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幸せな束の間の夢
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▫︎◇▫︎
小さい頃、マーガレットにも幸せな時間というものが一応存在していた時期があった。
それはいずれ出入りできなくなるであろう特別な場所、王城にあって、あまり長くは続かないと分かっていた束の間の幸せで、マーガレットは手放したくないと常に願って、そして失う未来を想像して絶望していた。
「マギー、泣かないで。ぼくたちはここでじゃなくても会えるよ。だってぼくたちは同じキゾクの子供じゃないか!!」
「ひっく、………おとーさまは絶対にゆるしてなんてくださらないっ!!」
この頃にはもうマーガレットは親に愛されることには無頓着で、全てを諦めていた。冷え切った妹ばかりを溺愛する両親に使用人、愛されないことは分かりきっていた。だからこそ、マーガレットは他のところで頑張ろうと思った。けれど全て失敗。出入りする人間たちすらも、マーガレットは悪い子で、妹フローラが良い子だと思い込んで、何か悪いことがあったら全てマーガレットのせいだと決め込んでしまったのだ。
わかった時には絶望した。
けれど、仕方がないと思った。妹は、何でも自分で解決してしまう手のかからないマーガレットと違って、可愛らしくて甘え上手だ。
(おとーさまは、まぎーが好きな人といっしょにいることなんて絶対にゆるさない。それどころか、なんでフローラのよさがわからないのかってゲキドして、テオールをいじめちゃう。それにそれに、テオールをフローラにとられちゃうわっ!!)
マーガレットは頭がいい分、幼さに似合わず、先に起こることをある程度予測することができた。だからこそ、彼だけは失いたくないと必死になっていた。
「だいじょうぶだよ、マギー。ぼくは絶対に、マギー以外好きにならないよ」
だからこそ、彼の言葉全てが、マーガレットにとっては救いで、神の言葉のように聞こえた。
嬉しくて仕方がない彼の言葉は、一言一句マーガレットの宝物だ。
ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ
読んでいただきありがとうございます(*≧∀≦*)
小さい頃、マーガレットにも幸せな時間というものが一応存在していた時期があった。
それはいずれ出入りできなくなるであろう特別な場所、王城にあって、あまり長くは続かないと分かっていた束の間の幸せで、マーガレットは手放したくないと常に願って、そして失う未来を想像して絶望していた。
「マギー、泣かないで。ぼくたちはここでじゃなくても会えるよ。だってぼくたちは同じキゾクの子供じゃないか!!」
「ひっく、………おとーさまは絶対にゆるしてなんてくださらないっ!!」
この頃にはもうマーガレットは親に愛されることには無頓着で、全てを諦めていた。冷え切った妹ばかりを溺愛する両親に使用人、愛されないことは分かりきっていた。だからこそ、マーガレットは他のところで頑張ろうと思った。けれど全て失敗。出入りする人間たちすらも、マーガレットは悪い子で、妹フローラが良い子だと思い込んで、何か悪いことがあったら全てマーガレットのせいだと決め込んでしまったのだ。
わかった時には絶望した。
けれど、仕方がないと思った。妹は、何でも自分で解決してしまう手のかからないマーガレットと違って、可愛らしくて甘え上手だ。
(おとーさまは、まぎーが好きな人といっしょにいることなんて絶対にゆるさない。それどころか、なんでフローラのよさがわからないのかってゲキドして、テオールをいじめちゃう。それにそれに、テオールをフローラにとられちゃうわっ!!)
マーガレットは頭がいい分、幼さに似合わず、先に起こることをある程度予測することができた。だからこそ、彼だけは失いたくないと必死になっていた。
「だいじょうぶだよ、マギー。ぼくは絶対に、マギー以外好きにならないよ」
だからこそ、彼の言葉全てが、マーガレットにとっては救いで、神の言葉のように聞こえた。
嬉しくて仕方がない彼の言葉は、一言一句マーガレットの宝物だ。
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