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短波ラジオ
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中学生の頃の私は、ラジオがとても好きで、決まった番組を聴くと言うわけでもなくただラジオを聴きながら漫画を描くのが好きだった。
ある夜、深夜を回り、ヘッドフォンでラジオを聴いていた時の事なのですが、貰い物のそのラジオにレバーの切り替えが付いている事に気が付き、パチンと上にレバーを上げて見た。ガー・・・・ズズズズズズ・・・・とノイズが走りだした。摘みで調整すると時折『ズザッ・・・うっ・・・』と人の声がした。静かにゆっくりと調整すると『ねぇ聞いてる?うんうん、あいつねー、あっはっは』とはっきりと声がした。しかしラジオではなく、どっちかと言うと人の会話だった。電話しているかのような、いや、電話しているのを盗み聞きしているかのような。
翌日クラスで友人に聞くと『それは短波放送じゃね?たまに中国語とか聴こえてくるよ』と言う話だった。
『たんぱ・・・か・・・』
その夜から私は短波放送に妙にのめり込んでしまった。とは言っても、チャンネルを合わせて聴こえる瞬間が、お宝を掘り当てたような楽しさがあったからである。ゆっくりと今日も、まるで爆弾処理班のようにダイヤルを回す。
ズズズズ・・・・
『そうそうそうそう!それでね!』
『きた!』決まって同じ女性の声が入ることなど気にすることもなく、繋がった事に対してガッツポーズをするのだった。短波放送の仕組みはわからないし、そういう仕組みなのかは分かりませんが、毎回繋がるポイントは違う。だから面白さを感じていたのだった。それからは暫くその女性の放送を聴きながら漫画を描いて寝る、そんな日々が続いた。
ある日の事、母親がこんなことを言い出した。
『あんた、夜中までラジオおっきくかけるのやめてくれない?』
『あ、うん、気を付けるよ』
部屋に入ってヘッドフォンを見ると、音が漏れるようなヘッドフォンではなく、完全に耳をすっぽり覆うスタイルだから、隣の部屋まで、しかも壁ではなく押し入れ付の壁を通り抜けて聴こえるなんて考えられなかったのだった。
まいっか・・・その夜も短波放送のチャンネル合わせに集中した。
ズズズズ・・・・
『あ、私ぃ~・・・』
『おっと、今日は早めにつながったな』
『私の声大きいのかな~・・・』
いつものようにその放送を聴きながら漫画を描き始めた。
『隣の部屋まで聴こえるんでしょう?』
私はその話の内容にゾッとした。
耳に集中してみると、大変なことに気が付いた。
ヘッドフォンではなく、その声はヘッドフォンの向こうからしていたのだった。
気付いた途端に恐怖が全身を走った、腕は鳥肌、頬はザワザワが止まらない。
私は左側にある姿見を横目で見た。
私の横には大きな女が立っており、腰をくの字に曲げてヘッドフォンに口が付くくらいの距離で『今日も聴こえてますか~私の声が聴こえてますか~』と話しかけていたのが見えた。
恐ろしくなって動けなくなったが、なんとか勇気を振り絞って短波放送のレバーを下げた、声はしなくなったが暫く私は恐怖で動く事が出来なかった。
どれほどの時間が経過したか覚えていないが、絵に描いたように我に返ると、ラジカセのコンセントを抜いてグルグル巻きにして、翌日壊れたと嘘をついて捨ててもらった。
そのラジカセは、兄が仕事場でもらってきたもので、いつからか私の部屋にあったもの。気になって兄が来た時に聞いたところ、孤独死した女性の部屋の整理の仕事をして、親族から捨てて欲しいと依頼された物の中にあったらしく、動くから持ってきて私の部屋に置いたとの事だった。
ある夜、深夜を回り、ヘッドフォンでラジオを聴いていた時の事なのですが、貰い物のそのラジオにレバーの切り替えが付いている事に気が付き、パチンと上にレバーを上げて見た。ガー・・・・ズズズズズズ・・・・とノイズが走りだした。摘みで調整すると時折『ズザッ・・・うっ・・・』と人の声がした。静かにゆっくりと調整すると『ねぇ聞いてる?うんうん、あいつねー、あっはっは』とはっきりと声がした。しかしラジオではなく、どっちかと言うと人の会話だった。電話しているかのような、いや、電話しているのを盗み聞きしているかのような。
翌日クラスで友人に聞くと『それは短波放送じゃね?たまに中国語とか聴こえてくるよ』と言う話だった。
『たんぱ・・・か・・・』
その夜から私は短波放送に妙にのめり込んでしまった。とは言っても、チャンネルを合わせて聴こえる瞬間が、お宝を掘り当てたような楽しさがあったからである。ゆっくりと今日も、まるで爆弾処理班のようにダイヤルを回す。
ズズズズ・・・・
『そうそうそうそう!それでね!』
『きた!』決まって同じ女性の声が入ることなど気にすることもなく、繋がった事に対してガッツポーズをするのだった。短波放送の仕組みはわからないし、そういう仕組みなのかは分かりませんが、毎回繋がるポイントは違う。だから面白さを感じていたのだった。それからは暫くその女性の放送を聴きながら漫画を描いて寝る、そんな日々が続いた。
ある日の事、母親がこんなことを言い出した。
『あんた、夜中までラジオおっきくかけるのやめてくれない?』
『あ、うん、気を付けるよ』
部屋に入ってヘッドフォンを見ると、音が漏れるようなヘッドフォンではなく、完全に耳をすっぽり覆うスタイルだから、隣の部屋まで、しかも壁ではなく押し入れ付の壁を通り抜けて聴こえるなんて考えられなかったのだった。
まいっか・・・その夜も短波放送のチャンネル合わせに集中した。
ズズズズ・・・・
『あ、私ぃ~・・・』
『おっと、今日は早めにつながったな』
『私の声大きいのかな~・・・』
いつものようにその放送を聴きながら漫画を描き始めた。
『隣の部屋まで聴こえるんでしょう?』
私はその話の内容にゾッとした。
耳に集中してみると、大変なことに気が付いた。
ヘッドフォンではなく、その声はヘッドフォンの向こうからしていたのだった。
気付いた途端に恐怖が全身を走った、腕は鳥肌、頬はザワザワが止まらない。
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どれほどの時間が経過したか覚えていないが、絵に描いたように我に返ると、ラジカセのコンセントを抜いてグルグル巻きにして、翌日壊れたと嘘をついて捨ててもらった。
そのラジカセは、兄が仕事場でもらってきたもので、いつからか私の部屋にあったもの。気になって兄が来た時に聞いたところ、孤独死した女性の部屋の整理の仕事をして、親族から捨てて欲しいと依頼された物の中にあったらしく、動くから持ってきて私の部屋に置いたとの事だった。
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