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2章
73.
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「先生!」
いきなり声かけられたから、ちょっとびっくりした。
「あとはー、実践で使えるレベルまで繰り返し練習するだけですねー。まだムラがあるようなのでー」
そりゃ、今が初めてなんだから、ムラくらいあるでしょーよ。
ま、そもそも俺はムラもなく、綺麗に、なーんにも制御出来てないのだが。
「先生。俺、無理かも」
「あー……。確かにロアン君には難しいかもしれませんねー。隠すイメージは、尚更……」
そうなの。隠れないの。
先生は、少し考えてから、アドバイスをくれた。
「隠す、より、薄める、方が良いかもしれませんねー」
「薄める?」
「キミの場合、恐らく完全に魔力を隠すのはー、まぁ、絶対に無理とは言いませんが……、かなり難しいでしょう」
ありがと。つまり無理ってことね。
なぜなら俺はそこまで突き詰めるつもりも才能もないから。
「それからー、そのチョーカー。外した方がやりやすいと思います」
「あー、そっか」
先生に言われて、チョーカーを外し、ポッケの中に入れる。
ちっちゃい時からずっと着けてて、初等学校に入った時に外したけど、やっぱりまた着けてるやつ。
「そういえば、ロアンそれいっつも着けてるよな。なんで?」
「魔力を抑えるものって聞いてたし、俺の魔力が多いからだと思ってたけど……」
サイ君に聞かれて気付いたけど、魔力を抑える必要があるのか?ってこと、気にしてなかったな。
まぁ、魔力制御の授業があるくらいだし、戦闘時とかは役に立つんだろうけど、普段の生活では特に必要なくない?
「キミの場合はー、魔力が多すぎるんです」
あぁ、まぁ、それは周知の事実。
「通常、保有魔力の量に関係なく、体に纏う魔力はー、成長するにつれておおよそ一定になるんですー」
えーっと……あぁ!
「確かに、思い返してみれば、街の中で魔力感知しても魔力の差は分かんなかった!」
持ってる魔力は人それぞれのはずなのに、感知できる魔力は大体みんな変わらない。
「えぇ。まー、個人差はありますしー、魔力無い人は感知できないですけど」
そりゃそうか。
「無意識に、常に魔力制御をしているのと同じ状態になるようなものですか?」
「いいですねー、ロイ君。そう言うことです。まぁ、授業でやってある魔力制御は、さらに頑張って感知できなくしようってわけなんですー」
「で、先生。それがどうして俺のチョーカーに……」
全員一定くらいの魔力に勝手に抑えられるなら、別にわざわざチョーカー着けなくったって……あ。
「まさか」
「多分ー、そのまさかですねー」
なんてこった……。
「通常なら、体外に垂れ流しになっている魔力はー、成長と共に体内に上手く収まる様になりますがー。たまにいるんですよ。この機能が上手く働かない人が。大抵は魔力の多い人ですねー」
転生ものでさぁ、魔力が多いってさぁ、チートでウハウハ人生イージー♪って感じになるんじゃないの?今んとこ、どっちかって言うとハードモードな感じなんだけど?
「……ドンマイ」
ユタ君、今の俺にそれは追い打ちだ。
「まぁー、心配しなくても大人になれば治ります。大人になっても治らない人なんてー、世界で数えても片手の指で足りると思いますよ」
あぁ、なら、まぁ、いいか。いいか?
「子どものうちはー、まだ少しずつ魔力が増えますからねー。増えたり抑えたりで体も不安定なんですよー。それを安定させる補助の道具として、チョーカーやブレスレットにして着ける子もいるってわけですねー」
へー。ブレスレットもあるのか。
……ん?違うな。そこじゃない。先生、何て言った?
「魔力が増える?」
って言った?
「そんな大幅に増えることは稀ですけどねー」
これ以上増えてどうしろと!
強大すぎる力を持ってしまった主人公ってかコノヤロー!使えなきゃ意味ないだろが!
「魔力はもういらない……」
「まー、増えてしまうものは仕方ないので、頑張って抑えてみましょうー」
先生は、そう言って他の生徒の様子を見に行ってしまった。
鬼か。
「ロアンの魔力、多くていいなーとか思ってたけど。多過ぎんのも困りもんなんだな」
そうなのよ。サイ君。気付いてくれたのね。
まさか俺も、多すぎて困るなんてことがあるとは転生した当時は思ってなかったよ。
「さ、実習再会しよ!ユタはもうやってるけど」
ロイ兄の指差す先で、既に集中しているユタ君がいた。
うーん。マイペース。
「よしっ」
俺も頑張ろ。魔力操作も、最初はできなかったけど、頑張ってできるようになったもんね。今すぐは無理でもね。頑張ってできる様にならないとね。将来冒険者として色んなところに行った時に、常に魔物に襲われるとかゴメンだからね……。
「えー、授業のはじめに散々脅しておいて言うのもあれですがー」
脅してる自覚はあったんだ。
授業終わりの、まとめの時間。
もちろん俺は、コツすら掴めなかった。
「魔力制御が出来なかったところで死にゃーしません。出来ない人も実は少なくないですねー。騎士だろうとー、冒険者だろうと」
え?そうなの?みんな出来るもんかと……。
言われてみれば、脅されただけで、出来て当たり前とは言われてないな。
「まぁー、いわゆる『強い人』って言うのはー、出来る人が多いですねー。出来ないからと言って落ち込む必要もないですがー、出来た方が選択肢が広がりますのでー、是非頑張ってくださーい」
選択肢、か。単純に、奇襲はしやすくなるよな。気付かれにくくなるんだから。
あと、俺の場合は魔力多過ぎるからな。できないままって選択肢はないな。
いきなり声かけられたから、ちょっとびっくりした。
「あとはー、実践で使えるレベルまで繰り返し練習するだけですねー。まだムラがあるようなのでー」
そりゃ、今が初めてなんだから、ムラくらいあるでしょーよ。
ま、そもそも俺はムラもなく、綺麗に、なーんにも制御出来てないのだが。
「先生。俺、無理かも」
「あー……。確かにロアン君には難しいかもしれませんねー。隠すイメージは、尚更……」
そうなの。隠れないの。
先生は、少し考えてから、アドバイスをくれた。
「隠す、より、薄める、方が良いかもしれませんねー」
「薄める?」
「キミの場合、恐らく完全に魔力を隠すのはー、まぁ、絶対に無理とは言いませんが……、かなり難しいでしょう」
ありがと。つまり無理ってことね。
なぜなら俺はそこまで突き詰めるつもりも才能もないから。
「それからー、そのチョーカー。外した方がやりやすいと思います」
「あー、そっか」
先生に言われて、チョーカーを外し、ポッケの中に入れる。
ちっちゃい時からずっと着けてて、初等学校に入った時に外したけど、やっぱりまた着けてるやつ。
「そういえば、ロアンそれいっつも着けてるよな。なんで?」
「魔力を抑えるものって聞いてたし、俺の魔力が多いからだと思ってたけど……」
サイ君に聞かれて気付いたけど、魔力を抑える必要があるのか?ってこと、気にしてなかったな。
まぁ、魔力制御の授業があるくらいだし、戦闘時とかは役に立つんだろうけど、普段の生活では特に必要なくない?
