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鞄の男
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ドスドスドサッの後日譚です。
フェリーと言うのでしょうかよくわからないのですが、
大きな船に乗っての移動がありました。
その日は天気が良く、甲板に出て思い思いに撮影をしたり、
旅での思い出話をしていました。
私もカメラを構えて景色を写しながら風に当たっていると、
『なにあれ?オタク一人旅?ふふふふ』
なんて話が耳に入ったので目をやると、見た目は大学生だが、
ベージュのトレンチコートに茶色い肩掛け鞄をタスキ掛けし、
確か黒ぶちの眼鏡をかけていたと思います。
『少し古臭いセンス・・・』そう感じたのを覚えている。
『ねぇ!あのオタク君と写真撮ってもらおうか』
数人のクラスの女子がそう言うと、鞄の男に駆け寄った。
何となく気になって私も付いて行き、後ろから覗き込む。
鞄の男は快くOKしてくれたらしく、1人の女子と一緒に
写真撮影を済ませたのでした。
ここで他校の生徒とうちの学校の男子生徒が揉めたらしく、
一触即発の状態になり、それを知った生活指導の先生が
甲板にやってきて『全員下に戻れ!』と一声かけると、
次々に生徒の背中を押し、下の階へ促された。
下へ降りた私は座敷のようなスペースに腰を下ろし、
小さな窓から外を見ると、鞄の男が通り過ぎるのを見た。
船の後ろの方へと向かったようでした。
それから少し仮眠をし、ふと目が覚めて外を見ると、
強い雨が降っていたのが分かった。
見続けていると、灯台が右に流れて見えた。
そのまま数十分ぼんやり見続けていると、
先ほど見た灯台が、また左から右へ流れて見えた・・・
『ん?同じ場所を回っている?』
何かで読んだか聞いたことがあるのを思い出した。
定かではないが、船から飛び込み自殺があると、
その船は弔いの為にその場所を3周回るのだと。
確かな情報ではありませんが、
私の頭にはなぜか残っている情報だ。
その矢先、担任の先生がやってきてこう言った。
『気をしっかり持って聞いて欲しい、
どうせ明日のニュースで
知ることになるだろうから言っておく。
この船で飛び込み自殺があった、
うちの生徒ではないから安心しろ、
ただもう少し時間がかかる、
騒がずもう少し待ってくれ、いいな!』
そんな事があった修学旅行だった。
翌日の新聞で本当に記事になっていたのを見つけた。
内容は、関東某所に住む大学生の男性がノイローゼ状態となり、
フラフラと家を出て行方が分からなくなっていたが、
遠く離れた某所の某客船から飛び降り自殺。
スクリューに巻かれ、遺体は確認不可能な程損壊していたが、
所持していた鞄から学生所が発見され、身元が判明したとの事。
これを書いている今の私の記憶ではここまでですが、
もう少し何か書いていた気はします。
そんな朝を迎えたクラスではやはりその話で持ちきりだった。
クラスの男子が思い出す。
『おいA子、お前あの鞄の男と写真撮ったよな!
きもちわりぃ~・・・見せて見ろよ』
A子は『やめてよもう!写真屋さんに昨日出したから、
今日の帰りに見れると思うよ』
と、別段気にしていない様子だった。
放課後、クラスの仲間内が居残りし、
A子が写真を持ってくるのを待った。
私もA子とは特別仲良しでもないが、
オカルトには興味があったので、
確かめたくて残って待った。
心の中では心霊写真を期待していたのですが・・・・
『おまたせー!皆で見ようと思って開けないできたよ』
早速あの鞄の男との2ショットを探したのだが、
その写真は無く、
あったのは・・・・
鞄の男が手すりを乗り越えて
海に飛び込んだ瞬間が写っていた。
当然だがそんな写真は撮っていないし、
撮ったとしたら自分は船の外から
宙に浮いて撮影しなければならないアングルだった。
そう、外側から船体の一部が写されているのだから。
一同は恐怖と言うよりも恐ろしい、触れてならないモノに
手を出してしまったような気がして声が出なかった。
念写と言うモノが本当に存在するのならこう言う事を言うのだろう、
つまり彼は・・・鞄の男は死ぬことしか考えていなかった・・・
それが映像となって写り込んだ・・・だとしたらもう
死のうと言う思いだけでそこに居たのだろう。
