあるものの、やはり器があるかないかでは、その心持ちが大きく違う。
平たく言えば、器のない魂だけの存在は、悪霊化しやすいのだ。
魂柱がその最たるものだろう。あれは魂が他の魂を器がわりにして、負の感情を際限なく肥大化させるものなんだそうだ。
「その芯として使われそうだったのがお絹さん、ということになりますねえ」
と、猩々さんは言っていた。てことは彼女、実はかなり強いんじゃないか?
今は剥き出しの魂を落ち着かせるため、ヤンス氏が説得にあたっているんだが、器に戻るのをそっちのけで、彼にベタベタしているらしい。
からかさと反物、か。
全く関係のない物に思えたりもするが……。
「どうしたもんですかねぇ……」
「ちょっとヤンス氏と話したいんですが、いいです?」
「人間のアイデアも必要かもしれません。お願いします」
「あたしもいくー」
既にいつもの大正浪漫風メイド服に着替えていた小梅を連れて、ヤンス氏が頑張っている部屋へと向かう。少し遅れて、猩々さんもついてきている。
「調子はどうすか……ってなんか凄いことになってんな」
「中々上手くいきませんねぇ」
「……の割にはなんかニヤついてんだけど」
ヤンス氏は、お絹さんの反物の上に器用に座り、彼女の魂を絡みつかせていた。
まあ、そりゃそうだろうなあ。
ずっと蔵の中で一緒にいて、数十年会ってない相手が、自分のために必死になってるんだ。
そりゃあ、相手に絡みついて離れたくない気持ちも分かる。
分かるがしかし。
「ちょっと人に見せられない顔になってるな」
「控えめに言ってキモい」
「遠慮した上でそれですか。容赦ないですな」
「いんやぁ、いいんでヤンスよぅ、おっほほぅ」
「取り込まれてるじゃねえか」
「おっほほぅって……」
とりあえずこのままじゃ話にならないな。
「ちょっと確認しときたいんだが」
「へぇ、なんでやんしょ?」
「あんた、このままだと共倒れになるの、分かってるか?」
「へ?」
「分かってなかったかぁ……。いいですかヤンス氏、このままお絹さんの魂が定着しなければ悪霊化、しかも、どう見ても取り憑かれてるあなたも一緒に堕ちることになります」
今回の猩々さんは珍しく真面目だな。ダジャレも出ないし。
「そうなると、我々としては、人間社会に溶け込んで生きたい他のあやかし達のために、除霊封印しないといけなくなるんです」
「うっ……」
「正直なところ、私はあなたがたにそれをしたくはないんです
「め、めんぼくねぇ」
「ね、怜ちゃん、猩々さんが真面目だよ」
「おう、なんかこうアレだな、背中が痒くなるな」
「所長……」
猩々さんにすまんすまんと手を合わせ、俺はヤンスに向かって言った。
「で、結局の所、二人は惚れあっているってことでいいのかな。だとしたら手はあるんだけど」
「え、本当ですかいミスター!」
「ミスターはやめなさいよ。まぁこれは二人の意志が大事になる話だ。その辺はどうかと思ってさ」
「つまり、ヤンス氏本人はいいとしても、お絹さんの気持ちも聞かねばってことですよね。ま、聞くまでもない状態ですけども」
「まぁねぇ」
帰りの車で聞いた話だが、お絹さんは以前はヤンス氏のことをそれほど、なんなら普通に話友達くらいの感覚だったようだ。
それが、先ほどの救出劇の際、ヤンス氏の気持ちに触れたお絹さんが、そりゃあもう慣れ切った子犬のように懐いてしまった、ということらしい。
「んで、どうするの、怜ちゃん?」
「お絹さんはヤンス氏に懐いてる。で、元の反物には戻ることは出来ても、定着は出来ない。で、そのままだと色々まずい事になる。そうですよね」
「へぇ、おっしゃる通りで……」
「むしろヤンス氏に定着しかねないですね……あ、もしかして所長」
