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番外編
賭けをしよう <後編>
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「湊介、おはよう。決めた?」
翌日、いつものように朝迎えに行くと、起こしたばかりの莉斗がすぐに俺に尋ねてきた。
「昨日の今日だろ。まだ考え中だよ」
「えーっ。てっきり今朝教えてくれると思って楽しみにしてたのに」
「ははっ。だから起きてすぐに聞いてきたのか」
そんなにも俺との賭けを楽しみにしてくれていると思ったら嬉しくなる。
「だって、予定表見たら今週金曜日に模試入ってたんだよ」
そうか、テストなんていつ受けても変わらないから全然気にしてなかったな。
「マークシートだし自己採点したらすぐにどっちが勝ったかわかるだろ? そうしたら週末に湊介に『レーヴランド』連れて行ってもらえるなって」
「ははっ。俺に勝つ気満々なんだな」
「まぁね。俺は餌があると負けないんだから」
そこまで自信満々だと勝ってしまうのが申し訳ないが、俺は負けるわけにはいかないんだ。
「莉斗がそこまで自信あるなら俺が勝ったらなにするかは言わなくてもいいだろ? どうせ言っても莉斗が勝つなら関係ないんだし」
「えっ? ああ、そうか。それもそうだな。俺が絶対に勝ってやるからな!」
ああ、素直で本当に可愛いよな。莉斗は。
高校で莉斗を見つけてよかったよ。
こんな可愛い莉斗をあの学校に一人で放置してたら今頃は変なのに付き纏われていたかもしれない。
可愛い莉斗は俺が一生守ってやらないとな。
というわけで俺は莉斗に賭けの約束は伝えずに、模試当日を迎えた。
今回のは全国模試の中でもかなりレベルが高い。
それでも俺は解けないなんてことはない。
隣の席で真剣な表情で問題を解いている莉斗を可愛いと思いながら、俺はマークシートに答えを塗りつぶしていった。
そうして昼休憩を挟んで模試も全科目終わり、学校帰りにそのまま俺の部屋に連れ込んだ。
お互いに問題用紙を交換して、自己採点。
問題用紙に書き込まれた、番号につけた丸ですら莉斗が書いたものだと思うと愛おしく感じるから不思議だ。
採点をつけながらチラリと莉斗を見ると、だんだんと笑顔が悔しそうな表情に変わっていく。
俺が一問も間違っていないから悔しいんだろうな。
「よし、採点終わった。莉斗、どうだった?」
「んー……湊介……満点だった……」
「莉斗も満点だったよ。同じ一位だからいいじゃん」
「同じじゃ意味ないんだよ。湊介に勝たないと! レーヴランド……行きたかった……」
よほど行きたかったんだろう。言葉尻が寂しそうだ。
「じゃあ、お互いに叶え合うっていうのはどうだ?」
「えっ? どういうこと?」
「俺は莉斗の望みを叶えてレーヴランドに連れて行く。莉斗は俺の望みを叶えてくれたらいい。それで賭けはおあいこだろ」
冷静な表情で言いつつも、内心は俺のこの提案を受けてほしくてたまらなかった。
「湊介の望みってなんだよ? 結局教えてもらってないけど」
「ああ、そうだったな。これだよ」
そう言って俺は机の引き出しから封筒を取り出した。
「中、開けてみて」
莉斗はちょっと緊張した様子で封筒を開けた。
そして中身を取り出すと一気に表情を変えた。
「えっ? これって……」
莉斗の手にあるのは、レーヴランドのパレードを特等席で見られる園内ホテルのスイートルーム宿泊券。
「ここに一緒に泊まってパレードを見て欲しいんだ。俺、一度でいいからここのパレードを見てみたかったんだよな。アメリカでもかなり有名でさー」
必死に理由づけをしているけれど、俺は莉斗の喜ぶ顔が見たいだけだ。
そして、一緒に朝を迎えられたら……。
もちろん結婚式を挙げて初夜を迎えるまでは手を出さないって決めてるけど、一緒のベッドに寝て可愛い莉斗の寝顔を焼き付けて映像に残すくらいはあってもいいだろう?
これからもうしばらく莉斗との甘い夜を待つためのおかずが欲しいんだ。
ってそんなことは莉斗には知られるわけにはいかないけど。
「莉斗、どうだ?」
「湊介……ありがとう! 俺、嬉しい!!」
ほんのり涙を潤ませて、俺に抱きついてきてくれる莉斗。
ああ、もう可愛すぎる!
