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第三章
ティオの本心は……
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<sideアリーシャ>
「ルル、いい子でおねんねしてたわね」
「あっ、ぶーっ」
「ふふっ。朝からご機嫌ね」
目覚めのいいルルと戯れあっていると、隣で寝ていたヴィルがムクっと起きて私たちを抱きしめる。
「私の愛しい姫たち。おはよう」
「ふふっ。ヴィルはまだ眠そうね」
「いや、私の寝相の悪さでルルを潰してしまわないかと心配になってな」
「あら、ヴィルは寝相はいいのだからそんな心配しなくてもいいのに」
「そう言ってもらえると安心だな。ルル、お爺ちゃまと一緒に寝られて嬉しいか?」
「あぶっ、あぶっ」
ヴィルの声に嬉しそうに足をばたつかせているのを見て、ヴィルの眦が下がっている。
ふふっ、もうすっかりお爺ちゃんね。
「そうか、嬉しいか。ルルは本当に可愛らしいな」
ヴィルはすっかりルルにメロメロになってるわ。
まぁ目に入れても痛くないほど可愛がっているアズールにそっくりなのだから、その気持ちもわかるけれど。
「あんまりルルばかり可愛がると、アズールとロルフが嫉妬しますよ」
「あっと、そうだな。あとで私の愛しい王子たちにも挨拶をしに行かないとな」
「ええ、そうね。それより、クレイたちは大丈夫だったかしら? 栄養ミルクを取りに来ていたのでしょう?」
「ああ。そのあとは部屋から出たような気配はしなかったから、クレイは大丈夫だろう。心配はティオだな」
「ええ。ルーディーが嫌がるかもしれないと思って、ルルじゃなくてロルフをクレイたちに預けたのだけど、まだ赤ちゃんとはいえ、狼族のロルフと猫族のティオが一緒に寝るのは気を遣ったかもしれないわね。もう起こしてもいい頃だし、私、クレイたちの部屋にロルフを迎えに行ってくるわ」
「ああ、その間。私がルルを見ていよう」
いつもなら、私の代わりに用事を済ませてくれるヴィルだけど、クレイの部屋に行ってティオの寝起きの顔を見るのはクレイに申し訳ないと思っているのよね。
ルーディーはもちろん、ヴィルもクレイも本当に伴侶への独占欲と嫉妬がすごくて大変だわ。
まぁ、それも狼族の雄として当然のことなのかもしれないけれど。
私は急いで身支度を済ませ、ルルをヴィルに預けてクレイたちの部屋に向かった。
扉を叩くと意外にも早く扉が開かれた。
「母上。もうロルフを迎えに来たのですか?」
「ええ。あなたはともかくティオが気を遣ったんじゃないかと心配になったものだから。ロルフは大丈夫だった?」
「はい。ずっと静かで良い子にしていましたよ。ティオもロルフのことを気に入ったみたいでした」
「そう。それなら安心したわ。昨夜は緊急事態だったとはいえ、急に預けて心配していたのよ」
「心配は無用でしたよ。ティオもロルフを養子にとりたいとまで思ってくれたみたいですから、相性はいいみたいですよ」
「えっ? ティオがそう言っていたの?」
「はい。だから、私も安心しました。義兄上とアズールに話をして、もし良ければゆくゆくはロルフを養子に迎えることも検討したいなと思っています」
そこまでティオがロルフを気に入ったなんて……びっくりね。
我が家としても跡取りは必ず必要だけれど、まさかこんな短時間に養子に迎えたいと思えるほど親密になるなんて思いもしなかったわ。
「クレイ、少し中で話をしてもいいかしら?」
「えっ、はい。どうぞ」
「ティオも呼んでもらえるかしら?」
「わかりました」
クレイたちの部屋に入り、ソファーに座っているとしばらく経って寝室からティオがロルフを抱っこして出てきた。
「――っ!」
まるで本当の親子のような二人の様子に驚いてしまう。
「ティオ……ロルフとそんなにも仲良くなれたのね」
「はい。私もびっくりしました」
こんなにも心が通い合っているのなら、養子に迎えたいと思ってしまう気持ちもわかるわ。
