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0. 長~いプロローグ
ぞくぞく・選択肢と選択
しおりを挟むはい。まだまだあるのな。
おっ!
おいおい。ここで『ユニークスキル』の登場か。遅くね? こういう1番重要そうな項目は、最初に出すのが普通じゃね? なんて考え自体が普通じゃねえ?
これも仕様。受け入れよう。
だが断る!
『引きこもり超回復』
独りで部屋に引きこもると回復力3倍
『孤高のチャレンジャー』
独りで新しい事を始めると経験値が溜まりやすい
『独り』を強調し過ぎじゃない? 偶然でしょうか。いや。これも45年間の歴史が紡いだゆにーくなスキル?
決して俺だけじゃないはずだ!
確かに色んな事はチャレンジして来たけど。手当たり次第興味があったものはって時期もあったさ。俺が実際にやって来たんだから間違いないさ。
でも、独りを強調されると、なんとなく黒い陰が大きくなってしまいそうな。そんな不安定なおっさんなんですよ?
自業自得。因果応報とはこの事か。
ユニークスキルだけに、決して悪いものじゃないって所も悩ましい。あっ。これは変換出来ません。強制付与?
……
ならば仕方あるまい。これを活かすも殺すも俺次第。そういう事だろう。
『加護』ですと?
う、うーん。あっ。もしかして、エンジェルリン○ってやつの効果かな? それしか思い付くものがない?
それすら疑問系。
スピリチュアル的なものに填まってた時に行き着いた先。それがそれ。
効果は今一よく分からなかったから、いや。全然全くこれと言って表現する事も、人に相談する事すらも出来ない感覚で何も変わらなかったはず。だからこんなんなっちゃった。困難な程に悩ましい。
でも、色々やる気にもなったてた時期だから、それを後押ししてくれてたのかもしれない。そう考えるしかない万金が複数枚飛んだリンク。それがそれ。
さて。
『炎の精霊の加護』? 何故炎?
そんな属性の天使も居たのかも? 無条件の愛だなんだと謳われてたはず? だったっけ? それすらまたもや疑問系。
まあいいや。貰える加護なら貰っておきましょう。なんかちいとチートっぽいし。
やる気を促してくれて、火魔法の効果を高めてくれたり、耐性を付けてくれるんだ。それはそれは、ありがとうございます。
やはり、あれは良いものだったんだな。今になって分かる愚の化身。人生そういうものだよね。ごめんなさい。
よおしっ! やる気になってきた! 気がする!
この勢いでがんがん行こうぜ!
先ずは、何よりも優先すべきはチートスキル!
君にぃ。決めたっ!
どん!
内緒。まだ秘密。
スキル自体、例え親友であろうと簡単には教えちゃいけない極秘事項。冒険者の間でも、全てを曝け出したり探ったりするのはNGとされている。
ましてやユニークスキルや加護なんて、親であっても教えちゃいけないトップシークレット。上位鑑定でも見抜けないものらしい。
これはまたのお楽しみ。あっちの世界に行ってから大活躍する事間違いなし!
主に俺の嗜好を堪能させてくれるって意味では。
だから選んだ『ビール製造』!
あっ。簡単に言っちゃった。思わず言っちゃった。あまりの嬉しさに言ってしまったものは仕方ない。
これぞ俺にのみ与えられしユニークスキルって事にしておいて下さい。
ビール会社の人達とか、趣味でそれなりにビールを作った事がある人達なら表示されるかもしれないゆにーくなスキル。それがこれ。
でも、『酒類製造』は流石にポイントが高過ぎて諦めました。残念無念。来世に期待です!
もう仮確定じゃなくて本確定。確定だから本は付きません。確定は確定です。確定申告してるだけ。
はあはあはあ。
思わず興奮してしまったじゃないか。ここでは魔法やスキルは発動出来ない。あくまでも頭の中でどういったものか使い方が分かるだけ。
それでも興奮してしまう。それだから興奮してしまう。夢のスキルです。
ほんの少し魔力を使って思いのままのビールが製造出来てしまうスキル。それがこれ!
俺はもう満足だ。早くあっちの世界に行って1杯飲みたい。1杯どころじゃなくていっぱい飲みたい。おっぱいも?
そうだな。そっちの心配もあるけど、取り敢えずこのチュートリアルを終わらせよう。45年分とは言え、流石にどんだけ時間掛けてんだって話。
制限時間はないからって、いつまでもこんな所でじっとしてちゃダメ。それこそ人生の時間の無駄遣い。いや。死んでる状態だからそれは当てはまらないのか。
これに追加で、最低限必要そうなものを選んでみた。
スキル選択画面。ここからが本番ですな。腕が鳴るぜ。なんて気合いを入れ直してみたりして。これまでも十分過ぎるくらいの本番だったけど。
既にユニークスキルを確定してるから、残ったポイントを如何に割り振るか。そこが1番のポイント。
宝くじが当たったらどう動いてどう管理していかに使うか。そんな長期間に及ぶ妄想よりも確実に真剣に考えた案件。それが、もしも剣と魔法の世界でスキルを取得出来るなら何を選ぶか。
何が役に立つか分からんな。備えは大事。
今回は、よくあるパターンの勇者召喚でもないのだから、お決まりのチートスキルセットは無し。あくまでも自分の保有ポイントを割り振って取得しないといけないのな。当然なんだろうけど。
でも、既に色んなスキルが取得出来てるし、そんなにポイントに余裕がある訳でもない。そこが難しくもあるポイントだ。ユニークスキルはお高いのです。
やっぱり、勇者召喚ってのは、このスキル取得ポイントを見る限り、すっげー破格の待遇だったんだなって思うわ。あくまでも2次元情報だけど。
強制的に拉致られて命を懸けて働かされるのだから当たり前って思えば当たり前なんだろうな。俺は御免被りたい。
うっわっ。時間停止機能付きで容量無制限のアイテムボックスなんて、俺の保有ポイントじゃ全然足りないじゃん。こんなの素で取得出来る奴が居るのかな。
べ、別に悲しくなんてないやい。それでも簡易アイテムボックスは欲しいけど。優先順位は安全確保と快適な異世界ライフを送る為の能力を取得してからの事になるけど。
はあ。大丈夫かな。要らなそうなスキルをポイントに変換しながらやって行こう。
さあさあさあ。朝が来る前に。
たあたあたあ。後は乗りと直感で。
どうどうどう。こんなんどうでしょう。
うんうんうん。いいんじゃないのかな。こんなんで。
人生、時には妥協も必要。いつまでも求め過ぎても余計に疲れるだけだ。この辺で手を打とうじゃないか。かなり満足の行く結果になったと思う。
一般人よりはそれなりに上。でも上級の冒険者や役職付きの騎士や人外なんて規格外の存在は別。そんな人達も居る世界なんだね。それが知れただけでも有り難い。忘れちゃうかもしれないけど。
それでも十分な能力値だと思う。魔物や盗賊に襲われて、直ぐに死んじゃうなんて嫌過ぎる。だからこれに落ち着いた。
ふむ。
いいのではないでしょうか。相談出来る人が居ないのは寂しいけど、やっぱり人生最後に決めるのは自分自身なのだから。
ファイナルアンサー!
これで確定って事でいいと思います。こんな事やってたら、いつまでも生まれ変われないや。時の流れがどれくらいなものなのかは知らないけど。
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