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第三章
愛情たっぷりの手作りパン
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二人が朝ごはんを作ったとは、いったいどういうことだろう?
アズールもまだ理解はできていないようだ。
いつも通り、アズールを腕に抱いたまま席に着くと、ロルフとルルが小さなお皿を持ってこちらへと歩いてくる。
「まら、みちゃ、らめぇー」
何が皿に乗っているのかを確認する前に先にロルフに釘を刺される。
「おお、すまない」
「ふふっ。怒られちゃったね」
「ああ、そうだな」
小声で笑うアズールと見つめ合いながら、ロルフとルルから了承を得るまで視線を動かさずにいると、
「いいよーっ」
「みちぇみちぇぇー!」
と嬉しそうな声が聞こえ、私とアズールは同時にテーブルの上を見た。
「えっ……」
「わぁっ!」
「これは……」
目の前に見えるのは、私と、そしてアズールの顔の形を模したパン。
チョコレートのペンで顔まで綺麗に描かれている。
「ふふっ。ぱっぱと、まんまのぱん、ろーふと、ううが、ちゅくっちゃのー!」
「これを、ロルフと、ルルが……? まさか……」
まだ生後半年だというのに、もうこんなことができるのか?
驚きに声を出せないでいる私をよそにアズールは
「わぁー! 可愛い!! 上手にできてるね!! ロルフもルルもすごいよー!!」
と手放しで喜んでいる。
「ふふっ。ろーふ、ちゅごい!」
「ううも! ちゅごいっ!」
ロルフとルルは大好きなアズールから褒められて得意満面の笑みを見せている。
ああ、そうだ。
驚きよりも先に感想を伝えなければ!!
アズールはいつでも私を学ばせてくれるな。
さすが私のアズール。
「ロルフ、ルル。私たちのために朝から作ってくれたのか。ありがとう、嬉しいよ」
「ぱっぱーっ! ろーふも、うれちぃ!」
「ぱっぱ、ううも、うれちぃ!」
ロルフもルルもさっき話したことを守って、アズールに当たらないように私の方にだけ飛び込んでくる。
ああ、うちの子どもたちは本当にいい子たちだ。
「まんま、ぱくって、してぇー」
「うん、でももったいないなぁ。でも食べちゃおう!」
ロルフからの言葉にアズールはそっと長い耳を齧った。
「んんっ! ふわっふわで美味しいっ!!」
「やっちゃー!!」
「まんまの、ろーふ、ちゅくっちゃの」
「そっかぁ。美味しいよ、ありがとう」
「ふふっ」
アズールに褒められて嬉しそうなロルフを見ると我が子ながら少し嫉妬してしまう狭量な自分がいる。
「ぱっぱの、うう、ちゅくっちゃ! ちゃべちぇー」
「ああ、いただこう」
これをルルが作ったのかと感慨深く思いながら口を開けて、一口で食べそうになって慌てて止めた。
アズールのようにほんの少し食べて、感想を言うのを待っているのだろう。
ああ、気づいてよかった。
ルルの手のサイズで作ったパンはかなり小さくてほんの少し齧るのも大変だったが、なんとかできた。
焼きたての香ばしい香りがするパンは本当にふわふわで毎日食べているものよりも随分と美味しく感じられた。
「ああ、本当に美味しいな。毎日食べたいくらいだ」
「ほんちょー?」
「ああ、本当だとも。ルル、朝から作ってくれてありがとう。大変だっただろう?」
「ううん、たのちかったの。ふらんちゅと、にぃーちゃあが、おちえてくりぇちゃの」
「そうか、フランツだけじゃなく、ロルフもか。よくやったぞ」