「クレイとティオがロルフのお世話をしてくれたから助かったわ。ベンの腰が良くなるまで、夜の間はお世話をお願いしてもいいかしら?」
「はい。もちろんです」
ロルフの世話をお願いするとティオは目を輝かせて、ロルフを抱きしめて喜んでいた。
「あのね、さっきクレイからロルフを二人の養子に迎えたいと話をしているというのを聞いたのだけど、それはティオの本心なのかしら?」
「あの……」
「いいのよ、正直に話してくれて構わないわ。元々、クレイとティオが結婚した時から、ルーディーとアズールの子どもをゆくゆくは養子として迎えたいという話はしていたから、ティオがいつかそう思ってくれると思っていたのだけど、こんなにも早く覚悟を決めてくれると思っていなかったものだから、本心かどうか確認しておきたいと思ったの」
「私……自分がクレイさまとの子どもを産むことができないので、ゆくゆくはルーディーさまとアズールさまのお子さまを私たちの子どもとして迎えて育てるというのは最初から覚悟していたのです。でも、正直に言って、猫族の私が狼族の子どもの親になれるのか心配だったんです。ロルフくんもルルちゃんも可愛いけれど、自分の子どもに……というのは、想像できずにいたんですが……昨晩、一緒に過ごして、愛おしく感じたんです。この子が本当の子どもだったら……って思ってしまいました。でも、もし、これから先ルーディーさまとアズールさまの間に男のお子さまが生まれても同じ気持ちになれるのかどうか……それが心配です」
「ティオはロルフにだけ、愛おしく感じるのかわからないということなのね」
「はい。なので、ついロルフくんを私たちの子どもにできたら嬉しいと言ってしまったんです」
「そういうことね。よくわかったわ。養子を迎えるなら親子の情を育むためにも早いうちに親子になる方がいいものね。でも、ルーディーとアズールの子どものことに関しては次の子が生まれるまでは養子の話は保留にしておきましょう」
そういうと、二人は何か思うところがあったのか、私を見つめながら頷いていた。
「ルル、いい子でおねんねしてたわね」
「あっ、ぶーっ」
「ふふっ。朝からご機嫌ね」
目覚めのいいルルと戯れあっていると、隣で寝ていたヴィルがムクっと起きて私たちを抱きしめる。
「私の愛しい姫たち。おはよう」
「ふふっ。ヴィルはまだ眠そうね」
「いや、私の寝相の悪さでルルを潰してしまわないかと心配になってな」
「あら、ヴィルは寝相はいいのだからそんな心配しなくてもいいのに」
「そう言ってもらえると安心だな。ルル、お爺ちゃまと一緒に寝られて嬉しいか?」
「あぶっ、あぶっ」
ヴィルの声に嬉しそうに足をばたつかせているのを見て、ヴィルの眦が下がっている。
ふふっ、もうすっかりお爺ちゃんね。
「そうか、嬉しいか。ルルは本当に可愛らしいな」
ヴィルはすっかりルルにメロメロになってるわ。
まぁ目に入れても痛くないほど可愛がっているアズールにそっくりなのだから、その気持ちもわかるけれど。
「あんまりルルばかり可愛がると、アズールとロルフが嫉妬しますよ」
「あっと、そうだな。あとで私の愛しい王子たちにも挨拶をしに行かないとな」
「ええ、そうね。それより、クレイたちは大丈夫だったかしら? 栄養ミルクを取りに来ていたのでしょう?」
「ああ。そのあとは部屋から出たような気配はしなかったから、クレイは大丈夫だろう。心配はティオだな」
「ええ。ルーディーが嫌がるかもしれないと思って、ルルじゃなくてロルフをクレイたちに預けたのだけど、まだ赤ちゃんとはいえ、狼族のロルフと猫族のティオが一緒に寝るのは気を遣ったかもしれないわね。もう起こしてもいい頃だし、私、クレイたちの部屋にロルフを迎えに行ってくるわ」
「ああ、その間。私がルルを見ていよう」
いつもなら、私の代わりに用事を済ませてくれるヴィルだけど、クレイの部屋に行ってティオの寝起きの顔を見るのはクレイに申し訳ないと思っているのよね。