いや・・・・
もしかしたら既に死んでいたのかもしれない。
フェリーと言うのでしょうかよくわからないのですが、
大きな船に乗っての移動がありました。
その日は天気が良く、甲板に出て思い思いに撮影をしたり、
旅での思い出話をしていました。
私もカメラを構えて景色を写しながら風に当たっていると、
『なにあれ?オタク一人旅?ふふふふ』
なんて話が耳に入ったので目をやると、見た目は大学生だが、
ベージュのトレンチコートに茶色い肩掛け鞄をタスキ掛けし、
確か黒ぶちの眼鏡をかけていたと思います。
『少し古臭いセンス・・・』そう感じたのを覚えている。
『ねぇ!あのオタク君と写真撮ってもらおうか』
数人のクラスの女子がそう言うと、鞄の男に駆け寄った。
何となく気になって私も付いて行き、後ろから覗き込む。
鞄の男は快くOKしてくれたらしく、1人の女子と一緒に
写真撮影を済ませたのでした。
ここで他校の生徒とうちの学校の男子生徒が揉めたらしく、
一触即発の状態になり、それを知った生活指導の先生が
甲板にやってきて『全員下に戻れ!』と一声かけると、
次々に生徒の背中を押し、下の階へ促された。
下へ降りた私は座敷のようなスペースに腰を下ろし、
小さな窓から外を見ると、鞄の男が通り過ぎるのを見た。
船の後ろの方へと向かったようでした。
それから少し仮眠をし、ふと目が覚めて外を見ると、
強い雨が降っていたのが分かった。
見続けていると、灯台が右に流れて見えた。
そのまま数十分ぼんやり見続けていると、
先ほど見た灯台が、また左から右へ流れて見えた・・・
『ん?同じ場所を回っている?』
何かで読んだか聞いたことがあるのを思い出した。
定かではないが、船から飛び込み自殺があると、
その船は弔いの為にその場所を3周回るのだと。
確かな情報ではありませんが、
私の頭にはなぜか残っている情報だ。
その矢先、担任の先生がやってきてこう言った。
『気をしっかり持って聞いて欲しい、
どうせ明日のニュースで
知ることになるだろうから言っておく。
この船で飛び込み自殺があった、
うちの生徒ではないから安心しろ、
ただもう少し時間がかかる、
騒がずもう少し待ってくれ、いいな!』
そんな事があった修学旅行だった。
翌日の新聞で本当に記事になっていたのを見つけた。
内容は、関東某所に住む大学生の男性がノイローゼ状態となり、
フラフラと家を出て行方が分からなくなっていたが、
遠く離れた某所の某客船から飛び降り自殺。
スクリューに巻かれ、遺体は確認不可能な程損壊していたが、
所持していた鞄から学生所が発見され、身元が判明したとの事。
これを書いている今の私の記憶ではここまでですが、
もう少し何か書いていた気はします。
そんな朝を迎えたクラスではやはりその話で持ちきりだった。
クラスの男子が思い出す。
『おいA子、お前あの鞄の男と写真撮ったよな!
きもちわりぃ~・・・見せて見ろよ』
A子は『やめてよもう!写真屋さんに昨日出したから、
今日の帰りに見れると思うよ』
と、別段気にしていない様子だった。
放課後、クラスの仲間内が居残りし、
A子が写真を持ってくるのを待った。
私もA子とは特別仲良しでもないが、
オカルトには興味があったので、
確かめたくて残って待った。
心の中では心霊写真を期待していたのですが・・・・
『おまたせー!皆で見ようと思って開けないできたよ』
早速あの鞄の男との2ショットを探したのだが、
その写真は無く、
あったのは・・・・
鞄の男が手すりを乗り越えて
海に飛び込んだ瞬間が写っていた。
当然だがそんな写真は撮っていないし、
撮ったとしたら自分は船の外から
宙に浮いて撮影しなければならないアングルだった。
そう、外側から船体の一部が写されているのだから。
一同は恐怖と言うよりも恐ろしい、触れてならないモノに
手を出してしまったような気がして声が出なかった。
念写と言うモノが本当に存在するのならこう言う事を言うのだろう、
つまり彼は・・・鞄の男は死ぬことしか考えていなかった・・・
それが映像となって写り込んだ・・・だとしたらもう
死のうと言う思いだけでそこに居たのだろう。
いや・・・・
もしかしたら既に死んでいたのかもしれない。
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