アヤカシバナシ『小説版』

如月 睦月

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信じてもらえなそうな話なので、
人に話したことはほとんどないのですが・・・。

仲の良いA子がある日、相談に来ました。
それはB子にお金を貸したが返してくれないとの事で、
問題はそこではなく、お金を返さずクラブに行ったりして、
遊んでると言う噂を聞いたと言うものでした。

実は当時職場がB子と同じ館内だったので、
様子を伺おうと思えばできない事も無かった。
つまり相談と言うのは、情報収集。

もちろんスパイじみた事はできないものの、
注意してみるね・・・と依頼を承諾。

翌日からマメにB子が居る階に行くようにした。
仲の良いスタッフも居たので特に不信感はないわけで。
すると面白いもので、気にし始めた途端に色々と聞こえてきた。
あまり良い気はしないものの、A子が困っているのも事実。

そんな中、やはり噂と言うのは本当だったようで、
昨日A子さんと行ったクラブおしゃれだったー等と言う声が
聞こえてきたのでした。

『やっぱりか・・・・』

しかし私はそれを伝えたところで信憑性はさほど高くないと思い、
もう少し時間をかけて情報を集める事にした。

するとどうだろう、色々な人にお金を借りている事、
身体が悪いと言って同情を集めては色々してもらっている事、
いわゆる詐欺まがいな事をしているような事が耳に入った。
身体が悪い事に関しての確信は無いので『まがい』としか言えない。

ただもう一つ『両親が借金残して蒸発した』と言う噂を聞いた。

そうか・・・いあでもそれならそうと言うべきであって、
お金を借りたまま返さずに遊び歩いているのは良くない。
そう思った私はA子に情報を提供した。

A子は『親戚に人を見れる霊能力者みたいのがいるから、
どうすべきか見てもらうわ・・・』と言って帰った。

数日後、写真や遊びに来た時に置いて行ったモノなどを持って、
霊能力者に見てもらったと言うA子。

『人じゃないモノが入り込んでいる、いや、もともと入っていたのかも。
良心への憎悪とかそう言うモノで出てきたのかもしれないね』

と言ったそうです。

『意味がわかりません』とA子が言うと・・・・

『ケモノが憑いているんだよ、狐・・・だね・・・。
狐はずる賢いから手ごわいんだよね・・・』と言ったと言う。

まとめると、金はくれたと思って二度と関わるな。
会う度に、話す度にお前の運を吸い取られ、
そのうち新しい器として乗り換えられるかもしれない。

との事だった。

霊能力者というのはどうにも胡散臭いが、
この件に関しては関わらない方が良い、私もそう思った。

それからどれくらいの月日が流れたか覚えていないのですが、
B子も移動が出たらしく同じ街にはいないのを知り、
クラブにA子と遊びに行くと、知り合いの黒服から
『先日のパーティーのDVDあげるよ』と渡された1枚。
ラストまで居て午前2時過ぎ、A子は私の家に泊まって
一緒にDVDを観る事に。

そこでカメラが右にゆっくり動く映像が流れた。
お客さんがたくさん写っている・・・
すると座ってビールビンを片手にラッパ飲みするA子が写った。

『なんだ・・・来てたんだ・・・』

いあ・・・違う・・・ラッパ飲みじゃない、
瓶の中のビールを飲もうとして、
舌をペロペロと入れているB子が写ったのだ。
しかも目が吊り上がって・・・

なにこれ気持ち悪い!

それはまるで・・・
飲み方が分からない狐が舌を入れてペロペロするあの童話のように。

カメラが戻ってくるとB子は普通にダンスフロアを見つめていた。
何度見てもペロペロする姿は間違いなかった。

取り憑いていると言う狐が姿を現した瞬間だったのだろうか。

幽霊が写るのも怖いが、人間の奇行は言いえぬ怖さがあったのを覚えている。
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