ルーディーはもちろん、ヴィルもクレイも本当に伴侶への独占欲と嫉妬がすごくて大変だわ。
まぁ、それも狼族の雄として当然のことなのかもしれないけれど。
私は急いで身支度を済ませ、ルルをヴィルに預けてクレイたちの部屋に向かった。
扉を叩くと意外にも早く扉が開かれた。
「母上。もうロルフを迎えに来たのですか?」
「ええ。あなたはともかくティオが気を遣ったんじゃないかと心配になったものだから。ロルフは大丈夫だった?」
「はい。ずっと静かで良い子にしていましたよ。ティオもロルフのことを気に入ったみたいでした」
「そう。それなら安心したわ。昨夜は緊急事態だったとはいえ、急に預けて心配していたのよ」
「心配は無用でしたよ。ティオもロルフを養子にとりたいとまで思ってくれたみたいですから、相性はいいみたいですよ」
「えっ? ティオがそう言っていたの?」
「はい。だから、私も安心しました。義兄上とアズールに話をして、もし良ければゆくゆくはロルフを養子に迎えることも検討したいなと思っています」
そこまでティオがロルフを気に入ったなんて……びっくりね。
我が家としても跡取りは必ず必要だけれど、まさかこんな短時間に養子に迎えたいと思えるほど親密になるなんて思いもしなかったわ。
「クレイ、少し中で話をしてもいいかしら?」
「えっ、はい。どうぞ」
「ティオも呼んでもらえるかしら?」
「わかりました」
クレイたちの部屋に入り、ソファーに座っているとしばらく経って寝室からティオがロルフを抱っこして出てきた。
「――っ!」
まるで本当の親子のような二人の様子に驚いてしまう。
「ティオ……ロルフとそんなにも仲良くなれたのね」
「はい。私もびっくりしました」
こんなにも心が通い合っているのなら、養子に迎えたいと思ってしまう気持ちもわかるわ。
「クレイとティオがロルフのお世話をしてくれたから助かったわ。ベンの腰が良くなるまで、夜の間はお世話をお願いしてもいいかしら?」
「はい。もちろんです」
ロルフの世話をお願いするとティオは目を輝かせて、ロルフを抱きしめて喜んでいた。
「あのね、さっきクレイからロルフを二人の養子に迎えたいと話をしているというのを聞いたのだけど、それはティオの本心なのかしら?」
「あの……」
「いいのよ、正直に話してくれて構わないわ。元々、クレイとティオが結婚した時から、ルーディーとアズールの子どもをゆくゆくは養子として迎えたいという話はしていたから、ティオがいつかそう思ってくれると思っていたのだけど、こんなにも早く覚悟を決めてくれると思っていなかったものだから、本心かどうか確認しておきたいと思ったの」
「私……自分がクレイさまとの子どもを産むことができないので、ゆくゆくはルーディーさまとアズールさまのお子さまを私たちの子どもとして迎えて育てるというのは最初から覚悟していたのです。でも、正直に言って、猫族の私が狼族の子どもの親になれるのか心配だったんです。ロルフくんもルルちゃんも可愛いけれど、自分の子どもに……というのは、想像できずにいたんですが……昨晩、一緒に過ごして、愛おしく感じたんです。この子が本当の子どもだったら……って思ってしまいました。でも、もし、これから先ルーディーさまとアズールさまの間に男のお子さまが生まれても同じ気持ちになれるのかどうか……それが心配です」
「ティオはロルフにだけ、愛おしく感じるのかわからないということなのね」
「はい。なので、ついロルフくんを私たちの子どもにできたら嬉しいと言ってしまったんです」
「そういうことね。よくわかったわ。養子を迎えるなら親子の情を育むためにも早いうちに親子になる方がいいものね。でも、ルーディーとアズールの子どものことに関しては次の子が生まれるまでは養子の話は保留にしておきましょう」
そういうと、二人は何か思うところがあったのか、私を見つめながら頷いていた。
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