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友人との集まり
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<side寛海>
「んー! 美味しい! ここの料理、最高ね」
「ええ。本当に。この蟹真薯とっても美味しいわ」
「この甘鯛かぶら蒸しも絶品なのよ」
「こういう手の込んだものは家じゃ作れないものねー」
茜音とお義母さんはここの料理をいたく気に入ってくれたようで、何度か来たことのある母は満足そうに勧めていた。
本来なら懐石料理を出す店なので、一品ずつコースで運ばれてくるが、出入りする人間が多いと子どもたちが落ち着かないだろうということで店に頼んで全ての料理を一度に出してもらうことにした。
かなりの品数でテーブルの上はいっぱいになったが、ゆったりと寛ぎながら食事ができて茜音もホッとしているようだ。
茜音とお義母さん、そして母はまるで女子会のような盛り上がりで、私と父、そしてお義父さんはその様子を隣のテーブルから眺めていた。
その間、ちょうど中央に寝転がっている寛人と空良はすっかり二人の世界に浸っているようで穏やかな時が流れていた。
「想像していた以上に、寛人は空良くんに執着しているようだな」
さっき、一緒に授乳にまでついて行ったことを言っているんだろう。
「ああ。でもずっと空良を見ていてくれるから茜音も安心して日中過ごせると言っていたよ。寛人一人だった時よりずっと手間がかからないと言っていた。散歩に行く時も寛人がずっと空良をあやしてくれるから楽そうだよ」
「それは二人を見ていたらよくわかるよ。相性がいいんだろうな」
「もちろんそれはあると思う。でも、それ以上に二人は……なんというか、魂で惹かれあってる気がするよ」
「ほお。なんでそう思う?」
「二人でいることが自然というか、空良は寛人といて安心しきっているところもあるし。寛人も空良がくる前と今では成長の速度が違うんだ。空良を守るために早く大きくなろうというのが感じられる。お互いがお互いを必要としているんだよ」
私の言葉に父もお義父さんも大きく頷いたのは、サークルの中で寛人が小さな空良を愛おしそうに抱きしめているのが見えたからだろう。
「これから寛人は人間的にもかなり大きく成長するだろう。こんなにも小さいうちから特別な存在に出会えたことで寛人の潜在能力は大きく開花するだろうな」
しみじみと話す父は笑顔で二人の可愛い孫を見つめていた。
それからあっという間に二ヶ月が過ぎた。
生まれたてで我が家にやってきた空良は、茜音の母乳と栄養たっぷりのミルクでスクスクと成長した。
身長は五十八センチ、体重は五キロを少し越えたくらいで男児の成長曲線で言えばギリギリその範囲に入るくらいだが、これはあくまでも目安。その子の個性もあるから特別気にすることはない。
そもそも、体調を崩すこともなく元気に大きくなっているのだからなんの問題もない。
もうすぐ九ヶ月になる寛人は、と言えば身長は七十八センチ。体重は十キロを優に超え、空良と一緒に連れていると年子に思われることも多くなった。
つかまり立ちも余裕でできるようになってきているから歩くのもかなり早くなりそうだ。
これも空良がそばにいるからこその影響だろう。自分が守るんだという意識が強いからな。
<今月はどこにする?>
久嗣からそんなメッセージが届いた。
すると続け様に秋芳からもメッセージが届いた。
<今回は少し広めの個室がある店を私が予約するよ>
いつも店選びは久嗣の役割のようになっていたから珍しいなと思いつつ秋芳に任せることにした。
<友人家族も一緒に連れて行くから。詳細は当日にお楽しみに>
そんな言葉で締めくくられて、私はもちろん、久嗣も驚いたことだろう。
だが秋芳が連れてくるなら問題はない。
それくらい信頼している。
しばらくして店のURLが届き、あっという間にその日を迎えた。
「私たちが一番だったようだな」
