『伝説の剣も魔法もなし! 営業カバン片手に異世界営業、仲間は胡散臭い商人と肉食獣人少女!』

じろう

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第1話 胡散臭い商人と出会って即同行営業

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俺の名は佐藤健二、三十路手前のしがない営業マンだ。
今日も今日とて残業三時間、上司に
「数字が足りないぞ!」
と怒鳴られ、帰りの電車でSNSを開けば、同世代の有名人が「世界大会優勝!」だの「ベストセラー作家デビュー!」だのと輝いている。
……はぁ。俺の人生、どこで間違えたんだろうな。
そんなことを考えながら、深夜の商店街をトボトボ歩いていた時だ。
ふと、視界の端に“光の渦”みたいなものが見えた。
いや、正確には――商店街の八百屋の前に、堂々とブラックホールが口を開けていた。
「え、なにこれ。セール品コーナーじゃないよな?」
逃げる間もなく、俺の体はズルズルと吸い込まれていく。
カバンからは営業資料と名刺入れが飛び出し、俺は必死に掴もうとした。
――が、気づけば俺ごと全部、光の渦に飲み込まれていた。
次に目を開けたとき、そこは石畳の広場。
馬車が行き交い、剣を腰に下げた兵士が巡回し、空には見たこともない二つの月が浮かんでいる。
「……え、ちょっと待て。これ、異世界転移ってやつじゃないか?」
俺の手元には、伝説の剣でも魔法の杖でもなく―― 会社支給の営業カバン。
「……いやいやいや、これでどうやって生きろってんだよ!」
「……ここ、どこだよ……」
石畳の広場で呆然と立ち尽くす俺。
スーツ姿に営業カバンを抱えたままの男は、どう見ても場違いだ。
周囲の人々は鎧やローブを身にまとい、俺を見ては
「新手の大道芸人か?」
とヒソヒソ声。
「おいおい、兄さん。ずいぶん変わった格好してるな」
声をかけてきたのは、派手な羽根付き帽子をかぶった青年だった。
背中には荷車。
中には薬草、干し肉、謎の瓶詰めがぎっしり。
いかにも「俺は商人です!」と自己主張している。
「えっと……ここはどこですか?」
「ここはリュミエール王国の首都だよ。俺の名はライル、しがない行商人さ」
にやりと笑うその顔は、胡散臭さ満点。
だが妙に人懐っこい。
「で、兄さんは?」
「俺は……佐藤健二。日本って国で営業をしてたんだけど……気づいたらここに」
「えいぎょう? なんだそりゃ。魔法の一種か?」
「いや、違う。商品を売ったり契約を取ったり……」
「おお! 商人じゃないか!」
ライルはガシッと俺の手を握ってきた。
「同業者だな! いいぞ、仲間が増えるのは大歓迎だ!」
「いや、俺は異世界初心者なんだけど……」
「細けぇことはいい! 数字に追われる同士、気が合うに決まってる!」
……数字に追われる同士? なんだこの妙な共感。
「さあ、ちょうどいい。これから勇者パーティーに商品を売り込むんだ。一緒に来い!」
「は!? ちょ、待て待て! 俺、異世界に来たばっかで状況が――」
「大丈夫大丈夫! 商人は勢いが命だ!」
ライルは俺の腕を引っ張り、荷車を押しながらズンズン進んでいく。
気づけば俺は、異世界最初の出会いで、胡散臭い商人に強制的に“同行営業”させられる羽目になっていた。
――こうして、俺の異世界営業ライフは本格的に始まったのである。
「勇者様ご一行! 本日の特価セールでーす!」
ライルが広場の真ん中で声を張り上げた。
「……誰だお前は」
剣を携えた勇者が眉をひそめる。
「俺たちは行商人! 旅のお供に最適な商品を取り揃えております!」
「いや、俺はただ巻き込まれただけで……」
俺は慌てて否定するが、勇者の視線はすでに俺に突き刺さっていた。
「魔王討伐の旅の途中だ。我らに無駄な時間はない」
勇者は次の用事が頭に浮かんだのかソワソワしていた。
「げげっやっぱり……魔王っているんだ…」
俺は心の中で「おっかねー」と呟いた。
ライルが勇者に食い下がる。
