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先輩のキャンプ
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印刷会社でデザイナーをしていた時の話しです。
印刷工場が社屋の階下にあるので、印刷物の指示や確認をしているうちに、木村(仮名)先輩とよく話すようになった。
木村先輩はアウトドア派なので、インドアな私には若干迷惑な誘いをして来るようになった。
『キャンプするんだけど、遊びに来ないか?』
キャンプって聞いただけで私はゾッとする。
悪い事しか考えつかないからだ。
熊が来たら余程運河良くなければキャンプしているところから逃げ切るなんて不可能だ。指名手配犯が隠れていて、食料欲しさに襲ってきたら?変質者が襲ってきたら?いや、先輩と私なら身長2メートルの大男じゃなければ勝てる可能性はかなり高いけれど、その恐怖は凄まじいだろう、そもそもそんな目に会いたくない。そして幽霊、先輩は釣り好きだからテントは水辺、水辺と言えば幽霊が集まるに違いない。わざわざゆうれいに会いに行くような真似はご免被る。雨もあるし、雷だってあるし怖い事しかないじゃないか、一番は虫の存在だ。蛾の入った珈琲に気付かず飲んでしまったら?首に大きな蜘蛛が入ったら?マダニに刺されたら?
考えただけで体中が痒くなる。
けれど、そうそう断ってばかりも居られない、自分の性格を呪う。
会社の同僚の佐藤君(仮名)と2人で先輩の居ると言う場所へ向かった。
わかりやすい場所なので迷うことなく辿り着けたが、思った通り川の側だった。ずっと耳元で蚊の羽音がする、絶対刺されたくない私は直ぐに煙草に火をつけて虫よけを始めた。
『お前ら来てくれるって言うからステーキ買って来たんだよ、焼くから待ってろ』
キャンパーは焼く過程とかをやたらと見せたがる。
ただ焼けばいいんだよ、私でもできるよと思いつつ『美味しそうっすねー』と先輩に寄り添って機嫌を取る。この性格も嫌いだが、余計な事言って怒らせるよりはましだろうとは思う。
ステーキが焼ける煙で虫が来ないのはいいけれど、臭いで野犬や熊が来そうで落ち着かない。そのステーキは思いの外美味しくて、こんな場所で食べるからだろうかと少し先輩の趣味を見直した。
ところが急に私は頭痛に襲われ吐き気がするほどになったので、一人で車中で休ませてもらうことになり、知らぬ間に眠りに堕ちてしまった。
ㇵッと目を覚まして車内からテントの方を見ると、私が座っていた椅子に白い服の女性が座っていた。『あれ?先輩か、佐藤君の彼女かな?』と思いつつ、少し様子を見ていたら違和感に気が付く。
その女性の首が回っているのだ、そのスピードは1分に1回転くらいの速度で。
2人は全く気付いていない、私の眼の錯覚かと思って目をこすってしっかりと確認したのだが、やはりゆっくりと首が時計回りに回転している、1分1回転程の速度で。2人が気づいていないと言う事は幽霊ではないかと感じた私は社内で南無阿弥陀仏と何度か口ずさんで手の平をこすり合わせた。
眼を開けてもう一度確認するとあの女は消えていた。
車を降りて、先輩に謝ると『いいっていいって、慣れない場所に来て疲れたんだろ、また今度な、逆に悪かったな』と優しい声掛けをしてくれた。
いい時間になったので私と佐藤君は帰る事にし、車にエンジンをかけ窓を開けて後ろにいる先輩に声をかける『すみません、じゃ!気を付けてくださいね、ありがとうございました!』
手を振る先輩の正面の椅子にはあの女が座っており、頭の回転は明らかに高速でグルグルと回っていたのです。
不安で仕方がない私は佐藤君に見たことを話すと、佐藤君も見えていたらしく、隣でゆっくり頭が回転する女に恐怖しかなかったけど、自分が気づいてると気づかれたらどうなるかと言う方が怖かったので黙ってたと話してくれた。
佐藤君は真横で見ていたが、一切顔は見えなかったそうです。
先輩が憑りつかれたりしたら大変だと思い、意を決して翌日先輩にその話をしたところ『あぁ知ってるよ、行くと何時も来るんだよ。頭だろ?すっごく速く回転してる時もあるんだぜ、何で回ってるのか知らないけど慣れれば可愛いもんだよ悪さする訳じゃないしな』
私たちは先輩のメンタルの強さに恐怖を覚えた。
印刷工場が社屋の階下にあるので、印刷物の指示や確認をしているうちに、木村(仮名)先輩とよく話すようになった。
木村先輩はアウトドア派なので、インドアな私には若干迷惑な誘いをして来るようになった。
『キャンプするんだけど、遊びに来ないか?』
キャンプって聞いただけで私はゾッとする。
悪い事しか考えつかないからだ。
熊が来たら余程運河良くなければキャンプしているところから逃げ切るなんて不可能だ。指名手配犯が隠れていて、食料欲しさに襲ってきたら?変質者が襲ってきたら?いや、先輩と私なら身長2メートルの大男じゃなければ勝てる可能性はかなり高いけれど、その恐怖は凄まじいだろう、そもそもそんな目に会いたくない。そして幽霊、先輩は釣り好きだからテントは水辺、水辺と言えば幽霊が集まるに違いない。わざわざゆうれいに会いに行くような真似はご免被る。雨もあるし、雷だってあるし怖い事しかないじゃないか、一番は虫の存在だ。蛾の入った珈琲に気付かず飲んでしまったら?首に大きな蜘蛛が入ったら?マダニに刺されたら?
