歩けなくなったお荷物な僕がセレブなイケメン社長に甘々なお世話されています

波木真帆

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征哉さんがいないと

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<side一花>

征哉さんのお友達という人が部屋に挨拶に来てくれて、二人の会話を聞いているといつもとは違う征哉さんを見られた気がした。

志摩さんや未知子お母さん、それに僕とも違う気軽な話し方をする征哉さんの姿に思わず笑みが溢れた。

「貴船も人間的になったんだな。安心したよ」

その言葉の意味がよくわからなかったけれど、志摩さんは大きく頷いているから理解しているらしい。

「一花くん、貴船のことをこれからも頼むよ。貴船は君がいないと生きていけないみたいだよ」

「ちょ――っ、天沢っ!」

慌てて征哉さんが天沢さんを止めようとするけれど、僕は征哉さんの大切なお友達からそう言われたのが嬉しかった。
だから、ついつい本当の気持ちが溢れた。

「僕も、征哉さんがいないと生きていけないです。おんなじです」

「一花っ。ああ、そう言ってくれるなんて! 嬉しいよ!!」

そう言いながら隣に座っていた僕をさっと抱き上げて、膝の上に座らせる。
ギュッと抱きしめられている間もずっとみんなの視線を感じて恥ずかしくなってしまった。

「あ、あの……征哉さんっ、皆さんが……」

「ああ、いいよ、気にしないでいいから。ねぇ、志摩くん」

「はい。会長のこんな姿が見られて私も嬉しいんですよ」

みんなに笑顔で見つめられて、それ以上反論もできなかった。

その時、部屋の扉を叩く音がして、天沢さんが開けると僕たちをここまで案内してくれた店員さんがいた。

「ああ、千里。もってきてくれたのか?」

「はい。和泉いずみさんが腕によりをかけて作ってましたよ」

「そうか。後でお礼を言っておかないといけないな」

そういうと、天沢さんは店員さんから紙袋を受け取り、征哉さんに差し出した。

「貴船、これはお土産。うちの和菓子職人が特別に作ったものだよ。未知子さんと一緒に食べてくれ」

「いいのか?」

「ああ、こっちは志摩くんたちのお土産」

「私たちにまで……ありがとうございます」

「いや、こんな遠いところまで食べにきてくれて嬉しいよ。こちらこそありがとう」

「天沢、ありがとう。また一花を連れてくるよ」

「ああ、ぜひ。一花くんもまたきてね」

「ありがとうございます」

また来てなんて……そんなこと言ってもらえるのが僕はたまらなく嬉しかった。
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