アヤカシバナシ『小説版』

如月 睦月

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ケモノツキ

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誰もが聞いたことがあるであろう『憑く』と言う現象。

とある神主さんが、友人から相談された
ケモノツキのお話を1つ致しましょう。

神主さんの友人の娘さんが、友達と心霊スポットに行ったそうですが、
翌日から様子がおかしく仕事にも行けずに辞めてしまい、
家でも時折暴れるので何かが憑いているんじゃないかと思う、
一度見てくれないだろうか・・・と相談を受けた。

神主さんには悪霊を払う能力もなければチカラもない。
だが知識は色々とあるので、それらで対応できればと言う話で
一度見に行くと言う事になった。

前日に玉串に祈りを捧げて清めたそうです。

友人の家に上がり、呼ばれて部屋から出てきた娘さんは、
いつも通りニッコリ微笑んで愛想が良く変わらない様子だったと言う。
友人の家の神棚に神主さんが祈り始めた。
この場合の祈りはよくTVで見る様な、火をボンボン焚いたり、
弟子4人による鈴と祈りの合唱などではなく、神様への静かに、
そして力強く囁くような祈り。

暫くするとドン!バタン!とけたたましい物音が
2階からして来たかと思うと、ギャァアアアアアアアアアアっと
悲鳴が聞こえてきたと言う、勿論娘さんの悲鳴。

『連れて来て!』と神主さんが言うと、
両親が部屋に走り、ドタバタと暴れる娘を捕まえて、
引きずるように神主さんの前に連れてきた。
まるで犬のように『グルルルルル・・・』と唸っていたそうです。

お神酒(おみき)と呼ばれる、聖水の日本版のような液体に
柴を浸してビシ!!!!と娘さんに勢いよく飛ばした。
娘さんはケダモノの様な声で『ギャァアアア』と叫び、
その勢いで押さえつける両親を振り払い、四つん這いで移動して
食卓テーブルに飛び乗った。
その姿は動物そのものだったとか。

とっさに神主さんはお神酒を再度娘さんの顔面にビシ!!!
転げ落ちた娘さんの上に覆いかぶさり、おでこに玉串を当てて
神へ祈る言葉を唱え続けた。
エクソシストで見たようなシーンを連想してくれればいいと
本人が話しておりました。
両親も必死で娘さんの足と手を抑え、一緒に神主さんの祈りを聞いた。

神主さんはこの時を思い返すと、無意識に数字を数えていたそうです。
実際やってもらったところ、
ヒト、フタ、ミー、ヨー、イツ、ムー、ナナ、ヤ、ココノ、トォ
のトォ!に力を込めていました。

何分、何十分経過したのかはわからないが、娘さんがスースーと
寝息を立てて寝ている事に気が付く。
その顔からは先ほどのような邪気は見られず、去ったと感じたそうです。

数日後、神主さんに娘さんの体調がすっかり良くなり、
もとの明るさを取り戻して就活をしていると連絡があった。

一体どこの心霊スポットへ行ったのか尋ねると、
動物の供養塔がある場所だったと言う。
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