「キミの場合はー、魔力が多すぎるんです」
あぁ、まぁ、それは周知の事実。
「通常、保有魔力の量に関係なく、体に纏う魔力はー、成長するにつれておおよそ一定になるんですー」
えーっと……あぁ!
「確かに、思い返してみれば、街の中で魔力感知しても魔力の差は分かんなかった!」
持ってる魔力は人それぞれのはずなのに、感知できる魔力は大体みんな変わらない。
「えぇ。まー、個人差はありますしー、魔力無い人は感知できないですけど」
そりゃそうか。
「無意識に、常に魔力制御をしているのと同じ状態になるようなものですか?」
「いいですねー、ロイ君。そう言うことです。まぁ、授業でやってある魔力制御は、さらに頑張って感知できなくしようってわけなんですー」
「で、先生。それがどうして俺のチョーカーに……」
全員一定くらいの魔力に勝手に抑えられるなら、別にわざわざチョーカー着けなくったって……あ。
「まさか」
「多分ー、そのまさかですねー」
なんてこった……。
「通常なら、体外に垂れ流しになっている魔力はー、成長と共に体内に上手く収まる様になりますがー。たまにいるんですよ。この機能が上手く働かない人が。大抵は魔力の多い人ですねー」
転生ものでさぁ、魔力が多いってさぁ、チートでウハウハ人生イージー♪って感じになるんじゃないの?今んとこ、どっちかって言うとハードモードな感じなんだけど?
「……ドンマイ」
ユタ君、今の俺にそれは追い打ちだ。
「まぁー、心配しなくても大人になれば治ります。大人になっても治らない人なんてー、世界で数えても片手の指で足りると思いますよ」
あぁ、なら、まぁ、いいか。いいか?
「子どものうちはー、まだ少しずつ魔力が増えますからねー。増えたり抑えたりで体も不安定なんですよー。それを安定させる補助の道具として、チョーカーやブレスレットにして着ける子もいるってわけですねー」
へー。ブレスレットもあるのか。
……ん?違うな。そこじゃない。先生、何て言った?
「魔力が増える?」
って言った?
「そんな大幅に増えることは稀ですけどねー」
これ以上増えてどうしろと!
強大すぎる力を持ってしまった主人公ってかコノヤロー!使えなきゃ意味ないだろが!
「魔力はもういらない……」
「まー、増えてしまうものは仕方ないので、頑張って抑えてみましょうー」
先生は、そう言って他の生徒の様子を見に行ってしまった。
鬼か。
「ロアンの魔力、多くていいなーとか思ってたけど。多過ぎんのも困りもんなんだな」
そうなのよ。サイ君。気付いてくれたのね。
まさか俺も、多すぎて困るなんてことがあるとは転生した当時は思ってなかったよ。
「さ、実習再会しよ!ユタはもうやってるけど」
ロイ兄の指差す先で、既に集中しているユタ君がいた。
うーん。マイペース。
「よしっ」
俺も頑張ろ。魔力操作も、最初はできなかったけど、頑張ってできるようになったもんね。今すぐは無理でもね。頑張ってできる様にならないとね。将来冒険者として色んなところに行った時に、常に魔物に襲われるとかゴメンだからね……。
「えー、授業のはじめに散々脅しておいて言うのもあれですがー」
脅してる自覚はあったんだ。
授業終わりの、まとめの時間。
もちろん俺は、コツすら掴めなかった。
「魔力制御が出来なかったところで死にゃーしません。出来ない人も実は少なくないですねー。騎士だろうとー、冒険者だろうと」
え?そうなの?みんな出来るもんかと……。
言われてみれば、脅されただけで、出来て当たり前とは言われてないな。
「まぁー、いわゆる『強い人』って言うのはー、出来る人が多いですねー。出来ないからと言って落ち込む必要もないですがー、出来た方が選択肢が広がりますのでー、是非頑張ってくださーい」
選択肢、か。単純に、奇襲はしやすくなるよな。気付かれにくくなるんだから。
あと、俺の場合は魔力多過ぎるからな。できないままって選択肢はないな。
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