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番外編
ラブホテルに行こう! 智&暁Ver. 2
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「智さん、今日はどこまで行くんですか? 僕、遠出なんて楽しみです」
安慶名先輩から電話をもらった週末、私は隣県にドライブに行こうと暁を誘った。
日帰りだと思っているようだが、車のトランクには暁のためのお泊まりセットを準備してある。
「今日は楽しいところに連れて行ってやるから、楽しみにしていてくれ」
「はいっ!」
キラキラと目を輝かせながら、私の助手席で浮かれている暁が本当に可愛い。
トイレ休憩に立ち寄ったサービスエリアで食べてみたい! とはしゃぐ暁にソフトクリームを買って、近くの展望台からの景色を楽しみながら、甘いソフトクリームを舐める暁を愛でる。
ああ、最高の時間だ。
「今日は本当にいい天気ですね。僕、休みの日にこんな遠くまで来たのって、社会人になってから初めてかもしれないです」
「そうか、なら今日はゆっくりと楽しもう」
すぐにホテルに連れ込もうかと思っていたが、こんなに喜んでくれているのなら、しばらく外を楽しむのもいいだろう。
時間はたっぷりとあるのだから。
あのホテルの近くにかなり大きなショッピングモールがあると聞いていた。
あまりそういう場所には立ち寄ったことはないが、暁が楽しめるなら行ってみよう。
「智さん、あの雑貨屋さんに入ってみてもいいですか?」
「ああ。暁の好きなところに行こう」
嬉しそうに中に入っていく暁に視線が注がれるのを感じる。
やはり男女問わずに目を惹くんだよな。
変なのが声をかけてこないように暁から離れないようにしよう。
「わぁっ! 智さんっ、見てください! このカップ可愛いですね」
「ああ、これは使いやすそうだな。暁、お揃いで買おうか」
「えっ、いいんですか?」
「ああ。ちょうどこれくらいのサイズのマグカップが欲しいと思っていたところだ。私の家に置いて、一緒に使うとしよう」
そういうと暁は嬉しそうにマグカップを2個手に取った。
「じゃあ、買ってきますね」
「あっ、いいよ。私が買うから」
「さっきソフトクリーム買ってもらったので、このカップは僕に買わせてください」
暁にお金を使わせるつもりなどさらさらなかったが、暁の気持ちが嬉しい。
ここは無理に断るのも良くないか。
「じゃあ、頼むよ」
そういうと、暁が満面の笑みを浮かべた。
その表情に店内が少し騒つく。
くそっ。見られたか。
一人にさせると危ないな。
周りの様子には何も気づいていない暁とピッタリと寄り添いながら、レジに向かった。
「プレゼント用でお願いします」
可愛らしくそんなことを頼む暁にレジの店員がさっと頬を赤らめる。
「は、はい。ただいま」
慌てたように箱に入ったカップを包みながらも意識は暁に向かっているようだ。
会計を済ませて、包装してもらったカップを受け取るときに
「あ、あの……私、これから休憩に入るんです。もしよかったら、一緒にこのモールでランチでもどうですか? あの、お友達さんも一緒に。私も友達連れていくんで、ぜひ」
と私に顔もチラチラと見ながら誘ってきた。
客ではなく、まさか、店員が誘ってくるとはな。
「えっ、あの……」
こういうことに慣れていないのか、それとも今までこんなアプローチに気づいていなかったのか、暁がオタオタとしている。
「悪いけど、デート中だから邪魔しないでもらえるかな?」
「えっ……」
目を丸くして私を見つめる店員をその場に残し、暁の腰を抱いて店外に出た。
「ああーっ、びっくりしました。智さんが格好いいから誘われちゃいましたね」
「何言ってるんだ、あの子の目当ては暁だよ」
「えっ、そんなわけないですよ。だって、僕なんて……」
「暁、私の大切な恋人を貶すのはいくら暁でも許さないぞ」
「あ、ごめんなさい……」
「ふふっ。本当に暁が可愛すぎて困るよ」
「智さん……」
「――っ!!」
少し潤んだ瞳で見つめられるだけで滾ってくる。
安慶名先輩から話をもらってからずっと楽しみにしていたからだろうか。
「暁、もうしばらくここで過ごそうと思っていたんだが、ちょっと我慢できなくなってきた。暁を連れて行きたい場所があるんだが、行ってくれるか?」
「はい。もちろんです。僕、智さんの行きたいところに行きたいです!」
どこに連れて行かれるかもわからずにこんな可愛いことを言ってくれる。
ああ、もう本当に一人にはしておけないな。
私は暁の手を取って、足早に駐車場に向かった。
「智さんが来たかったところって、ここですか?」
「ああ。そうだ。暁、ここがどこかわかるか?」
「おっきな建物? 何かのお店ですか?」
「ふふっ。入って見たらわかるだろうな」
そう言ってメールに書かれていた駐車場に車を止め、車のトランクからバッグを取り出しすぐ隣にある階段を上った。
不思議そうについてくる暁の隣で、さっと扉の暗証番号錠を開け、腰を抱きながら中に入った。
「えっ……ここ、って……もしかして、ラブホ、ですか?」
入り口からキョロキョロと辺りを見回した暁は部屋の雰囲気に気づいたようだ。
「ああ。そうだ。今日はここに泊まろう」
「えっ? ここに、お泊まり?」
「ふふっ。お泊まりか、可愛いな」
驚く暁を抱きしめて何か言いたげな暁の唇を自分のそれで塞いだ。
