1 / 37
青い惑星へダイブ
しおりを挟む『序』
――もう、どこだったかも分からないような、遠い、遠い所からボクはやってきた。
産まれた時から独りぼっちだったボクは、宇宙から惑星を見下ろしていた。
そこに生命が存在する事に気付いたのはいつだったのだろう。
最初に降り立った惑星は水ばかりで、意思の疎通が図れる生物はいなかったけれど、彼らは確かに生きていた。
宇宙空間にはない生命力に溢れた世界では、海では海の生物が、陸では陸の生物が、仲間と共に生を謳歌している。
愛する者と共に全力で生きる姿を見て、ボクは希望を見つけた。
どこかに、ボクを仲間に入れてくれる者がいる惑星もあるに違いないと。
それからボクは、仲間を探す為に色んな惑星へ行った。
初めて道具を使い、集団で暮らす文化を持つ生物に出会った時は感動したものだ。
その時のボクは浮かれて、どうにか仲良くなろうと彼らの姿を真似たり、楽しんでもらおうといつもしているように、手や道具を使わずに物を動かして見せたりした。
そうしたら皆、驚いてしまい、逆に距離を取られてしまった。
彼らの反応に唖然としていると、一番威張っている身体の大きな人がやって来て、ボクに『神さま』と言う名前を付けて彼の家へ連れて行った。
そこでボクはとても大事にされたが、見返りに「雨を降らせて欲しい」「作物をたくさん実らせて欲しい」「好きな子を振り向かせて欲しい」「敵対する部族を全滅させて欲しい」と、自分勝手で無理な要求をされ辟易してしまう。
そんな事が続いたある日、ボクが要求された事を1つも叶えないで子供たちと一緒に遊んでばかりいるので、何か見返りが欲しいのかと思ったのだろう。
彼らは珍しい食べ物や宝石、綺麗な服に新しい大きな家、そして彼らの基準で見目の良い者を宛がってきた。
――ボクは仲間に入れて欲しかっただけだったのに、特別扱いされたい訳じゃなかったのに。
それが切欠になり、ボクはその惑星を去る事にした。
そこであまり良い思いをしなかったくせに、孤独で寂しがりやのボクは、その後もいろいろな惑星に降り立った。
そこで気付いたのだが、ある程度の知能を持つ相手だと、いくらその惑星の生物に似せて紛れ込んでも何故かバレてしまう。
そうなると、意思の疎通が出来る出来ない以前に、異質なものとして敬遠されてしまう。
神と崇められるのはまだ良い方で、大抵は得体のしれない生物として迫害され、ある惑星では捕まって一時的に閉じ込められて実験材料にされそうになった事もあった。
そうして同じような事を繰り返しては逃げ、再び宇宙を彷徨っていたある日、ボクはどこかからやってきた探査船に出会った。
あちこち傷んで壊れかけたその中には、金色の円盤が入っているのが見える。
取り出してみると、生物らしい絵や何かの装置の説明が描かれていたが、ボクにはさっぱりだ。
でも、この探査船が来た方向へ向かえば文明を持った生命体がいるはずだと、懲りないボクは、まだ行った事のない方へと身体を滑らせた。
今度こそ、ボクを受け入れてくれる場所があるに違いない。
独りで産まれ(自然発生かもしれないが)、孤独に生きるボクにも心安らかに留まれる場所が、仲間が欲しい。
そんな場所を見つけられた時、ボクは何の為に存在するのか、なぜこんな風に旅を続けているのかが分かるんじゃないかとも思う。
今度こそ。と言う希望と共に、ボクは目の前に現れた、美しい青い惑星へダイブした――。
………………
…………
……
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる