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薄くなった人
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心霊界隈でたまに耳にする『影が薄い』と言う話。
それが私の目にも見えたかもしれない…定かではないが。
私はとある老人介護施設で働いているのですが、
定期的に利用者様の居室を清掃する仕事がありまして、
その日は14時頃のスケジュールでした。
齋藤芳江さん(仮名)のお部屋がその日の担当。
午前の業務やコール対応、食事の対応などを終えて休憩をとり、
時間通りに向かいました。
人工透析を始めて10年目の方で最近体調がすぐれず、食事も食堂に来ることは無くなり、すっかり部屋で食べるようになっていた。
顔も最近では覇気がなく、笑顔も無くなっていた。
人当たりが良く、スタッフへの気遣いも出来て、礼儀もわきまえており、わがままも言わず、いつも笑顔で冗談言っては笑っていた印象が強いだけに心配はあった。
『斎藤さん、お掃除の時間ですよ』
時間通りに訪問し、声をかけながらドアを開けると、
最近寝たままの彼女がベッドに座っていた。
私はその姿に驚いて一瞬だが言葉を失いました。
優しく微笑む齋藤さんが明るく光って、その身体が透けていたのです。
薄くなってベッドの角やカーテンが身体を通して見えている。
『え???』
と見直すと齋藤さんはベッドにゆっくりと横たわった。
『見間違えだろう』
そう思い込み、気を使いながら静かに清掃を行った。
その数時間後、斎藤さんのバイタルが一気に低下し、緊急搬送となった。
私の脳裏にはあの透き通った齋藤さんの姿が焼き付いて離れない。
そして嫌な予感となって心にへばりつく。
間もなく病院で齋藤芳江さんが亡くなったと連絡が入った。
あの姿はなんだったのだろう、最後にどうして微笑んでくれたのだろう。
良い方に捉えるのが私を楽にする思考だと思うけれど、
助けて欲しかったのかもしれないと思うと悔やまれます。
でも助けて欲しければ必死に手を差し出したりするのではないだろうか。
ではなぜ微笑んだのか・・・。
この施設のスタッフへのお礼を意味するのかもしれない。
そう考えると救われるけれど、なぜ代表で私なのだと思うと、選んでくれた斎藤さんには申し訳ないけれど、とても切ないです。
それが私の目にも見えたかもしれない…定かではないが。
私はとある老人介護施設で働いているのですが、
定期的に利用者様の居室を清掃する仕事がありまして、
その日は14時頃のスケジュールでした。
齋藤芳江さん(仮名)のお部屋がその日の担当。
午前の業務やコール対応、食事の対応などを終えて休憩をとり、
時間通りに向かいました。
人工透析を始めて10年目の方で最近体調がすぐれず、食事も食堂に来ることは無くなり、すっかり部屋で食べるようになっていた。
顔も最近では覇気がなく、笑顔も無くなっていた。
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『斎藤さん、お掃除の時間ですよ』
時間通りに訪問し、声をかけながらドアを開けると、
最近寝たままの彼女がベッドに座っていた。
私はその姿に驚いて一瞬だが言葉を失いました。
優しく微笑む齋藤さんが明るく光って、その身体が透けていたのです。
薄くなってベッドの角やカーテンが身体を通して見えている。
『え???』
と見直すと齋藤さんはベッドにゆっくりと横たわった。
『見間違えだろう』
そう思い込み、気を使いながら静かに清掃を行った。
その数時間後、斎藤さんのバイタルが一気に低下し、緊急搬送となった。
私の脳裏にはあの透き通った齋藤さんの姿が焼き付いて離れない。
そして嫌な予感となって心にへばりつく。
間もなく病院で齋藤芳江さんが亡くなったと連絡が入った。
あの姿はなんだったのだろう、最後にどうして微笑んでくれたのだろう。
良い方に捉えるのが私を楽にする思考だと思うけれど、
助けて欲しかったのかもしれないと思うと悔やまれます。
でも助けて欲しければ必死に手を差し出したりするのではないだろうか。
ではなぜ微笑んだのか・・・。
この施設のスタッフへのお礼を意味するのかもしれない。
そう考えると救われるけれど、なぜ代表で私なのだと思うと、選んでくれた斎藤さんには申し訳ないけれど、とても切ないです。
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