「無駄じゃありません! こちら“瞬間回復薬”! 飲めばすぐ元気百倍!」
「……成分は?」
魔法使いが冷静に尋ねる。
「えっと……ハーブと……気合い?」
「……気合いで癒やすなら、王立魔術院はとうに閉鎖され、我ら魔術師はとっくに廃業しておるわ。愚か者め」
「俺はその干し肉が欲しい!」
戦士が袋を抱え込む。
「代金は半額にしろ!」
僧侶が食い下がる。
「……お前ら、取引先の部長より手強いんだけど!?」
俺は頭を抱えた。
「……仕方ない」
勇者は深いため息をついた。
その表情は、魔王討伐に挑む者というより、駄々をこねる子供をなだめる保護者のようだ。
「お前たちの商品が役に立つのは事実だ。干し肉も薬草も、旅路には必要だろう。だが――」
勇者は戦士と僧侶を一瞥し、さらに魔法使いへ視線を送る。
「……値切りに夢中になる僧侶、肉に執着する戦士、成分を吟味して首を振る魔法使い。これでは前に進めん」
勇者は腰の剣に手を添え、きっぱりと言い放った。
「我らは魔王討伐に向かう身。無駄に時間を費やすわけにはいかぬ。今回はここまでだ」
そう言い残し、勇者はマントを翻して歩き出す。
戦士は干し肉を抱えたまま名残惜しそうに振り返り、僧侶は
「もう少し値切れたのに」
とぶつぶつ言い、魔法使いは薬瓶を光にかざして最後まで成分を検分していた。
俺はその背中を呆然と見送りながら、心の中で叫んだ。
「……いや、魔王よりお前らの方がよっぽど手強いだろ!」
勇者パーティーは干し肉を抱えた戦士と、値切り交渉に満足げな僧侶、冷静に薬瓶を検分する魔法使いを連れて去って行った。
「……ふぅ、なんとか商談成立ってとこか」
ライルは満足げに荷車を叩く。
俺はぐったりと肩を落とした。
「いや、成立っていうか……ほとんど押し売りだったろ……」
勇者たちが去り、広場に静けさが戻ったその時――
「肉はどこだぁぁぁ!」
広場に響き渡る声。
振り返ると、猫耳をぴんと立てた少女が、尻尾をぶんぶん振りながら屋台の干し肉に飛びついていた。
年の頃は十代半ば、人間の子供より少し小柄だが、腰には短剣、目は肉に釘付け。
「こらっ! 代金を払え!」
屋台の親父が怒鳴る。
「肉をくれたら護衛してやる!」
少女は堂々と宣言した。
「……いや、それ護衛じゃなくて恐喝だろ!」
俺は思わずツッコミ。
ライルは腹を抱えて笑っている。
「ははっ! いいじゃないか健二! 護衛が欲しいと思ってたところだ!」
「いや、欲しがってたのは肉じゃなくて契約だろ!?」
少女はもぐもぐと干し肉を頬張りながら、こちらをじっと見た。
「お前ら、商人か? なら肉をもっと持ってるな?」
「いや、俺のカバンには営業資料しか……」
「資料って肉よりうまいのか?」
「食べ物じゃねぇよ!」
こうして、食欲最優先の獣人少女ミナは、強引に俺たちの仲間に加わったのだった。
「護衛なら任せろ!」
猫耳をぴんと立てた少女――ミナが胸を張った。
「本当に強いのか?」俺が半信半疑で尋ねると、ミナはにやりと笑う。
「見てろ!」
少女――ミナは胸を張ると、勢いよく屋台の屋根に飛び乗った。
猫のような俊敏さに一瞬感心したが……
「お、おい! 降りられねぇ! 助けろ!」
「いや、護衛どころか足場から降りられないのかよ!」
俺は思わず頭を抱えた。
ライルは腹を抱えて笑いながら、
「ははっ! いいじゃないか健二! 肉をくれたら護衛する! いいねぇ、分かりやすい契約だ! 契約成立!」
とご機嫌だ。
「いやいやいや! 今のどこが成立だよ!」
こうして――
“数字に追われる商人”と“肉に釣られる獣人”の妙な共鳴が生まれ、俺はまたしても強制的に仲間を増やす羽目になったのだった。
「護衛なら任せろ!」
胸を張るミナに、俺は思わず眉をひそめた。
「いや、さっき屋根から降りられなかった奴が何を……」
「ち、違う! 本気を出せば強いんだ!」
ミナは頬を膨らませる。
「昔は獣人の里で一番の狩人候補だったんだぞ。でも……肉庫を全部食べちゃって追い出された」
「理由が食欲かよ!」
俺は即ツッコミ。
ライルは大笑いしながら肩を叩いた。
「いいじゃないか! 腹が減ってる奴は強いんだ!」