「だったら」
猩々さんのセリフを遮る。オイシイとこ持っていかれてたまるか。
「ヤンスさん、日傘になりません?」
――――
こうして我が事務所には、古式ゆかしい佇まいの日傘が増えた。
つまり、ヤンスの傘地を剥がし、お絹さんの器である反物を加工して、日傘にしたのである。加工については、手先が器用かつ和裁の心得のある小梅が、残った生地を貰うという約束で請け負った。
「とはいえ、日傘にしちゃ随分と重たいですよー、所長」
「まあ、飾っておくだけでもいいんじゃないですか。お絹さん綺麗だし」
「そうだねー。大体がヤンスさんの足持って外に出るのはちょっとアレだし」
「アレって……。いやしかし本当にありがとうございヤンしたミスター!」
これでお絹さんの魂も安定するし、ヤンス氏の想いも遂げられるし、一石二鳥ってやつだ。ただ、夜中に時々、ぼーっとピンク色の妖気を放つのはちょっとやめてもらいたい。
「……さて、タダ働きは終わったし。今夜はゆっくりしようぜ」
「うん! ……それに、補充もしないと、ね?」
普段あまり見せないような蠱惑的な表情で小梅が微笑う。
そんな俺たちに背を向けながら、猩々さんが言った。
「ではまた明日。新しい依頼が来てるので、お昼頃にお伺いしますよ」
「新しい依頼?」
「ええ」
そう言いながらこちらを振り返る猩々さんは、微妙な笑みを浮かべていた。
「というか、続きになるんですかね」
「続き?」
次に答える猩々さんの言葉で、俺たちはその微妙な笑みの意味を知ることになった。
「ぬら氏から連絡が来ましてね。……千両箱が、盗まれたんだそうです」
「ええ。一応魂は反物に入れたんですが、一体化してくれないんですよ。むしろヤンス氏とくっつきたがっているような素振りさえあります」
「魂に素振りなんてあるのか……」
事務所に戻ると俺たちは、アパートの空き部屋を使い、さっそくお絹さんの魂を反物に戻す作業を始めた。
基本的に不死ではあるものの、やはり器があるかないかでは、その心持ちが大きく違う。
平たく言えば、器のない魂だけの存在は、悪霊化しやすいのだ。
魂柱がその最たるものだろう。あれは魂が他の魂を器がわりにして、負の感情を際限なく肥大化させるものなんだそうだ。
「その芯として使われそうだったのがお絹さん、ということになりますねえ」
と、猩々さんは言っていた。てことは彼女、実はかなり強いんじゃないか?
今は剥き出しの魂を落ち着かせるため、ヤンス氏が説得にあたっているんだが、器に戻るのをそっちのけで、彼にベタベタしているらしい。
からかさと反物、か。
全く関係のない物に思えたりもするが……。
「どうしたもんですかねぇ……」
「ちょっとヤンス氏と話したいんですが、いいです?」
「人間のアイデアも必要かもしれません。お願いします」
「あたしもいくー」
既にいつもの大正浪漫風メイド服に着替えていた小梅を連れて、ヤンス氏が頑張っている部屋へと向かう。少し遅れて、猩々さんもついてきている。
「調子はどうすか……ってなんか凄いことになってんな」
「中々上手くいきませんねぇ」
「……の割にはなんかニヤついてんだけど」
ヤンス氏は、お絹さんの反物の上に器用に座り、彼女の魂を絡みつかせていた。
まあ、そりゃそうだろうなあ。
ずっと蔵の中で一緒にいて、数十年会ってない相手が、自分のために必死になってるんだ。
そりゃあ、相手に絡みついて離れたくない気持ちも分かる。
分かるがしかし。
「ちょっと人に見せられない顔になってるな」
「控えめに言ってキモい」
「遠慮した上でそれですか。容赦ないですな」
「いんやぁ、いいんでヤンスよぅ、おっほほぅ」
「取り込まれてるじゃねえか」
「おっほほぅって……」
