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プロポーズ、そして
4 ※
しおりを挟む「あ……はあ……あっ」
ケントの蕩けた声がする。
あのまま彼をベッドに押し倒し、そのまま彼の浴衣をはだけて、ローティアスは彼の肌を隈なく味わい始めてしまったのだ。
前回も途中までとは言え、ある程度のところまでは行った。肌への愛撫なら、少しは慣れたかもしれない……と思ったが、それは甘かった。
「相手を受け入れる」と覚悟を決めたケントは思っていた以上に積極的で、ローティアスの体を強く抱き寄せたり、腰に足を絡めてきたりするからだ。
とんでもない。まったくもって、とんでもない!
今にも脳が焼き切れるのではないかと本気で思った。
ケントの耳朶から首筋、鎖骨のあたり。そこからきれいに盛り上がった胸筋とその先端にある可愛らしい二つのもの。ひとつひとつを丁寧に唇と舌で愛撫し、ときには歯をたてる。もちろん、鋭い牙はしまい込んだ上でだ。
「あは……あうっ」
特別に感じやすい部分を刺激されると、ケントはいちいち敏感に反応して腰を跳ねさせた。彼の腕を持ち上げて、二の腕の裏から脇のほうへと唇をうごかし、舐めてやると特に反応がよかった。そのまま脇腹の方へと唇を移動させてゆく。もちろん、手だってのんびりしているわけではない。彼の肌を余すところなく撫でさすり、次第しだいに体の上部から下方へとおろしてゆく。
自分よりは小ぶりだが、それでもよく鍛え上げられた彼の腹筋や腹斜筋は美しく、丁寧に撫でてゆくのは楽しかった。
「はあ……ああっ」
指先が彼の臍のまわりをぐるりと撫で、じわじわと足の付け根のあたりを愛撫しながらおりていくのに従って、ケントの呼吸が速くなっていく。彼の心音は最初に扉を開けたときからかなり速かったが、今はそれの比ではなかった。
「ああ……ん、だ、だめ……だっ」
「ダメですか……?」
下りてゆく指先を追うようにして唇による愛撫を与えていくと、ケントの膝が自然と持ち上がってきた。彼の目にはよく見えていないかもしれないが、この程度の光度なら自分の目にはよく見えた。彼の足の間にある彼自身を象徴するモノが、すでにすっかり天をさして屹立してしまっていることが。
ぷるぷる小刻みに震えているそれは、先端にぷつりと液体を染み出させている。それをとりまく茂みはあまり濃いものではなかったが、成人男性として恥ずかしくない程度には育っていた。うっすらと臍をさして駆け上がっている。
その茂みを指先で愛撫してから、ローティアスはそこにも口づけを落とした。
「あ……んっ、ダ、ダメだって……!」
「どうして?」
ふと顔をあげて彼の顔を見つめると、真っ赤に上気した頬ととろんと蕩けた彼の瞳が見えた。目尻にうっすらと涙が浮かんでいる。必死に声を堪えようと頑張っているのだろう。彼の片腕は口のあたりを隠していた。
「お、俺……ばっかりはイヤだ。ローティのも、一緒に……」
「……なるほど。わかりました」
「あっ……!」
そのままケントの体を起こしてやり、ローティアスは彼の体を自分と向かい合わせに座らせた。足を広げさせたまま、自分の太腿の上に座るような形だ。そのまま、とっくに屹立してしまっている自分のモノとともに彼のそれを握りこんだ。
先日もやったことではあるが、やっぱりとんでもない刺激がやってくる。硬く締まった彼のものの裏側の血管の形さえ明瞭にわかるほどだ。
ローティアスのそれも、すでに先端からとろりと先走りを覗かせている。
「いいですよ……。最初は一緒に。ね?」
「う、うん……あふっ!」
彼の肩手も添えさせて、ともにお互いのモノを扱きあげる。
最初はゆるゆると、丁寧に。やがて早く追い込んでゆくように──。
「あっ、あっ……ああ、ああ……!」
目の前でケントが上下に揺れる。まだ中途半端に彼のの身体に引っかかったままの浴衣がひどく艶っぽい。襟の陰からちらちらと彼の胸の尖りが見え隠れするのが、とんでもなく腰の欲望を刺激した。
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