真っ白ウサギの公爵令息はイケメン狼王子の溺愛する許嫁です

波木真帆

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第三章

ロルフとルルのために……

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<sideアズール>

成人を迎えたルーは、騎士団に入団してすぐに団長として騎士団を纏めていたし、遠征にも何度も出かけていた。
かなり遠くまで出かけることもあったけれど、それでも必ず翌日の夜には王都に帰ってきて、翌々日の朝には僕のところにお土産を持って会いにきてくれていた。

だから寂しくてもルーがくれたブランケットに包まっていれば、なんとか我慢できたんだよね。

でも、今はどうだろう……。

ルーと一晩離れて過ごすだけでも我慢できないかもしれないな。
ロルフとルルを妊娠してからはずっとそばにいてくれたし、いつだって僕の手が触れる場所にいてくれた。
考えてみたらルーとこうして離れたの、本当に久しぶりなんだ。

そんな僕がたとえ一晩でもルーと離れて眠るなんてできるかどうか……。
それに離れていたら、ルーのお薬を飲ませてもらえないし。

アントン先生にはミルクをあげ終わっても、できれば毎日ルーの蜜を身体に取り込んだ方が僕の体調のために良いって言われたし。

いろんな理由を挙げてみたけど、何より離れて眠るのが寂しいんだ。
親になったのに、こんな子どもみたいなこと言っちゃダメだと思うけど、やっぱり寂しい気持ちはどうしようもない。

もし、ルーが今回の特別遠征訓練に参加するなら、僕もついていくとかできないかな?
ルーが訓練をしているときは大人しくして待っているから、夜だけでも一緒に過ごしてもらえたら……。
そうしたら、ルーが訓練しているところも見られるし、夜は一緒に過ごせるしいいこと尽くしかなって思ったけど、ヴェルにダメだって言われちゃった。

やっぱりそうだよねぇ。

だって、訓練は遊びじゃないもんね。

わかってるけど、もしかしたら連れていってもらえたりするかも……ってほんの少しだけ、期待しただけ。

もし、今回の訓練にルーが参加するって言ったら……。

頑張って笑顔で行ってらっしゃいっていうしかないな。
あの時みたいに、行っちゃやだー! なんて泣いて引き留めないようにしないとね。

ルーがいない間、何か他のことで気が紛れたら……。

そう、前にルーが儀式に行って離れ離れになった時、ルーのお祝いの準備をしていたらなんとか我慢できたみたいに。

何か集中してできることがあったらルーが訓練に参加している間も頑張れるかなって思ってたら、

「それよりも、そろそろロルフさまとルルさまの一歳のお祝いのご準備をお考えになった方がよろしいのではありませんか?」

とヴェルに言われた。

あの時は帰ってきたらすぐにお祝いだったけど、ロルフとルルのお祝いはまだ半年近くも先の話。

流石に速すぎじゃないかなと思ったけど、考えてみたら、ルーは僕の一歳のお祝いの時はすごく前から衣装を用意してくれていたんだっけ。
マティアスさんと何度も何度も話し合って作ってくれていたもんね。

今度はロルフとルルの二人分だし、考えてみたら早く準備する方が遅すぎるよりは良いのかも!

さすがヴェル!!
すごいなぁ。

ヴェルの素敵なアイディアをもらって、僕はヴェルに二人の衣装を相談することにした。

「あのね、ヴェルは僕が一歳のお祝いで着た衣装を覚えてる?」

「はい。それはもちろんですとも。警備をしながらでしたけど、はっきりと覚えております。首にたくさんのフリルが施された可愛らしいシャツに、ルーディーさまとお揃いの上着とズボンをお召しになっていらっしゃいましたね」

「そう! それで、すっごく軽くて着やすかったんだよ」

「さすがマティアスさまのお作りになった衣装ですね。小さなアズールさまにご負担のないようなお素材を使われたのでしょう。アズールさまの一歳のお祝いは、ルーディーさまとの婚約発表も兼ねていらっしゃいましたから、ルーディーさまが張り切ってお作りになったと伺っていますよ」

「ああ、だからルーが作ってくれたんだ……」

あの時すっごく真剣にマティアスさんとずっと話し合ってくれていたもんね。

「はい。ロルフさまとルルさまの場合は、まだ婚約者さまがいらっしゃいませんので、お二人のご両親でいらっしゃるルーディーさまとアズールさまでお作りになるのです」

「そっか……。じゃあ、マティアスさんとお話ししながらこんなのが良いって希望を言って作ってもらったりできるのかな?」

「そうですね、ですがその際は必ずルーディーさまもご一緒ですよ。決してアズールさまだけでお話に行かれてはいけませんよ」

「ルーが忙しい間に、僕が頑張ろうかなって思ったんだけど……だめ?」

「それではルーディーさまがお忙しい間にご希望だけを書き留めて、ルーディーさまのご意見もお聞きになってから、一緒に話をされてはいかがですか? ルーディーさまもきっと、お子さま方の御衣装を一緒に作りたいと思っていらっしゃいますよ」

「ああ、そっか。そうだね!! さすが、ヴェル!! じゃあ、どんな服がいいか考えようっと。やっぱりルルは可愛いドレスがいいな。お母さまが着てるみたいなふわっとしてるの! どう?」

「ええ、きっとお似合いになりますよ」

そう言ってくれるヴェルの笑顔がすごく優しかった。
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