秋芳が予約してくれた店は、室内にベビーサークルと授乳スペース、そしてオムツ交換ができる部屋がついていてありがたい。以前空良のお宮参り後に行った店と同じく、子ども連れだとこういう店が楽でいい。
「私、先に授乳しておくわ」
いつものように寛人を連れて授乳ルームに入って行った茜音を見送り、一人でのんびりと過ごしていると久嗣たち家族がやってきた。
「理央くんと凌也くんも大きくなったな。一ヶ月でかなりの成長だ」
仕事柄つい子どもを見ると観察してしまう。
ちょうどいいタイミングで茜音が授乳を終えて出てくると、麗花さんたちの姿を見て喜んでいる。
「あら、空良くん。大きくなったわね」
「理央くんもぷくぷくほっぺが可愛いわぁ」
子どもたちをベビーサークルに移動させながら、私と久嗣はそれぞれ寛人と凌也くんに注意しておいた。
「いいか、空良と理央くんを怪我させるんじゃないぞ」
「空良くんは小さいから大切にするんだぞ」
私たちの真剣な注意にも二人は素直に頷いた。
そうして四人でサークルの中で遊び始めたのを見てホッとした。
「お連れさまがお見えになりました」
スタッフの声が聞こえて襖がゆっくりと開く。
そこには秋芳家族と、見覚えのある男性とその家族が立っていた。
「んー! 美味しい! ここの料理、最高ね」
「ええ。本当に。この蟹真薯とっても美味しいわ」
「この甘鯛かぶら蒸しも絶品なのよ」
「こういう手の込んだものは家じゃ作れないものねー」
茜音とお義母さんはここの料理をいたく気に入ってくれたようで、何度か来たことのある母は満足そうに勧めていた。
本来なら懐石料理を出す店なので、一品ずつコースで運ばれてくるが、出入りする人間が多いと子どもたちが落ち着かないだろうということで店に頼んで全ての料理を一度に出してもらうことにした。
かなりの品数でテーブルの上はいっぱいになったが、ゆったりと寛ぎながら食事ができて茜音もホッとしているようだ。
茜音とお義母さん、そして母はまるで女子会のような盛り上がりで、私と父、そしてお義父さんはその様子を隣のテーブルから眺めていた。
その間、ちょうど中央に寝転がっている寛人と空良はすっかり二人の世界に浸っているようで穏やかな時が流れていた。
「想像していた以上に、寛人は空良くんに執着しているようだな」
さっき、一緒に授乳にまでついて行ったことを言っているんだろう。
「ああ。でもずっと空良を見ていてくれるから茜音も安心して日中過ごせると言っていたよ。寛人一人だった時よりずっと手間がかからないと言っていた。散歩に行く時も寛人がずっと空良をあやしてくれるから楽そうだよ」
「それは二人を見ていたらよくわかるよ。相性がいいんだろうな」
「もちろんそれはあると思う。でも、それ以上に二人は……なんというか、魂で惹かれあってる気がするよ」
「ほお。なんでそう思う?」
「二人でいることが自然というか、空良は寛人といて安心しきっているところもあるし。寛人も空良がくる前と今では成長の速度が違うんだ。空良を守るために早く大きくなろうというのが感じられる。お互いがお互いを必要としているんだよ」
私の言葉に父もお義父さんも大きく頷いたのは、サークルの中で寛人が小さな空良を愛おしそうに抱きしめているのが見えたからだろう。
「これから寛人は人間的にもかなり大きく成長するだろう。こんなにも小さいうちから特別な存在に出会えたことで寛人の潜在能力は大きく開花するだろうな」
しみじみと話す父は笑顔で二人の可愛い孫を見つめていた。
それからあっという間に二ヶ月が過ぎた。
生まれたてで我が家にやってきた空良は、茜音の母乳と栄養たっぷりのミルクでスクスクと成長した。
身長は五十八センチ、体重は五キロを少し越えたくらいで男児の成長曲線で言えばギリギリその範囲に入るくらいだが、これはあくまでも目安。その子の個性もあるから特別気にすることはない。
そもそも、体調を崩すこともなく元気に大きくなっているのだからなんの問題もない。
