イケメンスパダリ弁護士に助け出されて運命が変わりました

波木真帆

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番外編

友人たちへの相談  <前編>

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理央との温泉旅行から帰って数日後、綾城と悠木に相談があると持ちかけて、午後からの仕事の前に綾城の会社に向かった。

「観月っ!」

会社の前で声をかけられ振り向くと、悠木がこっちに向かって駆けてきていた。

「ちょうどいいタイミングだったみたいだな」

「ああ、今日は突然悪かったな。理央はどうしてる?」

「大丈夫、空良と勉強しているよ。もうすぐ本番だからな、二人とも気合い入れてたぞ。看護師たちが頑張れってお菓子をたくさん置いていくから喜んでたよ」

「そうか……なら、よかった」

悠木たちと話す時間を作りたくて朝から悠木の病院に理央を預けておいたが、やはり空良くんがいてくれて助かる。

「それよりも大事な相談ってなんなんだ? 結婚式の話か?」

「いや、そっちは大丈夫なんだが……まぁ、綾城と一緒に話すよ」

ここで話しても二度手間になるし、と思って俺は悠木と綾城の会社に入った。

すでに綾城が受付には話を通していると言っていたから、いつものように受付に声をかけてそのまま社長室へ向かおうとすると、

「きゃーっ、あの……綾城社長のお知り合いですか?」

と巻き髪の背の低い女が俺たちに近づいてきた。

「何か御用ですか?」

「あの、私……前野まえの瑠璃るりといいます。ここの社長さんとはすごーく懇意にさせていただいてるんですよ」

「……」

「あの、その胸のバッジって弁護士バッジですよね? ってことは弁護士さん? きゃー、さすが綾城社長のお知り合いだわ! あの、こっちも3人揃えるんで合コンしませんか? 本当、可愛い子用意するんで是非!」

その女の言葉に俺と悠木は顔を見合わせてため息を吐いた。

「綾城がこんなバカ女のいる会社と取引してるなら止めさせた方がいいな」

「そうだな。ここの会社の品格に関わるからな」

「な――っ! どういう意味ですか、それっ!」

俺たちの言葉に怒りの形相を見せる女に悠木が睨みを利かせて言い放つ。

「君、ここがどこだと思ってるんだ? 会社の受付だよ。そんなところで新婚の社長と合コンしましょうって誘ってくるってバカ女て言われても仕方ないだろ?」

「えっ? 社長が……結婚? うそっ」

「あれ? 知らなかった? 綾城は懇意にしている会社には知らせたって言ってたけどね。君のところにはそれが来てないってことは……相手にされてない会社ってことなんじゃないのか?」

「ふっ。悠木、はっきり言ってやるなよ。大体、こんな女のいる会社を綾城が相手にしてるわけないんだからさ」

「そうだな。じゃ、俺たち急ぐから失礼するよ」

そう言って立ち去ろうとすると、

「ちょ、ちょっと待ちなさいよっ!!!」

とまだ自分の立場をわかっていないらしい女の騒音にしかならない大声が響き渡る。

「まだ何か?」

「人のこと、バカ女呼ばわりして! 名誉毀損で訴えてやるんだから!」

「どうぞご自由に。君の小さな脳みそじゃ忘れてるかもしれないけど、こいつ弁護士だから。しかも、弁護士になって以来、負けなしだよ。相当強い弁護士連れてこないと負け確定だから。頑張って」

「く――っ!」

「悠木、行くぞ。こんなのに時間使ってられない」

「ああ」

立ち去ろうとした俺たちに向かって、女は

「ふざけないでよっ!!!」

とさらに大きな声をあげてくる。

はぁーーっ。
しつこさもここまでくると異常だな。

さて、どうしてやろうかと思っていると、

「ロビーで騒いでるのがいるって聞いてきたんだが、お前たちだったのか?」

と綾城が声をかけながら近づいてきた。

女は綾城の姿を見て味方が現れたと思ったのか、涙を流しながら綾城の元へと駆け寄っていく。

「あやしろしゃちょぉ~!!! きいてください~っ! あのひとたち、ひどいんですっ!! うっ……っ、よってたかって、わたしのこと……ぐすっ」

泣きながら綾城の腕に縋りつこうとした瞬間、さっと手を避け

「失礼だが、君はどこの誰だ?」

と冷ややかな声が響く。

綾城の後ろにいる秘書の小鳥遊たかなしくんが綾城の耳元で何やら囁くと思い出したかのように笑った。

「ああ、あの酷い商品を売りつけにきたあの会社か……。悪いが、その件は断ったはずだ。断るというよりは話にもならないな。ここにまでこられても一切話を聞くつもりはない。帰ってくれ」

「そ、んな……っ、私……社長だけが救いなんですっ!」

これだけ言われても、まだ縋りつこうとするんだから驚きだ。

「しつこくすると警察を呼ぶぞ」

その言葉にさすがに怖くなったのか、女は急いでロビーから駆け出して行った。

「あれ、ほっといていいのか?」

「ああ、大丈夫だ。すぐに対処させる」

綾城は小鳥遊くんに視線を向けると、彼はすぐにどこかに電話をかけ始めた。

「遅いから迎えにきたんだがタイミングが悪かったな」

「ああ、本当面倒で仕方がない」

「俺たちが揃ったら本当に変なのが寄ってきて困るよ」

「それよりもお前の相談だろ?」

「ああ、そうだ。早く部屋に案内してくれ」

余計な女の出現に遅くなったが俺たちはようやく綾城の社長室に着いた。
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