真っ白ウサギの公爵令息はイケメン狼王子の溺愛する許嫁です

波木真帆

文字の大きさ
174 / 296
第三章

楽しい勉強

しおりを挟む
<sideヴェルナー>

ティオがアズールさま専属護衛になることは想定していた通りだった。
なんせ、あの独占欲の強い狼族のクレイさまが、同じ狼族である陛下のすぐそばに大切なティオを置いておくわけがない。
それは副団長として、そして、専属護衛としてルーディー王子のアズールさまに対する行動をすぐ近くで見ていたからこそわかったことだ。

最初に専属護衛に任命したマクシミリアンの職を解き、代わって私にアズールさまの護衛に任命したのも独占欲が故の行動だ。

まぁ、マクシミリアンの実力を考えれば、王子の下で副団長としての手腕を発揮する方が合っているのだから、あの時の王子の判断は正しかったと言える。

今回ティオがアズールさまの護衛に就任するに伴って、もしかしたら私はお役を解かれるのかと思っていたけれど、これからは二人でアズールさまをお守りすることになったようだ。

正直にいうと、13歳に近い年で入団し、騎士団としての仕事はもう十分過ぎるほどやってきたと自負している私にとって、アズールさまの護衛という仕事は天職だと思っている。

可愛らしい容姿はもちろんのこと、天真爛漫が故に危なっかしいところも、裏表のなく決して人を蔑んだりすることがない優しくて素直な性格も、何もかも人として愛すべき存在のアズールさまのおそばにいられることは幸せしかない。

それをこれからティオと分かち合っていけるのかと思うと、楽しみでしかない。

アズールさまも私同様にティオが護衛になったことを喜んでくださっているようだが、アズールさまはティオとのおしゃべりが一番の楽しみのようだ。

かくいう私もティオの初夜話を楽しみにしている。
アズールさまのお話は何度も聞かせていただいているが、なんせ、王子も、そしてアズールさまも規格外なものだから、あまり参考にならないと言ったら申し訳ないが、その通りなのだ。

私とマクシミリアンも体格差はある方だが、王子とアズールさまとは比べ物にもならない。
しかも王子は獣人で、あの・・大きさも規格外。
それを一晩に何度も受け入れられて、たっぷりと蜜を注がれてもまた翌日にはたっぷりと愛し合えるアズールさまもまた規格外なのだ。

マクシミリアンは私を運命の相手だと言ったが、王子とアズールさまは神により与えられた運命の番。
たっぷりと蜜を注がれて子ができる身体に変化したアズールさまは王子の唯一無二のお人だというわけだ。

そんな特別な関係にある王子とアズールさまの閨の話を伺ってもすごいと思うことばかりで、自分の参考にできるかというとそうではない。

だが、ティオは私と同じ。
狼族同様、熊族も大きなモノを持ち、受け入れる大変さはほぼ同じだろう。
そんなティオがクレイさまとどのような初夜を過ごしたかはやはり気になる。

今までそんなことを聞ける相手もいなかったし、聞こうとも思わなかったが、これもアズールさまの影響だろう。
お互いに話を聞いて、いいところは真似をするのも勉強になるのではないかと思えるようになったのだ。

アズールさまを抱きかかえ、ティオと一緒にアズールさまの部屋に戻る。

「紅茶をお淹れしましょう。私のことはお気になさらず、会話をお楽しみください」

後ろからついてきてくれていたフィデリオさまが紅茶とお菓子を手早く用意してくれる。

「爺、ありがとう」

「いいえ、滅相もございません。私は隅の方で控えてございますので、ごゆっくりお寛ぎください」

フィデリオさまが隅にある椅子に座られたところで、アズールさまが口を開く。

「ねぇねぇ、それでお兄さまはどうやってティオのお腹の奥をゴリゴリしたの? 抱っこされたの? それとも背中から抱きしめられたの?」

無邪気な声で目をキラキラさせながらアズールさまから発せられる生々しい言葉にティオは顔を真っ赤にしていたけれど、意を決した様子で話し始めた。

「あの、その……お腹の奥を、ゴリゴリ擦られたのは、お風呂場、だったんです……」

「「えっ? お風呂場?」」

私とアズールさまの声が重なる。

まさか初夜の一番最初の交わりをお風呂場で?
それはまたすごい。
もしかして、それくらい我慢ができなかったということなのだろうか?

「陛下に挨拶をして、客間に入った途端にキスされて……その時に、声を聞かせて欲しいってクレイさまに言われたんです」

「声を? それは気持ちいいとかそういうこと?」

「はい。あとは……どうして欲しいかとか、希望も言って欲しいってそう言われて、初めてのキスがすごく気持ちよかったからもっとキスしたいって、おねだりしたんです。そうしたら、もっともっと激しいキスがきて、ぐったりしている間に裸になってて……それで急に恥ずかしくなってきて、尻尾で自分の身体を隠したんです」

「ええー、いいなぁ。ティオの尻尾、ヴェルもだけど、身体に巻き付けたらもふもふして気持ちよさそう。僕は尻尾ちっちゃいからなぁ……」

羨ましそうに私とティオの尻尾に視線を送るアズールさま。
確かにちっちゃいけれど、ウサギ族の尻尾はマクシミリオンたち熊族と同じで、きっと私たちよりずっとずっと敏感なはず。
だって、マクシミリアンの尻尾に触れると一気に聳り立ってすごいことになるのだから。

アズールさまもきっと王子が尻尾に触れると淫らになるのだろうか……。
目の前にいる無邪気なアズールさまからは想像つかないな。
しおりを挟む
感想 570

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

悪役令息(Ω)に転生したので、破滅を避けてスローライフを目指します。だけどなぜか最強騎士団長(α)の運命の番に認定され、溺愛ルートに突入!

水凪しおん
BL
貧乏男爵家の三男リヒトには秘密があった。 それは、自分が乙女ゲームの「悪役令息」であり、現代日本から転生してきたという記憶だ。 家は没落寸前、自身の立場は断罪エンドへまっしぐら。 そんな破滅フラグを回避するため、前世の知識を活かして領地改革に奮闘するリヒトだったが、彼が生まれ持った「Ω」という性は、否応なく運命の渦へと彼を巻き込んでいく。 ある夜会で出会ったのは、氷のように冷徹で、王国最強と謳われる騎士団長のカイ。 誰もが恐れるαの彼に、なぜかリヒトは興味を持たれてしまう。 「関わってはいけない」――そう思えば思うほど、抗いがたいフェロモンと、カイの不器用な優しさがリヒトの心を揺さぶる。 これは、運命に翻弄される悪役令息が、最強騎士団長の激重な愛に包まれ、やがて国をも動かす存在へと成り上がっていく、甘くて刺激的な溺愛ラブストーリー。

「婚約を破棄する!」から始まる話は大抵名作だと聞いたので書いてみたら現実に婚約破棄されたんだが

ivy
BL
俺の名前はユビイ・ウォーク 王弟殿下の許嫁として城に住む伯爵家の次男だ。 余談だが趣味で小説を書いている。 そんな俺に友人のセインが「皇太子的な人があざとい美人を片手で抱き寄せながら主人公を指差してお前との婚約は解消だ!から始まる小説は大抵面白い」と言うものだから書き始めて見たらなんとそれが現実になって婚約破棄されたんだが? 全8話完結

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

冷徹団長の「ここにいろ」は、騎士団公認の“抱きしめ命令”です

星乃和花
恋愛
【全16話+後日談5話:日月水金20:00更新】 王都最硬派、規律と責任の塊――騎士団長ヴァルド・アークライトは、夜の見回り中に路地で“落とし物”を拾った。 ……いや、拾ったのは魔物の卵ではなく、道端で寝ていた少女だった。しかも目覚めた彼女は満面の笑みで「落とし物です!拾ってくださってありがとうございます!」と言い張り、団長の屋敷を“保護施設”だと勘違いして、掃除・料理・当番表作りに騎士の悩み相談まで勝手に開始。 追い出せば泣く、士気は落ちる、そして何より――ヴァルド自身の休息が、彼女の存在に依存し始めていく。 無表情のまま「危ないから、ここにいろ」と命令し続ける団長に、周囲はざわつく。「それ、溺愛ですよ」 騎士団内ではついに“団長語翻訳係”まで誕生し、命令が全部“愛の保護”に変換されていく甘々溺愛コメディ!

獣人将軍のヒモ

kouta
BL
巻き込まれて異世界移転した高校生が異世界でお金持ちの獣人に飼われて幸せになるお話 ※ムーンライトノベルにも投稿しています

処理中です...