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第13話 天狐
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第13話 天狐
その声は目の前の大樹の方向から聞こえてきた。優しく、包み込まれるような――それでいて、厳しく見定められるような――なんとも形容しがたい印象の声だった。
改めて大樹の方を見ると、その根元に――根元? と言うようなデカさだが――白銀に輝く1匹の、これまた巨大な狐が鎮座ましましていた。
「‥‥白銀の狐‥‥なんてキレイな‥‥」
呆然と呟く――その声に反応した狐の、虹色に煌めく瞳がカイヤを映した途端、凄まじい威圧感がカイヤを襲った。
「これなるは天狐の始祖たる妾の寝所。断りもなく踏み入りたる其方は何者ぞ?」
問われているのはわかる。だがその圧倒的な格差のせいか、こちらが言葉を返すのは途轍もなく困難である。
「くひゃぁぁん」
恐ろしいほどの圧になすすべもなく膝をつきそうになった時、耳の傍からなにやらこちらもまた形容しがたい鳴き声? のようなものが聞こえた。――途端、辺りを覆い尽くしていた威圧感が消えた。しかもきれいさっぱり跡形もなく。
【レベルが上がりました】
【“威圧耐性”スキルを習得しました】
【スキルレベルが上がりました】
(システム、空気読め!?)
「おぉ‥‥吾子よ、ようやっと戻ってこられたか‥‥どこに連れてゆかれたのかと心配しておったところよ」
次いで響いたのは、先に聞こえた優しい声音の言葉。その視線はどうやらカイヤの肩にいる子狐を見ているようだ。そして子狐のことを“吾子”と呼んだ。つまりこの子狐は白銀の狐の子供なのであろう。
などとのんきに分析しているカイヤの目の前と肩の上の2匹はくひゃぁくひゃぁふむふむなるほどとこちらも呑気に会話? を交わしている。肩から降りて近寄ってあげればいいのにと思いかけたころ、唐突に子狐に頭突きを喰らい、そのあと首や耳の辺りにすりすりと耳の辺りを擦りつけられた。
「すまなんだ‥‥吾子を助けてくれたそうじゃの妾からも礼を言わせておくれ」
好きにさせていると親狐から謝罪と礼の言葉がかけられ、子狐から視線を移すと微笑ましげに細められた虹色の瞳がこちらを見つめていた。
「面倒をかけてすまぬが、その上で其方に頼みたいことがあるのよ」
「頼み事、ですか? ‥‥私で出来ることなら‥‥」
「其方にしか出来ぬよ。‥‥我が吾子は其方が気に入ったらしい。出来ることならその子に名付けて、其方と共に連れて行ってやってほしい」
そう言って愛しげに我が子を見つめ、続けた。
「その子は妾の末の吾子での‥‥少々内気で、しかも子の中では一番脆弱だった。それ故すこぅしばかり過保護に育てすぎたようで、いまだ大きな術は使えぬ。じゃが、其方と共にゆくならちょうどよい塩梅であろ。ともに成長し、より良き関係を築いてゆければそれがよき糧となろうよ。どうじゃ? 頼めぬかの‥‥?」
銀狐の言葉を聞き、己の肩にいる子狐に視線をやると期待に満ちたきらきらとした瞳でこちらを見ている。耳の付け根辺りをかいでやると気持ちよさそうに目を細め、もっとかけとでも言うように頭をぐいぐいと押し付けてきた。
そんな様子に仕方ないなぁと一息つき、銀狐へと視線を戻して一礼する。
「まだまだ未熟なこの身なれど、それでもよろしければ喜んで」
「吾子は其方がよいと、其方でなければいやだと言うておるよ。かわいがってやっておくれ。そして、ときどきでよいから吾子と共に妾を訪ねてくれんか?」
「もちろんです」
カイヤが答えると銀狐は嬉しそうに笑った――
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
◇ステータス◇
NAME:カイヤ
種族:天狐族
副種族:妖狐族
職業:薬師
サブ職業:陰陽師
武器:双剣、弓
Lv.7
HP 160(+10*レベルUP分)
MP 300(+20*レベルUP分)
STR 22(+2*レベルUP分)
AGI 50(+5*レベルUP分)
VIT 31(+3*レベルUP分)
INT 50(+5*レベルUP分)
MID 50(+5*レベルUP分)
DEX 50(+5*レベルUP分)
LUK 50(+5*レベルUP分)
(所持SP21)(+2*レベルUP分)
種族スキル:天術Lv.3 妖術Lv.3
職業スキル:薬術Lv.1 符術Lv.3
スキル:双剣術Lv.2 弓術Lv.2
調合Lv.1 錬金術Lv.1 鑑定Lv.5(UP)
採取Lv.5(UP) 索敵Lv.5(UP) 探索Lv.5(UP)
鷹の目Lv.4 採掘Lv.2
料理Lv.1 木工Lv.1
威圧耐性Lv.3(New+UP)
称号:初級インスタントダンジョン制覇者
天狐の友
子狐の主
その声は目の前の大樹の方向から聞こえてきた。優しく、包み込まれるような――それでいて、厳しく見定められるような――なんとも形容しがたい印象の声だった。
改めて大樹の方を見ると、その根元に――根元? と言うようなデカさだが――白銀に輝く1匹の、これまた巨大な狐が鎮座ましましていた。
「‥‥白銀の狐‥‥なんてキレイな‥‥」
呆然と呟く――その声に反応した狐の、虹色に煌めく瞳がカイヤを映した途端、凄まじい威圧感がカイヤを襲った。
「これなるは天狐の始祖たる妾の寝所。断りもなく踏み入りたる其方は何者ぞ?」
問われているのはわかる。だがその圧倒的な格差のせいか、こちらが言葉を返すのは途轍もなく困難である。
「くひゃぁぁん」
恐ろしいほどの圧になすすべもなく膝をつきそうになった時、耳の傍からなにやらこちらもまた形容しがたい鳴き声? のようなものが聞こえた。――途端、辺りを覆い尽くしていた威圧感が消えた。しかもきれいさっぱり跡形もなく。
【レベルが上がりました】
【“威圧耐性”スキルを習得しました】
【スキルレベルが上がりました】
(システム、空気読め!?)