「そんな理屈あるか!」
その時、俺の営業カバンにミナの視線が釘付けになった。
「なぁ、それは何だ? 魔導書か? 肉の匂いがするぞ」
「いや、ただの営業資料と名刺だ」
「名刺? ……契約の呪符か!?」
ミナは名刺を一枚噛じりみせた。
「味がしない! 詐欺だ!」
「食べ物じゃねぇって言ってんだろ!」
そんなドタバタをやっていると、近くの八百屋の親父が声をかけてきた。
「おい、あんたら。ちょうどいい、荷物を城門まで運んでくれないか? 代金は払う」
「任せろ!」
ライルが即答。
「いや、俺は営業マンであって運送業じゃ……」
「金を稼ぐチャンスだぞ健二!」
結局、俺が交渉して料金を少し上乗せ、ライルが荷車を仕切り、ミナが力仕事を担当。
……と思いきや、ミナは荷物を担ぎながら
「肉は入ってないのか?」
と中身を確認しようとして怒られていた。
「お前ら、役に立つんだか立たないんだか……」
俺はため息をついたが、親父は笑顔で銀貨を数枚、俺の手に握らせてくれた。
「助かったよ。また頼む」
――銀貨。
ずしりとした重みが掌に伝わった。
見た目はただの金属の板切れだが、ライルの説明によれば庶民なら数日、いや一週間は暮らせる金額らしい。
「……え、これって、俺の数日分の残業代より高いんじゃ……?」
思わず口から漏れる。
一晩の荷物運びで、俺の財布が一気に膨らむほどの価値。
頭の中で円換算を試みて、逆にめまいがした。
ライルはにやりと笑い、俺の肩をバンバン叩いた。
「どうだ健二、こっちの商売は悪くないだろ? 銀貨がこんなに簡単に手に入るんだ。なぁ、俺と組めばもっと稼げるぞ」
その笑顔はやけに人懐こいが、目の奥が妙にギラついていて……どう見ても胡散臭い。
俺は手のひらの銀貨を見つめ、思わず息を呑んだ。
――ずしりとした重み。
これ一枚で庶民が数日暮らせる額だと聞かされた瞬間、背筋に冷たいものが走る。
「……マジかよ。俺、ほんとに異世界に来ちまったんだな……」
現実世界じゃ、残業三時間で増えるのは雀の涙。
ここじゃ荷物を運んだだけで銀貨が転がり込むなんて……。
ライルは俺の動揺を見透かしたように、さらに口角を釣り上げた。
「ははっ、顔に出てるぞ健二。異世界だろうが現実だろうが、結局は“数字を稼いだ者が勝つ”んだよ」
……異世界に来た実感と、目の前の胡散臭い商人の笑み。
俺は銀貨を握りしめながら、ますます逃げ場を失っていく気がした。
その時だった。
「……銀色の肉券だぁぁぁ!」
横から飛びついてきたのは、猫耳をぴんと立てた少女――ミナだった。
「おい、それは肉じゃない!」
俺が慌てて銀貨を引っ込めると、ミナはじっと俺の手を見つめ、尻尾をぶんぶん振る。
「でも、それを出せば肉が山ほど買えるんだろ? だったら肉券だ!」
「……いや、肉券って言うな!」
俺は即ツッコミ。
ライルは腹を抱えて笑いながら、
「ははっ! いいじゃないか健二。金貨でも銀貨でも、結局は肉に変わるんだ。こいつは分かりやすい価値観を持ってるぞ!」
俺は銀貨を握りしめながら、ため息をついた。
――異世界に来た実感と、胡散臭い商人、そして肉にしか興味のない獣人少女。
この三人でまともにやっていけるのか、すでに不安しかなかった。
その帰り道、ミナが耳をぴくりと動かした。
「勇者パーティーなら、さっき北門からダンジョンに向かったぞ」
「えっ、なんで知ってるんだ?」
「匂いで分かる。あの干し肉の匂いがまだ残ってる」
「嗅覚すげぇな……」
ライルは目を輝かせた。
「よし、追いかけよう! 勇者パーティーに補給を売り込めば大儲けだ!」
「いや、俺は帰りたいんだけど!?」
「帰る道を探すにも金がいるだろ? だったら稼ぐしかない!」
ミナは尻尾をぶんぶん振りながら叫んだ。
「肉も手に入るな!」
――こうして俺たち三人は、勇者パーティーを追いかけてダンジョンへ向かうことになった。
「俺の異世界営業ライフ、前途多難すぎる……!」
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