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第三章
ロルフとルルの可愛さに落ちる
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さっきまで眠っていたロルフが父上に抱かれた途端に目を覚まし、声まであげてくれた。
父上の嬉しそうな顔を見ると、ロルフが空気を読んで起きてくれて本当に良かった。
流石、私にそっくりなだけある。
将来有望だな。
「あっ、だぁーっ」
「ロルフはさすが元気だな。おっとっと」
「父上、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。心配するな」
ロルフの動きについていけず落としてしまわないかと心配になるが、父上はなぜか余裕の様子を見せていた。
しかし、
「どうだ、フィデリオ。お前もロルフを抱いてみるか?」
と早々に爺に声をかけていたのは何も言わないでおこう。
「ルーディーさま、アズールさま。この私もロルフさまを抱っこさせていただいてよろしゅうございますか?」
「爺が抱っこしてくれたらロルフも喜ぶよ。ねぇ、ルー」
「ああ、爺に私たちの子を抱っこしてもらうとずっと前から約束していただろう?」
そういうと、爺は目に涙を浮かべながら、お礼を言い父上からロルフを受け取った。
私の世話役だけあって、抱っこの仕方が父上とは雲泥の差だ。
ロルフもあまりの居心地の良さにまた眠りそうになっている。
「ああ、ルーディーさまのお小さい頃を思い出します。本当に可愛らしい。ロルフさま、爺ですぞ」
「んー、むにゃ、むにゃ」
「ふふっ。ロルフ。気持ちよさそうに寝てるわ。さすがフィデリオさま」
義母上から褒められて爺も嬉しそうだ。
爺が片手で抱っこしながら、もう片方の手で顔を撫でようとすると眠っているロルフの手がさっと爺の指を掴む。
「おっ」
小さな手に掴まれて、驚きの声を上げようとしたがさすが爺。
小さな声だけでとどまっていた。
「なんと可愛らしい。この手は私からは、離せませんな」
困った様子で言いながらも表情はこの上なく嬉しそうだ。
ロルフもすっかり爺が気に入ったのかもしれないな。
「陛下。ルルを抱っこされませんか? ちょうど起きたみたいですよ」
「おお、良いのか?」
ロルフを爺に取られたように少し寂しそうにしていた父上を気遣ったのか、義母上が声をかけると満面の笑みを見せてルルの寝ているベッドに近づく。
「おおっ!! 本当に真っ白な耳をして……アズールにそっくりだな」
「ふふっ。さぁ、どうぞ」
「なんと、可愛らしい……っ」
「あぶっ、あー、ぶーっ」
「くっ――!!! あっ!!」
ルルが父上を見つめながら、嬉しそうな笑い声をあげると同時に父上がそのまま崩れ落ちそうになる。
私はすぐに父上の腕からルルを抱き上げ、父上の背中にそっと手を当てた。
「父上、大丈夫ですか?」
「ルーディー、悪い」
「ルルを抱っこしている時はどんなに可愛くても我慢してください」
「必死に耐えようとしたのだが、あまりの可愛さに我慢できなかったんだ。申し訳ない。ルルが無事で良かった」
「ふふっ。うちの人もルルを抱いて同じようになったんですよ。だから、ルーディーも警戒していたのでしょう? 素早い動きだったものね」
「ルルを守るためには必要なことですから」
そういうと、父上は深く頷いた。
「さすがルーディーだな」
「陛下、さすがではございませんよ。お子さまを抱きかかえられたまま、崩れ落ちるのは危のうございますぞ。お気をつけください」
「フィデリオ、そういうがルルの可愛さはとんでもないのだぞ! お前も抱いてみるがいい。ルーディー、フィデリオにルルを抱かせてあげてくれ」
そう言われて、私は片手で爺からロルフを受け取り、そしてもう片方に抱いていたルルを爺に抱かせた。
「――っ、なんと、愛らしいっ!!」
「だぁっ、だぁっ」
「くぅ――!!」
「爺、大丈夫か?」
苦しげな表情だが、なんとか耐えることができているようだ。
「だ、大丈夫で、ござります。ですが、本当に愛らしくて……」
「だろう? 私がああなってしまうのもわかるだろう?」
「は、はい。よくわかりました。アズールさまと初めてお会いしたのは1歳のお披露目の時でしたので、こんなにもお小さい頃を拝見するのは初めてでしたから、これからさらに可愛らしくなるのですから、護衛も早々にお選びした方が良いかもしれませんね」
「ふふっ。気が早いな。だが、そうだな。今からしっかりと吟味しておくのは良いかもしれないな」
ロルフとルルの可愛らしさをしっかりと堪能したところで、爺が思い出したように父上の耳元で何かを囁いていた。
「ああ、そうだったな。子どもたちがあまりにも可愛くてすっかり忘れていたぞ。ルーディー、アズール。これは私からの出産祝いだ」
父上の言葉と同時に爺が、アズールが座っているソファーの前にあるテーブルに大きな箱を置いた。
「これは何が入っているの?」
キラキラとした目で嬉しそうな声をあげるアズールに、
「上の箱がロルフとルルの揃いの服、それから、下の箱には出産を頑張ってくれたアズールとルーディーの衣装も入っておるぞ」
と教えてあげていた。
ロルフとルルの揃いの服はわかるが、アズールと私の服?
一体どのようなものだろう?