もうすぐ九ヶ月になる寛人は、と言えば身長は七十八センチ。体重は十キロを優に超え、空良と一緒に連れていると年子に思われることも多くなった。
つかまり立ちも余裕でできるようになってきているから歩くのもかなり早くなりそうだ。
これも空良がそばにいるからこその影響だろう。自分が守るんだという意識が強いからな。
<今月はどこにする?>
久嗣からそんなメッセージが届いた。
すると続け様に秋芳からもメッセージが届いた。
<今回は少し広めの個室がある店を私が予約するよ>
いつも店選びは久嗣の役割のようになっていたから珍しいなと思いつつ秋芳に任せることにした。
<友人家族も一緒に連れて行くから。詳細は当日にお楽しみに>
そんな言葉で締めくくられて、私はもちろん、久嗣も驚いたことだろう。
だが秋芳が連れてくるなら問題はない。
それくらい信頼している。
しばらくして店のURLが届き、あっという間にその日を迎えた。
「私たちが一番だったようだな」
秋芳が予約してくれた店は、室内にベビーサークルと授乳スペース、そしてオムツ交換ができる部屋がついていてありがたい。以前空良のお宮参り後に行った店と同じく、子ども連れだとこういう店が楽でいい。
「私、先に授乳しておくわ」
いつものように寛人を連れて授乳ルームに入って行った茜音を見送り、一人でのんびりと過ごしていると久嗣たち家族がやってきた。
「理央くんと凌也くんも大きくなったな。一ヶ月でかなりの成長だ」
仕事柄つい子どもを見ると観察してしまう。
ちょうどいいタイミングで茜音が授乳を終えて出てくると、麗花さんたちの姿を見て喜んでいる。
「あら、空良くん。大きくなったわね」
「理央くんもぷくぷくほっぺが可愛いわぁ」
子どもたちをベビーサークルに移動させながら、私と久嗣はそれぞれ寛人と凌也くんに注意しておいた。
「いいか、空良と理央くんを怪我させるんじゃないぞ」
「空良くんは小さいから大切にするんだぞ」
私たちの真剣な注意にも二人は素直に頷いた。
そうして四人でサークルの中で遊び始めたのを見てホッとした。
「お連れさまがお見えになりました」
スタッフの声が聞こえて襖がゆっくりと開く。
そこには秋芳家族と、見覚えのある男性とその家族が立っていた。
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四葩さま。コメントありがとうございます!
ふふ🤭ちっちゃくても寛人は寛人なのでやっぱり空良に対する執着がすごいですよね。
まぁそれは凌也も同じでしょうが(笑)
ようやく可愛い相手をお披露目できる秋芳&清佳。もう今日の集まりのが楽しみで仕方なかったでしょうね。
ここでは佳都パパと茉里ちゃんも同席
(あれ?そういえば佳都パパ、名前つけてたっけ?どうだったかな〜)
旦那はどれだけ小さくてもニャンコたちを怪我させることはないですね。
でもとりあえず注意。もうすでに逞しい身体してるんであたっちゃうなんてこともありそうですからね。
>にゃんこ3人が寄っておしゃべり、旦那全員が守るように優しくバックハグ♡
これ、めっちゃ可愛いじゃないですか♡これいいですね。
いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
部屋にベビルームがあるのはありがたいですよね。
他人とかち合ったりしないで済みますし。
いつでもオムツを変えたり授乳ができるスペースがあると助かりますね。
佳都を預かったら絶対に集まりは欠席しないですね。
可愛い佳都とラブラブな直己を見せちゃいます。
一ヶ月にも満たない空良にマーキング始めるんでもう受け入れるしかないですよね。
観月家のところのをみていたから余計に受け入れるしかないと思ったのかも。
離乳食を食べさせたくてぬいぐるみ相手に練習する寛人(笑)
想像するとウケますね😆
Madame gray-01さま。コメントありがとうございます!
まだ一ヶ月の空良にマーキング(笑)
本能は幾つでも変わらないですよねwww