とりあえずこのままじゃ話にならないな。
「ちょっと確認しときたいんだが」
「へぇ、なんでやんしょ?」
「あんた、このままだと共倒れになるの、分かってるか?」
「へ?」
「分かってなかったかぁ……。いいですかヤンス氏、このままお絹さんの魂が定着しなければ悪霊化、しかも、どう見ても取り憑かれてるあなたも一緒に堕ちることになります」
今回の猩々さんは珍しく真面目だな。ダジャレも出ないし。
「そうなると、我々としては、人間社会に溶け込んで生きたい他のあやかし達のために、除霊封印しないといけなくなるんです」
「うっ……」
「正直なところ、私はあなたがたにそれをしたくはないんです
「め、めんぼくねぇ」
「ね、怜ちゃん、猩々さんが真面目だよ」
「おう、なんかこうアレだな、背中が痒くなるな」
「所長……」
猩々さんにすまんすまんと手を合わせ、俺はヤンスに向かって言った。
「で、結局の所、二人は惚れあっているってことでいいのかな。だとしたら手はあるんだけど」
「え、本当ですかいミスター!」
「ミスターはやめなさいよ。まぁこれは二人の意志が大事になる話だ。その辺はどうかと思ってさ」
「つまり、ヤンス氏本人はいいとしても、お絹さんの気持ちも聞かねばってことですよね。ま、聞くまでもない状態ですけども」
「まぁねぇ」
帰りの車で聞いた話だが、お絹さんは以前はヤンス氏のことをそれほど、なんなら普通に話友達くらいの感覚だったようだ。
それが、先ほどの救出劇の際、ヤンス氏の気持ちに触れたお絹さんが、そりゃあもう慣れ切った子犬のように懐いてしまった、ということらしい。
「んで、どうするの、怜ちゃん?」
「お絹さんはヤンス氏に懐いてる。で、元の反物には戻ることは出来ても、定着は出来ない。で、そのままだと色々まずい事になる。そうですよね」
「へぇ、おっしゃる通りで……」
「むしろヤンス氏に定着しかねないですね……あ、もしかして所長」
「だったら」
猩々さんのセリフを遮る。オイシイとこ持っていかれてたまるか。
「ヤンスさん、日傘になりません?」
――――
こうして我が事務所には、古式ゆかしい佇まいの日傘が増えた。
つまり、ヤンスの傘地を剥がし、お絹さんの器である反物を加工して、日傘にしたのである。加工については、手先が器用かつ和裁の心得のある小梅が、残った生地を貰うという約束で請け負った。
「とはいえ、日傘にしちゃ随分と重たいですよー、所長」
「まあ、飾っておくだけでもいいんじゃないですか。お絹さん綺麗だし」
「そうだねー。大体がヤンスさんの足持って外に出るのはちょっとアレだし」
「アレって……。いやしかし本当にありがとうございヤンしたミスター!」
これでお絹さんの魂も安定するし、ヤンス氏の想いも遂げられるし、一石二鳥ってやつだ。ただ、夜中に時々、ぼーっとピンク色の妖気を放つのはちょっとやめてもらいたい。
「……さて、タダ働きは終わったし。今夜はゆっくりしようぜ」
「うん! ……それに、補充もしないと、ね?」
普段あまり見せないような蠱惑的な表情で小梅が微笑う。
そんな俺たちに背を向けながら、猩々さんが言った。
「ではまた明日。新しい依頼が来てるので、お昼頃にお伺いしますよ」
「新しい依頼?」
「ええ」
そう言いながらこちらを振り返る猩々さんは、微妙な笑みを浮かべていた。
「というか、続きになるんですかね」
「続き?」
次に答える猩々さんの言葉で、俺たちはその微妙な笑みの意味を知ることになった。
「ぬら氏から連絡が来ましてね。……千両箱が、盗まれたんだそうです」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる