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第三章
初仕事と名前の意味
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<sideルーディー>
「えっ? もう、ミルクが出たのですか?」
私の言葉にアントンが目を丸くしているが、それに丁寧に対処している場合じゃない。
「そうだ。だから、早く赤子たちにアズールのミルクを与えなければ! 早く準備をしてくれ!」
そういうと、アントンは急いで子どもたちをおくるみに包み、私に抱かせてくれた。
「私もお供してもよろしゅうございますか?」
「ダメに決まっているだろう! アズールが胸を出すのだぞ!」
「なら、ルーディー。私が一緒についていくわ。私ならいいでしょう? アズールも出産したばかりでミルクの飲ませ方もわからないだろうし、最初だけでもアズールに教えさせてもらえないかしら?」
アントンには絶対に見せることはできないが、義母上にそこまで言われては、嫌とも言えない。
何より、アズールと子どもたちのためなのだ。
ここは父として了承する他はない。
「わかりました。それでは義母上も一緒についてきてください」
私の言葉に安堵した様子で義母上がついてくる。
そういえば、出産してからアズールとの初対面か。
それなら一緒でよかったかもしれんな。
「アズール、子どもたちと義母上が来てくれたぞ」
「アズール。お疲れ様だったわね。可愛い赤ちゃんたちをありがとう」
「――っ、お、母さまぁ……っ」
「可愛い赤ちゃんたちを見て、アズールが生まれた日のことを思い出したわ。生まれてきてくれてありがとうって心から思ったの」
「うん、知ってる。お母さまが、すっごく優しかった……僕も、赤ちゃんたちが生まれてきてくれてすごく嬉しかった」
「ふふっ。同じ気持ちを味わえたわね」
「お母さま……っ」
「まだ身体が辛いだろうけど、今からアズールに大事な役目があるからね」
義母上の言葉にアズールがハッとした表情を見せる。
「ミルクあげるんだよね?」
「ええ、そうよ。ルーディーのおかげで回復が早いみたいでよかったわ。アズールの一番最初のミルクは赤ちゃんたちがこれから先元気で過ごせるようになるお薬のようなものだからね。赤ちゃんが自分から口を離すまでたっぷり飲ませてあげるのよ。ルーディー、赤ちゃんをアズールのところに連れてきて」
義母上に言われた通りにアズールの元に赤子たちを連れて行く。
「アズールはまだ動いてはいけないから、ルーディーが赤ちゃんたちを支えてミルクを飲ませてあげるの。双子だから、片方ずつね」
そういうと、義母上はアズールの手術着の前を捲って、胸を露わにする。
じわっと溢れ出ているミルクからは甘い匂いがしているが、赤子たちもその匂いに気づいたように鼻をヒクヒクさせているのがわかる。
私は横たわっているアズールのお腹を跨ぐように膝立ちになり、片手で赤子を一人ずつ抱きながらアズールの胸に近づけてやると、子どもたちはその匂いに誘われるようにパクリと咥えた。
「んく、んくっ」
一心不乱に飲んでいるのが私からもアズールからも見える。
「ふふっ。上手だわ。これなら満足するまでたっぷり飲んでくれそうね」
「最初からこんなに上手なものなの?」
「ふふっ。そうでもないわ。アズールはとっても上手だったけど、クレイは苦手だったみたいで、満足に飲めてないのに口から離しちゃって、飲めないって泣いててね。それはそれで可愛かったわ」
「ふふっ。そうなんだ。お兄さま、可愛いね」
そんな昔の思い出であっても、アズールが可愛いというのは面白くないが、父となった私はこんなことで目くじらを立てたりはしない。
「アズール、身体は辛くないか?」
「大丈夫だよ。今もルーが赤ちゃんを支えてくれているからすごく楽だし」
「そうか、それならよかった」
それからしばらく三人で赤子たちがミルクを飲む姿をじっくりと眺めていると、真っ白耳の女の子の方から
「くぷっ」
と可愛らしい声をあげ口を離した。
そして、続くように黒耳の男の子の方も口を離し、ようやく満足したようだ。
「このまま寝るだろうから、あっちの赤ちゃん用のベッドに寝かせましょう」
義母上にそう言われて、赤子たちを寝かせると全く起きる様子もなくぐっすりと眠っているのが見える。
「ふふっ。これでしばらくは起きないわ。ルーディーはアズールにこのままついてあげて。しばらくしたら部屋に戻ると思うけれど、それまではここで休んでいるといいわ。ヴィルやクレイたちへの報告は私がしておくから心配しないで」
やはり義母上に一緒にいてもらったのは正解だったな。
報告等は義母上に任せて、私はアズールと共にベッドに横たわった。
「出産してすぐにミルクも飲ませて大変だっただろう? アズール、よく頑張ったな」
「うん。でも赤ちゃんたちが美味しそうに飲んでくれたからよかったよ。ねぇ、そういえば赤ちゃんたちの名前何にする?」
「そうだな。アズールは何かつけたい名前があるか?」
「うーん、どんな感じの名前がいいとか決まってるの?」
「いや、特に決まりはないよ」
「そうなんだ。そう言えば、アズールってどう言う意味なんだろう?」
「アズールは、青色。特に澄み切った青空のことを言うんだ。確か、アズールが生まれた日はとても天気が良くて綺麗な空だったからな。それからつけられたのかもしれないな」
そう言うと、アズールは目を丸くしてそのまま涙を浮かべた。
「えっ? もう、ミルクが出たのですか?」
私の言葉にアントンが目を丸くしているが、それに丁寧に対処している場合じゃない。
「そうだ。だから、早く赤子たちにアズールのミルクを与えなければ! 早く準備をしてくれ!」
そういうと、アントンは急いで子どもたちをおくるみに包み、私に抱かせてくれた。
「私もお供してもよろしゅうございますか?」
「ダメに決まっているだろう! アズールが胸を出すのだぞ!」
「なら、ルーディー。私が一緒についていくわ。私ならいいでしょう? アズールも出産したばかりでミルクの飲ませ方もわからないだろうし、最初だけでもアズールに教えさせてもらえないかしら?」
アントンには絶対に見せることはできないが、義母上にそこまで言われては、嫌とも言えない。
何より、アズールと子どもたちのためなのだ。
ここは父として了承する他はない。
「わかりました。それでは義母上も一緒についてきてください」
私の言葉に安堵した様子で義母上がついてくる。
そういえば、出産してからアズールとの初対面か。
それなら一緒でよかったかもしれんな。
「アズール、子どもたちと義母上が来てくれたぞ」
「アズール。お疲れ様だったわね。可愛い赤ちゃんたちをありがとう」
「――っ、お、母さまぁ……っ」
「可愛い赤ちゃんたちを見て、アズールが生まれた日のことを思い出したわ。生まれてきてくれてありがとうって心から思ったの」
「うん、知ってる。お母さまが、すっごく優しかった……僕も、赤ちゃんたちが生まれてきてくれてすごく嬉しかった」
「ふふっ。同じ気持ちを味わえたわね」
「お母さま……っ」
「まだ身体が辛いだろうけど、今からアズールに大事な役目があるからね」
義母上の言葉にアズールがハッとした表情を見せる。
「ミルクあげるんだよね?」
「ええ、そうよ。ルーディーのおかげで回復が早いみたいでよかったわ。アズールの一番最初のミルクは赤ちゃんたちがこれから先元気で過ごせるようになるお薬のようなものだからね。赤ちゃんが自分から口を離すまでたっぷり飲ませてあげるのよ。ルーディー、赤ちゃんをアズールのところに連れてきて」
義母上に言われた通りにアズールの元に赤子たちを連れて行く。
「アズールはまだ動いてはいけないから、ルーディーが赤ちゃんたちを支えてミルクを飲ませてあげるの。双子だから、片方ずつね」
そういうと、義母上はアズールの手術着の前を捲って、胸を露わにする。
じわっと溢れ出ているミルクからは甘い匂いがしているが、赤子たちもその匂いに気づいたように鼻をヒクヒクさせているのがわかる。
私は横たわっているアズールのお腹を跨ぐように膝立ちになり、片手で赤子を一人ずつ抱きながらアズールの胸に近づけてやると、子どもたちはその匂いに誘われるようにパクリと咥えた。
「んく、んくっ」
一心不乱に飲んでいるのが私からもアズールからも見える。
「ふふっ。上手だわ。これなら満足するまでたっぷり飲んでくれそうね」
「最初からこんなに上手なものなの?」
「ふふっ。そうでもないわ。アズールはとっても上手だったけど、クレイは苦手だったみたいで、満足に飲めてないのに口から離しちゃって、飲めないって泣いててね。それはそれで可愛かったわ」
「ふふっ。そうなんだ。お兄さま、可愛いね」
そんな昔の思い出であっても、アズールが可愛いというのは面白くないが、父となった私はこんなことで目くじらを立てたりはしない。
「アズール、身体は辛くないか?」
「大丈夫だよ。今もルーが赤ちゃんを支えてくれているからすごく楽だし」
「そうか、それならよかった」
それからしばらく三人で赤子たちがミルクを飲む姿をじっくりと眺めていると、真っ白耳の女の子の方から
「くぷっ」
と可愛らしい声をあげ口を離した。
そして、続くように黒耳の男の子の方も口を離し、ようやく満足したようだ。
「このまま寝るだろうから、あっちの赤ちゃん用のベッドに寝かせましょう」
義母上にそう言われて、赤子たちを寝かせると全く起きる様子もなくぐっすりと眠っているのが見える。
「ふふっ。これでしばらくは起きないわ。ルーディーはアズールにこのままついてあげて。しばらくしたら部屋に戻ると思うけれど、それまではここで休んでいるといいわ。ヴィルやクレイたちへの報告は私がしておくから心配しないで」
やはり義母上に一緒にいてもらったのは正解だったな。
報告等は義母上に任せて、私はアズールと共にベッドに横たわった。
「出産してすぐにミルクも飲ませて大変だっただろう? アズール、よく頑張ったな」
「うん。でも赤ちゃんたちが美味しそうに飲んでくれたからよかったよ。ねぇ、そういえば赤ちゃんたちの名前何にする?」
「そうだな。アズールは何かつけたい名前があるか?」
「うーん、どんな感じの名前がいいとか決まってるの?」
「いや、特に決まりはないよ」
「そうなんだ。そう言えば、アズールってどう言う意味なんだろう?」
「アズールは、青色。特に澄み切った青空のことを言うんだ。確か、アズールが生まれた日はとても天気が良くて綺麗な空だったからな。それからつけられたのかもしれないな」
そう言うと、アズールは目を丸くしてそのまま涙を浮かべた。
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