考えただけで体中が痒くなる。
けれど、そうそう断ってばかりも居られない、自分の性格を呪う。
会社の同僚の佐藤君(仮名)と2人で先輩の居ると言う場所へ向かった。
わかりやすい場所なので迷うことなく辿り着けたが、思った通り川の側だった。ずっと耳元で蚊の羽音がする、絶対刺されたくない私は直ぐに煙草に火をつけて虫よけを始めた。
『お前ら来てくれるって言うからステーキ買って来たんだよ、焼くから待ってろ』
キャンパーは焼く過程とかをやたらと見せたがる。
ただ焼けばいいんだよ、私でもできるよと思いつつ『美味しそうっすねー』と先輩に寄り添って機嫌を取る。この性格も嫌いだが、余計な事言って怒らせるよりはましだろうとは思う。
ステーキが焼ける煙で虫が来ないのはいいけれど、臭いで野犬や熊が来そうで落ち着かない。そのステーキは思いの外美味しくて、こんな場所で食べるからだろうかと少し先輩の趣味を見直した。
ところが急に私は頭痛に襲われ吐き気がするほどになったので、一人で車中で休ませてもらうことになり、知らぬ間に眠りに堕ちてしまった。
ㇵッと目を覚まして車内からテントの方を見ると、私が座っていた椅子に白い服の女性が座っていた。『あれ?先輩か、佐藤君の彼女かな?』と思いつつ、少し様子を見ていたら違和感に気が付く。
その女性の首が回っているのだ、そのスピードは1分に1回転くらいの速度で。
2人は全く気付いていない、私の眼の錯覚かと思って目をこすってしっかりと確認したのだが、やはりゆっくりと首が時計回りに回転している、1分1回転程の速度で。2人が気づいていないと言う事は幽霊ではないかと感じた私は社内で南無阿弥陀仏と何度か口ずさんで手の平をこすり合わせた。
眼を開けてもう一度確認するとあの女は消えていた。
車を降りて、先輩に謝ると『いいっていいって、慣れない場所に来て疲れたんだろ、また今度な、逆に悪かったな』と優しい声掛けをしてくれた。
いい時間になったので私と佐藤君は帰る事にし、車にエンジンをかけ窓を開けて後ろにいる先輩に声をかける『すみません、じゃ!気を付けてくださいね、ありがとうございました!』
手を振る先輩の正面の椅子にはあの女が座っており、頭の回転は明らかに高速でグルグルと回っていたのです。
不安で仕方がない私は佐藤君に見たことを話すと、佐藤君も見えていたらしく、隣でゆっくり頭が回転する女に恐怖しかなかったけど、自分が気づいてると気づかれたらどうなるかと言う方が怖かったので黙ってたと話してくれた。
佐藤君は真横で見ていたが、一切顔は見えなかったそうです。
先輩が憑りつかれたりしたら大変だと思い、意を決して翌日先輩にその話をしたところ『あぁ知ってるよ、行くと何時も来るんだよ。頭だろ?すっごく速く回転してる時もあるんだぜ、何で回ってるのか知らないけど慣れれば可愛いもんだよ悪さする訳じゃないしな』
私たちは先輩のメンタルの強さに恐怖を覚えた。
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