「じゃあ、明日泊まりでレーヴランド行こうぜ。約束」
俺はそっと莉斗の頬にキスをした。
「うん、約束!」
莉斗からも俺の頬に可愛い唇を当ててくれる。
そうして俺たちは翌日から一泊二日で楽しいレーヴランドの夜を過ごした。
その時の莉斗の可愛い映像は俺だけの大切なお宝だ。
翌日、いつものように朝迎えに行くと、起こしたばかりの莉斗がすぐに俺に尋ねてきた。
「昨日の今日だろ。まだ考え中だよ」
「えーっ。てっきり今朝教えてくれると思って楽しみにしてたのに」
「ははっ。だから起きてすぐに聞いてきたのか」
そんなにも俺との賭けを楽しみにしてくれていると思ったら嬉しくなる。
「だって、予定表見たら今週金曜日に模試入ってたんだよ」
そうか、テストなんていつ受けても変わらないから全然気にしてなかったな。
「マークシートだし自己採点したらすぐにどっちが勝ったかわかるだろ? そうしたら週末に湊介に『レーヴランド』連れて行ってもらえるなって」
「ははっ。俺に勝つ気満々なんだな」
「まぁね。俺は餌があると負けないんだから」
そこまで自信満々だと勝ってしまうのが申し訳ないが、俺は負けるわけにはいかないんだ。
「莉斗がそこまで自信あるなら俺が勝ったらなにするかは言わなくてもいいだろ? どうせ言っても莉斗が勝つなら関係ないんだし」
「えっ? ああ、そうか。それもそうだな。俺が絶対に勝ってやるからな!」
ああ、素直で本当に可愛いよな。莉斗は。
高校で莉斗を見つけてよかったよ。
こんな可愛い莉斗をあの学校に一人で放置してたら今頃は変なのに付き纏われていたかもしれない。
可愛い莉斗は俺が一生守ってやらないとな。
というわけで俺は莉斗に賭けの約束は伝えずに、模試当日を迎えた。
今回のは全国模試の中でもかなりレベルが高い。
それでも俺は解けないなんてことはない。
隣の席で真剣な表情で問題を解いている莉斗を可愛いと思いながら、俺はマークシートに答えを塗りつぶしていった。
そうして昼休憩を挟んで模試も全科目終わり、学校帰りにそのまま俺の部屋に連れ込んだ。
お互いに問題用紙を交換して、自己採点。
問題用紙に書き込まれた、番号につけた丸ですら莉斗が書いたものだと思うと愛おしく感じるから不思議だ。
採点をつけながらチラリと莉斗を見ると、だんだんと笑顔が悔しそうな表情に変わっていく。
俺が一問も間違っていないから悔しいんだろうな。
「よし、採点終わった。莉斗、どうだった?」
「んー……湊介……満点だった……」
「莉斗も満点だったよ。同じ一位だからいいじゃん」
「同じじゃ意味ないんだよ。湊介に勝たないと! レーヴランド……行きたかった……」
よほど行きたかったんだろう。言葉尻が寂しそうだ。
「じゃあ、お互いに叶え合うっていうのはどうだ?」
「えっ? どういうこと?」
「俺は莉斗の望みを叶えてレーヴランドに連れて行く。莉斗は俺の望みを叶えてくれたらいい。それで賭けはおあいこだろ」
冷静な表情で言いつつも、内心は俺のこの提案を受けてほしくてたまらなかった。
「湊介の望みってなんだよ? 結局教えてもらってないけど」
「ああ、そうだったな。これだよ」
そう言って俺は机の引き出しから封筒を取り出した。
「中、開けてみて」
莉斗はちょっと緊張した様子で封筒を開けた。
そして中身を取り出すと一気に表情を変えた。
「えっ? これって……」
莉斗の手にあるのは、レーヴランドのパレードを特等席で見られる園内ホテルのスイートルーム宿泊券。
「ここに一緒に泊まってパレードを見て欲しいんだ。俺、一度でいいからここのパレードを見てみたかったんだよな。アメリカでもかなり有名でさー」
必死に理由づけをしているけれど、俺は莉斗の喜ぶ顔が見たいだけだ。
そして、一緒に朝を迎えられたら……。
もちろん結婚式を挙げて初夜を迎えるまでは手を出さないって決めてるけど、一緒のベッドに寝て可愛い莉斗の寝顔を焼き付けて映像に残すくらいはあってもいいだろう?
これからもうしばらく莉斗との甘い夜を待つためのおかずが欲しいんだ。
ってそんなことは莉斗には知られるわけにはいかないけど。
「莉斗、どうだ?」
「湊介……ありがとう! 俺、嬉しい!!」
ほんのり涙を潤ませて、俺に抱きついてきてくれる莉斗。
ああ、もう可愛すぎる!
「じゃあ、明日泊まりでレーヴランド行こうぜ。約束」
俺はそっと莉斗の頬にキスをした。
「うん、約束!」
莉斗からも俺の頬に可愛い唇を当ててくれる。
そうして俺たちは翌日から一泊二日で楽しいレーヴランドの夜を過ごした。
その時の莉斗の可愛い映像は俺だけの大切なお宝だ。
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