アヤカシバナシ『小説版』

如月 睦月

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映画やドラマ、アニメでもそうですが、首を切り落とされても暫く首だけでしゃべったりするシーンがあったりしますよね、あれって本当にそうなのでしょうか。

実際はどうなのでしょうか、とても疑問に思います。

今回はそんなお話です。

親戚がトラック運転手をしていた時の事。昔の長距離ドライバーなので、昼夜問わず走ることが多かった。今は労働なんとか法で労働時間の整備がされているとは思うのですが。

そんな親戚Aが夜10時くらいに地方を走っていた時の話である。知らない土地をカーナビの無いこの時代に看板や地図を頼りに目的地に向かうのは大変らしく、しかも時間までに届けなくてはならないので、その心労も大きかったと言う。時間を逆算して前もって早めに到着したくて、ここまで行ったら休憩!そう決めて疲れと眠気に耐えながら走っていると、前を走っていた乗用車がフラフラとし始めたのが見えた。

『居眠りか?あぶねぇな・・・』

そう思った瞬間その車は大きく右へ急旋回し、対向車線に飛び出して走ってきた車と正面衝突。あ!と思った瞬間親戚Aの乗ったトラックのフロントガラスを割って何かが飛んできて助手席にドン!と収まった。

ブレーキを踏んだトラックが止まる。

あまりの出来事に何が起きたかわからなかったが、状況を見るに、自分が事故を起こした感覚は錯覚だと分かって安心したが、フロントガラスはめちゃくちゃだった。

は!と気づき、助手席を見ると首のない胴体が、なんと何かを探すように両手で周囲をゴソゴソとまさぐっていたそうです。親戚Aは飛び降りて警察に事故の連絡をした。

警察が来て、動いていない首のない遺体がトラックから引き出された。首を探していたのか、首が無いから見えない見えないと言う動きだったのか、確かに痙攣とかそういうものではなかったと語る。

それからは気持ち悪いのもあるが肉体的にもしんどいので長距離運転手を辞め、市内の運転手を始めた親戚A。ある日の夜中、少しお腹がすいたので、歩いて行ける距離にあるコンビニに散歩がてら向かったそうです。踏切に差し掛かると運悪く遮断機が下りだし、側で聞くにはあまりにもけたたましいカンカンカンと言う音が鳴った。

『ついてないな』

それもそのはず、この遮断機は長いで有名らしく、蒸し暑い夏の夜に立って待つにはなかなかの苦痛だったからだ。
Aが目線を正面にやると、お年寄りが遮断機を潜って渡ろうとしていた。

『おいおい・・・大丈夫かよ』

その心配は的中した。

己の身体能力と、やらんとしている行動には大きなズレがあったのだ。

遅い、遅すぎる・・・

『おばぁちゃん危ないから!戻って!』

と叫んだ親戚Aの声も聞こえることなくテケテケと狭い歩幅でこっちに向かってきているが、親戚Aにはもう電車が見えていた。【絶対死ぬ】そう直感したけれど、助けに行っても無理とも気づいていた。もう親戚Aには叫ぶしかできる事はなかった。

『戻れーーーーー!!!』

ファァアアアアアアアアアン

ゴッ!と言う音が聞こえた瞬間、線路沿いの家の壁、親戚Aが立っている場所から数メートル左にビチャン!と何かが飛んだ。音で反射的に振り返ると、お年寄りの首だったそうです。行ってもどうしようもないのだが、駆け寄ってしまったと言う親戚A。

肉が吸盤の役割を果たしているようにぴったりと張り付いていた。
するとそのお年寄りの首は『病院・・・病院・・・』
と二回言って動かなくなったそうです。

警察を呼んで対応してもらったそうですが、あの時確かに病院と二回言ったそうです。
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