私が褒めると、ロルフは少し照れながらも嬉しそうに笑っていた。
アズールはロルフの作ったパンが気に入ったのか、両手でパンを持って美味しそうに齧っている。
「アズール」
「んっ?」
「チョコレートがついているぞ」
「どこ? どこ?」
「ふふっ。ここだよ」
そう言って、舌でぺろっと舐めとってやると、
「ぱっぱと、まんま。なかよちー」
とルルが言ってくれる。
けれど、ロルフは
「ぱっぱ、じゅるいー! ろーふも、まんまを、ぺろぺろ、ちたいー!」
と駄々を捏ねてくる。
だが、子どもだからと言って、それを譲ることは私にはできない。
「ロルフ、アズールを舐めることができるのは私だけだ。アズールはお前たちの母親だが、その前に私の大切な番なのだからな」
「ちゅがい?」
「ああ、私とアズールはお互いになくてはならない大切な存在だと言うことだ。いつか、ロルフとルルにもそのような相手が見つかるはずだ。わかるか?」
「たいちぇちゅ……」
さすがに番云々は難しいかと思ったが、ロルフもルルもどうやら理解してくれたようだ。
「ぱっぱは、まんまが、いっぱい、いっぱい、たいちぇちゅ! まんまも、ぱっぱが、たいちぇちゅー!」
「ああ、そうだ。よくわかってくれた。いい子だな」
「ふふっ。ろーふ、いいこ」
「ううも、いいこらよ。ねぇ、あーちゃん」
「ええ、二人ともとってもいい子だわ。朝早くから、一生懸命作ったものね。フランツが褒めてたわ。二人には料理を作る才能があるって!」
得意げな顔を見せていたロルフとルルは、義母上の話にさらに興奮して
「まちゃ、ちゅくりちゃいー!」
と私の腕の中で飛び跳ねる。
こういうところはアズールによく似ている。
「ああ、わかった。では、ここに泊まった日はフランツに料理を習うことができるように頼んでみよう」
「わぁーい! やっちゃあー!」
「さぁ、じゃあロルフとルルも朝食をいただきましょう」
そういうと、ロルフとルルはすぐに自分の席に戻り、目の前に用意された自分の朝食をパクパク食べ始めた。
生後半年だと言うのに、もうすでにアズールよりもたくさん食べている気がする……。
これが狼族とウサギ族の違いなのか……。
すごいな。
アズールもまだ理解はできていないようだ。
いつも通り、アズールを腕に抱いたまま席に着くと、ロルフとルルが小さなお皿を持ってこちらへと歩いてくる。
「まら、みちゃ、らめぇー」
何が皿に乗っているのかを確認する前に先にロルフに釘を刺される。
「おお、すまない」
「ふふっ。怒られちゃったね」
「ああ、そうだな」
小声で笑うアズールと見つめ合いながら、ロルフとルルから了承を得るまで視線を動かさずにいると、
「いいよーっ」
「みちぇみちぇぇー!」
と嬉しそうな声が聞こえ、私とアズールは同時にテーブルの上を見た。
「えっ……」
「わぁっ!」
「これは……」
目の前に見えるのは、私と、そしてアズールの顔の形を模したパン。
チョコレートのペンで顔まで綺麗に描かれている。
「ふふっ。ぱっぱと、まんまのぱん、ろーふと、ううが、ちゅくっちゃのー!」
「これを、ロルフと、ルルが……? まさか……」
まだ生後半年だというのに、もうこんなことができるのか?
驚きに声を出せないでいる私をよそにアズールは
「わぁー! 可愛い!! 上手にできてるね!! ロルフもルルもすごいよー!!」
と手放しで喜んでいる。
「ふふっ。ろーふ、ちゅごい!」
「ううも! ちゅごいっ!」
ロルフとルルは大好きなアズールから褒められて得意満面の笑みを見せている。
ああ、そうだ。
驚きよりも先に感想を伝えなければ!!