「ルー、アズールが開けたい!」
「ああ、じゃあ手伝おう。まずは子どもたちの箱から開けよう」
アズールのすぐそばに箱を持って行ってやり、箱を支えてやるとアズールは腕を伸ばして、箱の中から服を取り出した
* * *
いつも読んでいただきありがとうございます。
後ほど詳しく近況ボードでお知らせする予定ですが、こちらでも書かせていただきます。
明日31日から1月4日まで全ての更新をお休みさせていただきます。
次回は年明け5日から再開する予定です。
どうぞよろしくお願いいたします。
父上の嬉しそうな顔を見ると、ロルフが空気を読んで起きてくれて本当に良かった。
流石、私にそっくりなだけある。
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「あっ、だぁーっ」
「ロルフはさすが元気だな。おっとっと」
「父上、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だ。心配するな」
ロルフの動きについていけず落としてしまわないかと心配になるが、父上はなぜか余裕の様子を見せていた。
しかし、
「どうだ、フィデリオ。お前もロルフを抱いてみるか?」
と早々に爺に声をかけていたのは何も言わないでおこう。
「ルーディーさま、アズールさま。この私もロルフさまを抱っこさせていただいてよろしゅうございますか?」
「爺が抱っこしてくれたらロルフも喜ぶよ。ねぇ、ルー」
「ああ、爺に私たちの子を抱っこしてもらうとずっと前から約束していただろう?」
そういうと、爺は目に涙を浮かべながら、お礼を言い父上からロルフを受け取った。
私の世話役だけあって、抱っこの仕方が父上とは雲泥の差だ。
ロルフもあまりの居心地の良さにまた眠りそうになっている。
「ああ、ルーディーさまのお小さい頃を思い出します。本当に可愛らしい。ロルフさま、爺ですぞ」
「んー、むにゃ、むにゃ」
「ふふっ。ロルフ。気持ちよさそうに寝てるわ。さすがフィデリオさま」
義母上から褒められて爺も嬉しそうだ。
爺が片手で抱っこしながら、もう片方の手で顔を撫でようとすると眠っているロルフの手がさっと爺の指を掴む。
「おっ」
小さな手に掴まれて、驚きの声を上げようとしたがさすが爺。
小さな声だけでとどまっていた。
「なんと可愛らしい。この手は私からは、離せませんな」
困った様子で言いながらも表情はこの上なく嬉しそうだ。
ロルフもすっかり爺が気に入ったのかもしれないな。
「陛下。ルルを抱っこされませんか? ちょうど起きたみたいですよ」
「おお、良いのか?」
ロルフを爺に取られたように少し寂しそうにしていた父上を気遣ったのか、義母上が声をかけると満面の笑みを見せてルルの寝ているベッドに近づく。
「おおっ!! 本当に真っ白な耳をして……アズールにそっくりだな」
「ふふっ。さぁ、どうぞ」
「なんと、可愛らしい……っ」
「あぶっ、あー、ぶーっ」
「くっ――!!! あっ!!」
ルルが父上を見つめながら、嬉しそうな笑い声をあげると同時に父上がそのまま崩れ落ちそうになる。
私はすぐに父上の腕からルルを抱き上げ、父上の背中にそっと手を当てた。
「父上、大丈夫ですか?」
「ルーディー、悪い」
「ルルを抱っこしている時はどんなに可愛くても我慢してください」
「必死に耐えようとしたのだが、あまりの可愛さに我慢できなかったんだ。申し訳ない。ルルが無事で良かった」
「ふふっ。うちの人もルルを抱いて同じようになったんですよ。だから、ルーディーも警戒していたのでしょう? 素早い動きだったものね」
「ルルを守るためには必要なことですから」
そういうと、父上は深く頷いた。
「さすがルーディーだな」
「陛下、さすがではございませんよ。お子さまを抱きかかえられたまま、崩れ落ちるのは危のうございますぞ。お気をつけください」
「フィデリオ、そういうがルルの可愛さはとんでもないのだぞ! お前も抱いてみるがいい。ルーディー、フィデリオにルルを抱かせてあげてくれ」
そう言われて、私は片手で爺からロルフを受け取り、そしてもう片方に抱いていたルルを爺に抱かせた。
「――っ、なんと、愛らしいっ!!」
「だぁっ、だぁっ」
「くぅ――!!」
「爺、大丈夫か?」
苦しげな表情だが、なんとか耐えることができているようだ。
「だ、大丈夫で、ござります。ですが、本当に愛らしくて……」
「だろう? 私がああなってしまうのもわかるだろう?」
「は、はい。よくわかりました。アズールさまと初めてお会いしたのは1歳のお披露目の時でしたので、こんなにもお小さい頃を拝見するのは初めてでしたから、これからさらに可愛らしくなるのですから、護衛も早々にお選びした方が良いかもしれませんね」
「ふふっ。気が早いな。だが、そうだな。今からしっかりと吟味しておくのは良いかもしれないな」
ロルフとルルの可愛らしさをしっかりと堪能したところで、爺が思い出したように父上の耳元で何かを囁いていた。
「ああ、そうだったな。子どもたちがあまりにも可愛くてすっかり忘れていたぞ。ルーディー、アズール。これは私からの出産祝いだ」
父上の言葉と同時に爺が、アズールが座っているソファーの前にあるテーブルに大きな箱を置いた。
「これは何が入っているの?」
キラキラとした目で嬉しそうな声をあげるアズールに、
「上の箱がロルフとルルの揃いの服、それから、下の箱には出産を頑張ってくれたアズールとルーディーの衣装も入っておるぞ」
と教えてあげていた。
ロルフとルルの揃いの服はわかるが、アズールと私の服?
一体どのようなものだろう?
「ルー、アズールが開けたい!」
「ああ、じゃあ手伝おう。まずは子どもたちの箱から開けよう」
アズールのすぐそばに箱を持って行ってやり、箱を支えてやるとアズールは腕を伸ばして、箱の中から服を取り出した
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