歩けなくなったお荷物な僕がセレブなイケメン社長に甘々なお世話されています

波木真帆

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番外編

コアラの秘密

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<side一花>

「じゃあ、行ってくるよ」

「はい。行ってらっしゃい!」

尚孝さんと志摩さんがお休みの間は玄関までお見送りをしていたけれど、今日はお部屋でお見送り。
征哉さんに近づくと僕がキスしやすい高さに屈んでくれてありがたい。

僕が行ってらっしゃいのキスをしていると、隣でも尚孝さんが志摩さんに同じようにキスをしていた。
やっぱりこれが普通なんだな。

征哉さんと志摩さんが出かけて行ったのと入れ替わりに未知子ママが部屋に入ってきた。

「尚孝くん。新婚旅行は楽しかった?」

「はい。オーストラリア滞在中はずっと天気も良くて海もすごく綺麗でしたよ」

「あら、いいわね。あの写真、とっても素敵だったものね」

あの写真というのは、尚孝さんが送ってきてくれた結婚式の写真。
真っ白な教会の背景にとっても綺麗な海が見えてすごく素敵だった。

「あのドレスは尚孝くんが選んだの?」

「いえ、唯人さんが選んでくれました。だから僕は唯人さんのタキシードを選んだんです」

「そうなの! お互い選び合うなんて素敵だわ!!」

未知子ママも尚孝さんの結婚式に興味津々だ。
やっぱりあの写真を見ちゃうと気になっちゃうよね。

「未知子ママ、見てください! このコアラくん!」

「まぁ、可愛いわ! 尚孝くんからの贈り物ね」

「未知子さんにもお土産があるんですよ」

尚孝さんは嬉しそうにあの大きな袋から違うぬいぐるみを取り出した。

「これ……」

「カンガルーね! 可愛いわ!!」

「カンガルー?」

聞きなれない動物の名前が出てきた。

「カンガルーもオーストラリアにいる動物なんだよ。他にはいくつかの島にいるくらいの珍しい動物なんだ。だから一花くんが知らなくても当然だよ」

「そうなんですね。カンガルー、尻尾が大きくて可愛い」

「この子はちょっと秘密があって、ほらここを見て」

「ん? あ!」

茶色の身体のお腹のところだけ白くてそこに袋がある。

「気づいたね。実はカンガルーはここのお腹で自分の赤ちゃんを育てるんだ。だから……」

尚孝さんがその袋に手を入れると、中から小さくて可愛いカンガルーが出てきた。

「わぁー! 可愛い!!」

「ふふっ。実は一花くんのあのコアラにも秘密があるんだよ。それを教える前に唯人さんたちのお見送りしていたから忘れてた。ごめんね」

「わぁ! そうなんですね! コアラくんを見てみます!!」

尚孝さんの言葉に急いでコアラくんに目を向けると確かにお腹に同じように袋がある。
ドキドキしながらそのお腹に指を入れると、モフッとした何かに当たった。
それを優しく掴んで上にあげるとちっちゃくて可愛いコアラちゃんが出てきた。

「わぁー!!! 可愛い!!」

前に直くんからもらった手のひらサイズのペンギンくんくらいの大きさですっごく可愛い。

「あらあら、コアラちゃんも可愛いわ。ふふっ、一花くんのお部屋。すっかり動物園みたいね」

征哉さんにもらったおっきなゾウさんと水族館のラッコくん。それとちっちゃなペンギンさんだけでもかなり賑わっている。今はパパとママの家にいる征哉さんにそっくりなライオンさんと僕にそっくりな羊くんを入れたら確かに動物園みたいだ。

たくさんのぬいぐるみたちに囲まれていると征哉さんがいない時間もすっごく楽しいんだ。

「尚孝くんがいない間、絢斗くんと直くん、それに史紀くんが来てくれて編み物会をしたのよ」

「あ! その話も聞きたかったです。一花くん、楽しかった?」

「うん! 未知子ママと史紀さんがとっても上手だからみんな編み物ができるようになったんだよ」

「ええー、それはすごいな。僕はまだ編みかけで完成までもう少しかかるかな」

僕が未知子ママから教えてもらってパパと征哉さんにマフラーを編んだことを伝えたら自分も編んで見たいと言ってくれた尚孝さん。
薄緋色の毛糸で編み始めた志摩さんへのマフラーはもう少しのところで止まっている。
家に持って帰ると志摩さんに見つかってしまうから、ここで休憩時間にちょこちょこと編んでいたんだけど結婚式の前は僕が歩く練習を手伝ってもらっていたから、マフラーを編む時間がなかったんだよね。

「大丈夫よ。もうほとんど終わりかけだもの。今日がんばったら完成するわ」

「本当ですか! それなら僕、頑張ります!!」

志摩さんのために頑張る尚孝さんがとっても素敵だなと思った。
夕方、尚孝さんを迎えに来た志摩さんはきっと大喜びするだろうな。ふふ、楽しみ。
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