アズールはいつでも私を学ばせてくれるな。
さすが私のアズール。
「ロルフ、ルル。私たちのために朝から作ってくれたのか。ありがとう、嬉しいよ」
「ぱっぱーっ! ろーふも、うれちぃ!」
「ぱっぱ、ううも、うれちぃ!」
ロルフもルルもさっき話したことを守って、アズールに当たらないように私の方にだけ飛び込んでくる。
ああ、うちの子どもたちは本当にいい子たちだ。
「まんま、ぱくって、してぇー」
「うん、でももったいないなぁ。でも食べちゃおう!」
ロルフからの言葉にアズールはそっと長い耳を齧った。
「んんっ! ふわっふわで美味しいっ!!」
「やっちゃー!!」
「まんまの、ろーふ、ちゅくっちゃの」
「そっかぁ。美味しいよ、ありがとう」
「ふふっ」
アズールに褒められて嬉しそうなロルフを見ると我が子ながら少し嫉妬してしまう狭量な自分がいる。
「ぱっぱの、うう、ちゅくっちゃ! ちゃべちぇー」
「ああ、いただこう」
これをルルが作ったのかと感慨深く思いながら口を開けて、一口で食べそうになって慌てて止めた。
アズールのようにほんの少し食べて、感想を言うのを待っているのだろう。
ああ、気づいてよかった。
ルルの手のサイズで作ったパンはかなり小さくてほんの少し齧るのも大変だったが、なんとかできた。
焼きたての香ばしい香りがするパンは本当にふわふわで毎日食べているものよりも随分と美味しく感じられた。
「ああ、本当に美味しいな。毎日食べたいくらいだ」
「ほんちょー?」
「ああ、本当だとも。ルル、朝から作ってくれてありがとう。大変だっただろう?」
「ううん、たのちかったの。ふらんちゅと、にぃーちゃあが、おちえてくりぇちゃの」
「そうか、フランツだけじゃなく、ロルフもか。よくやったぞ」
私が褒めると、ロルフは少し照れながらも嬉しそうに笑っていた。
アズールはロルフの作ったパンが気に入ったのか、両手でパンを持って美味しそうに齧っている。
「アズール」
「んっ?」
「チョコレートがついているぞ」
「どこ? どこ?」
「ふふっ。ここだよ」
そう言って、舌でぺろっと舐めとってやると、
「ぱっぱと、まんま。なかよちー」
とルルが言ってくれる。
けれど、ロルフは
「ぱっぱ、じゅるいー! ろーふも、まんまを、ぺろぺろ、ちたいー!」
と駄々を捏ねてくる。
だが、子どもだからと言って、それを譲ることは私にはできない。
「ロルフ、アズールを舐めることができるのは私だけだ。アズールはお前たちの母親だが、その前に私の大切な番なのだからな」
「ちゅがい?」
「ああ、私とアズールはお互いになくてはならない大切な存在だと言うことだ。いつか、ロルフとルルにもそのような相手が見つかるはずだ。わかるか?」
「たいちぇちゅ……」
さすがに番云々は難しいかと思ったが、ロルフもルルもどうやら理解してくれたようだ。
「ぱっぱは、まんまが、いっぱい、いっぱい、たいちぇちゅ! まんまも、ぱっぱが、たいちぇちゅー!」
「ああ、そうだ。よくわかってくれた。いい子だな」
「ふふっ。ろーふ、いいこ」
「ううも、いいこらよ。ねぇ、あーちゃん」
「ええ、二人ともとってもいい子だわ。朝早くから、一生懸命作ったものね。フランツが褒めてたわ。二人には料理を作る才能があるって!」
得意げな顔を見せていたロルフとルルは、義母上の話にさらに興奮して
「まちゃ、ちゅくりちゃいー!」
と私の腕の中で飛び跳ねる。
こういうところはアズールによく似ている。
「ああ、わかった。では、ここに泊まった日はフランツに料理を習うことができるように頼んでみよう」
「わぁーい! やっちゃあー!」
「さぁ、じゃあロルフとルルも朝食をいただきましょう」
そういうと、ロルフとルルはすぐに自分の席に戻り、目の前に用意された自分の朝食をパクパク食べ始めた。
生後半年だと言うのに、もうすでにアズールよりもたくさん食べている気がする……。
これが狼族とウサギ族の違いなのか……。
すごいな。
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