「おぉ‥‥吾子よ、ようやっと戻ってこられたか‥‥どこに連れてゆかれたのかと心配しておったところよ」
次いで響いたのは、先に聞こえた優しい声音の言葉。その視線はどうやらカイヤの肩にいる子狐を見ているようだ。そして子狐のことを“吾子”と呼んだ。つまりこの子狐は白銀の狐の子供なのであろう。
などとのんきに分析しているカイヤの目の前と肩の上の2匹はくひゃぁくひゃぁふむふむなるほどとこちらも呑気に会話? を交わしている。肩から降りて近寄ってあげればいいのにと思いかけたころ、唐突に子狐に頭突きを喰らい、そのあと首や耳の辺りにすりすりと耳の辺りを擦りつけられた。
「すまなんだ‥‥吾子を助けてくれたそうじゃの妾からも礼を言わせておくれ」
好きにさせていると親狐から謝罪と礼の言葉がかけられ、子狐から視線を移すと微笑ましげに細められた虹色の瞳がこちらを見つめていた。
「面倒をかけてすまぬが、その上で其方に頼みたいことがあるのよ」
「頼み事、ですか? ‥‥私で出来ることなら‥‥」
「其方にしか出来ぬよ。‥‥我が吾子は其方が気に入ったらしい。出来ることならその子に名付けて、其方と共に連れて行ってやってほしい」
そう言って愛しげに我が子を見つめ、続けた。
「その子は妾の末の吾子での‥‥少々内気で、しかも子の中では一番脆弱だった。それ故すこぅしばかり過保護に育てすぎたようで、いまだ大きな術は使えぬ。じゃが、其方と共にゆくならちょうどよい塩梅であろ。ともに成長し、より良き関係を築いてゆければそれがよき糧となろうよ。どうじゃ? 頼めぬかの‥‥?」
銀狐の言葉を聞き、己の肩にいる子狐に視線をやると期待に満ちたきらきらとした瞳でこちらを見ている。耳の付け根辺りをかいでやると気持ちよさそうに目を細め、もっとかけとでも言うように頭をぐいぐいと押し付けてきた。
そんな様子に仕方ないなぁと一息つき、銀狐へと視線を戻して一礼する。
「まだまだ未熟なこの身なれど、それでもよろしければ喜んで」
「吾子は其方がよいと、其方でなければいやだと言うておるよ。かわいがってやっておくれ。そして、ときどきでよいから吾子と共に妾を訪ねてくれんか?」
「もちろんです」
カイヤが答えると銀狐は嬉しそうに笑った――
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◇ステータス◇
NAME:カイヤ
種族:天狐族
副種族:妖狐族
職業:薬師
サブ職業:陰陽師
武器:双剣、弓
Lv.7
HP 160(+10*レベルUP分)
MP 300(+20*レベルUP分)
STR 22(+2*レベルUP分)
AGI 50(+5*レベルUP分)
VIT 31(+3*レベルUP分)
INT 50(+5*レベルUP分)
MID 50(+5*レベルUP分)
DEX 50(+5*レベルUP分)
LUK 50(+5*レベルUP分)
(所持SP21)(+2*レベルUP分)
種族スキル:天術Lv.3 妖術Lv.3
職業スキル:薬術Lv.1 符術Lv.3
スキル:双剣術Lv.2 弓術Lv.2
調合Lv.1 錬金術Lv.1 鑑定Lv.5(UP)
採取Lv.5(UP) 索敵Lv.5(UP) 探索Lv.5(UP)
鷹の目Lv.4 採掘Lv.2
料理Lv.1 木工Lv.1
威圧耐性Lv.3(New+UP)
称号:初級インスタントダンジョン制覇者
天狐の友
子狐の主
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