「んんっ……んっ」
甘い甘い暁の唇。
キスをしながら、抱き上げそのまま部屋の奥に入った。
安慶名先輩から電話をもらった週末、私は隣県にドライブに行こうと暁を誘った。
日帰りだと思っているようだが、車のトランクには暁のためのお泊まりセットを準備してある。
「今日は楽しいところに連れて行ってやるから、楽しみにしていてくれ」
「はいっ!」
キラキラと目を輝かせながら、私の助手席で浮かれている暁が本当に可愛い。
トイレ休憩に立ち寄ったサービスエリアで食べてみたい! とはしゃぐ暁にソフトクリームを買って、近くの展望台からの景色を楽しみながら、甘いソフトクリームを舐める暁を愛でる。
ああ、最高の時間だ。
「今日は本当にいい天気ですね。僕、休みの日にこんな遠くまで来たのって、社会人になってから初めてかもしれないです」
「そうか、なら今日はゆっくりと楽しもう」
すぐにホテルに連れ込もうかと思っていたが、こんなに喜んでくれているのなら、しばらく外を楽しむのもいいだろう。
時間はたっぷりとあるのだから。
あのホテルの近くにかなり大きなショッピングモールがあると聞いていた。
あまりそういう場所には立ち寄ったことはないが、暁が楽しめるなら行ってみよう。
「智さん、あの雑貨屋さんに入ってみてもいいですか?」
「ああ。暁の好きなところに行こう」
嬉しそうに中に入っていく暁に視線が注がれるのを感じる。
やはり男女問わずに目を惹くんだよな。
変なのが声をかけてこないように暁から離れないようにしよう。
「わぁっ! 智さんっ、見てください! このカップ可愛いですね」
「ああ、これは使いやすそうだな。暁、お揃いで買おうか」
「えっ、いいんですか?」
「ああ。ちょうどこれくらいのサイズのマグカップが欲しいと思っていたところだ。私の家に置いて、一緒に使うとしよう」
そういうと暁は嬉しそうにマグカップを2個手に取った。
「じゃあ、買ってきますね」
「あっ、いいよ。私が買うから」
「さっきソフトクリーム買ってもらったので、このカップは僕に買わせてください」
暁にお金を使わせるつもりなどさらさらなかったが、暁の気持ちが嬉しい。
ここは無理に断るのも良くないか。
「じゃあ、頼むよ」
そういうと、暁が満面の笑みを浮かべた。
その表情に店内が少し騒つく。
くそっ。見られたか。
一人にさせると危ないな。
周りの様子には何も気づいていない暁とピッタリと寄り添いながら、レジに向かった。
「プレゼント用でお願いします」
可愛らしくそんなことを頼む暁にレジの店員がさっと頬を赤らめる。
「は、はい。ただいま」
慌てたように箱に入ったカップを包みながらも意識は暁に向かっているようだ。
会計を済ませて、包装してもらったカップを受け取るときに
「あ、あの……私、これから休憩に入るんです。もしよかったら、一緒にこのモールでランチでもどうですか? あの、お友達さんも一緒に。私も友達連れていくんで、ぜひ」
と私に顔もチラチラと見ながら誘ってきた。
客ではなく、まさか、店員が誘ってくるとはな。
「えっ、あの……」
こういうことに慣れていないのか、それとも今までこんなアプローチに気づいていなかったのか、暁がオタオタとしている。
「悪いけど、デート中だから邪魔しないでもらえるかな?」
「えっ……」
目を丸くして私を見つめる店員をその場に残し、暁の腰を抱いて店外に出た。
「ああーっ、びっくりしました。智さんが格好いいから誘われちゃいましたね」
「何言ってるんだ、あの子の目当ては暁だよ」
「えっ、そんなわけないですよ。だって、僕なんて……」
「暁、私の大切な恋人を貶すのはいくら暁でも許さないぞ」
「あ、ごめんなさい……」
「ふふっ。本当に暁が可愛すぎて困るよ」
「智さん……」
「――っ!!」
少し潤んだ瞳で見つめられるだけで滾ってくる。
安慶名先輩から話をもらってからずっと楽しみにしていたからだろうか。
「暁、もうしばらくここで過ごそうと思っていたんだが、ちょっと我慢できなくなってきた。暁を連れて行きたい場所があるんだが、行ってくれるか?」
「はい。もちろんです。僕、智さんの行きたいところに行きたいです!」
どこに連れて行かれるかもわからずにこんな可愛いことを言ってくれる。
ああ、もう本当に一人にはしておけないな。
私は暁の手を取って、足早に駐車場に向かった。
「智さんが来たかったところって、ここですか?」
「ああ。そうだ。暁、ここがどこかわかるか?」
「おっきな建物? 何かのお店ですか?」
「ふふっ。入って見たらわかるだろうな」
そう言ってメールに書かれていた駐車場に車を止め、車のトランクからバッグを取り出しすぐ隣にある階段を上った。
不思議そうについてくる暁の隣で、さっと扉の暗証番号錠を開け、腰を抱きながら中に入った。
「えっ……ここ、って……もしかして、ラブホ、ですか?」
入り口からキョロキョロと辺りを見回した暁は部屋の雰囲気に気づいたようだ。
「ああ。そうだ。今日はここに泊まろう」
「えっ? ここに、お泊まり?」
「ふふっ。お泊まりか、可愛いな」
驚く暁を抱きしめて何か言いたげな暁の唇を自分のそれで塞いだ。
「んんっ……んっ」
甘い甘い暁の唇。
キスをしながら、抱き上げそのまま部屋の奥に入った。
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