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第三章
ずっと離れないでいて……
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<sideルーディー>
「アズール、帰ったぞ」
「あっ、ルー! おかえりなさい!」
「珍しいな。私が帰ってきていたことに気づいていなかったのか?」
いつもなら、扉を開ける前から私が近づいてきていることに気づいてくれるアズールなのに、今日は扉を開けると驚いた表情を見せていた。
「ヴェルとのおしゃべりが楽しくて、ルーが帰ってきてたのわからなかった。ごめんね」
「ふふっ。素直だから許してあげよう。それよりそんなに楽しい会話をしていたのか?」
「うん、あのね……」
「あ、アズールさまっ!」
ヴェルナーは私の後ろから入ってきたマクシミリアンの存在に気づき、慌ててアズールの言葉を止めようとしたようだが一歩及ばなかったようだ。
「ヴェルが、マックスと同じ熊さんのお耳と尻尾がついたお洋服を着てたら、マックスが喜んだっていうお話だよ」
「――っ!!」
全てをバラされて、ヴェルナーは恥ずかしそうに顔を赤らめているが、その表情は失敗だぞ。
現に私の後ろでマクシミリアンが興奮しかけているのだから。
「ねぇ、マックスー。やっぱりヴェルがおんなじお耳や尻尾つけていると嬉しいの?」
「えっ? それは……もちろん同じものをつけてくれるのは嬉しいですが、私はそのままの美しい黒耳としなやかに動く尻尾も大好きですよ」
「――つ、マクシミリアンっ。それは本当か?」
「ええ。もちろんです。いつも抱き合っている時に、ヴェルナーの細くてしなやかな尻尾が私の小さな尻尾に巻き付いているのを知っていますか?」
「えっ? 私がそんなことをしているのか?」
「ふふっ。やっぱり無意識でしたね。ヴェルナーは私が中からいなくなるのが嫌なんですよ、だから、引き抜こうとするときゅっと巻きついてきて離れられないようにするんです」
なるほど。
ヴェルナーの細くて長い尻尾なら可能だな。
それをアズールにやられたら……ああ、ひとたまりもないな。
しかもそれを無意識でやっているのか。
「知らなかった……」
小さく呟くヴェルナーをそっと抱き寄せて、何やら話をしている。
その表情は二人とも幸せそうだ。
てっきりマクシミリアンの方が愛情の比重は大きいのかと思っていたが、私の思っていた以上にヴェルナーもマクシミリアンを愛しているようだな。
「いいなぁ、ヴェル……」
そんな二人の様子を見ながらアズールがポツリと呟く声が聞こえた。
「アズールは何がそんなに羨ましいんだ? 私もアズールが狼の耳と尻尾をつけてくれたのは嬉しかったが、今のこの姿も大好きだぞ」
アズールを抱き寄せ、しっかりと思いを伝える。
アズールが爺からの贈り物である狼の耳と尻尾のついた衣装をつけてくれたのはとてつもなく興奮した。
そのままアズールの中に挿入り、たっぷりと愛し合ったくらいだ。
それからも何度も何度もあの衣装を着たアズールとたっぷりと愛し合っている。
だが決して、ウサギの耳と尻尾をつけたアズールよりも狼がいいと思っているわけではない。
ウサギの姿であってもとてつもなく興奮するのだから。
結局のところ、アズールがどんな姿であっても、私は興奮する。
だから、羨ましがる必要など全く無いのだ。
けれど、アズールにとっては違うようだ。
「ルーが大好きって言ってくれるのは嬉しいけど、でも……このちっちゃな尻尾じゃルーの尻尾に巻き付けないもん。アズールはずっとルーと離れたく無いのに……」
そんな可愛いことを言われて願いを叶えないのでは伴侶とは言えない。
それにアズールの方から離れたく無いと言われるなんて私にとっては喜びでしか無いのだから。
「ならば、今夜はずっと離れないでいようか」
「本当?」
「ああ、本当だとも。私はいつだってアズールの願いを叶えたいと思っているのだから」
「ルー、嬉しいっ!!」
可愛いアズールを胸に抱きしめているとこのまま押し倒したくなってしまうが、ここにマクシミリアンとヴェルナーがいることはしっかりと覚えている。
どうしてマクシミリアンと一緒にここにきたんだったかということを思い出して、思わず
「ああっ!!」
と声をあげてしまった。
「ルー? 急にどうしたの?」
「いや、アズールが可愛い話をしてくれたから、大事な話をするのを忘れていたんだ」
「大事な話?」
「ルーディーさま、私たちは外に出ていましょうか?」
「いや、構わん。お前たちにも関わることだからな」
マクシミリアンとヴェルナーは気を利かせてくれようとしたが、一緒にいた方がいいだろう。
そう判断して、私は言葉を続けた。
「アズール、次の特別遠征訓練に私は参加しようと思うのだが、アズールはどう思う?」
「やっぱり行くの?」
「ああ、これからのタイミングを考えたら今回参加しておくのが一番良い選択だと思ったんだ。だが、ちゃんとアズールの意見も聞いておきたくてな」
「アズールは……ルーについていく」
「えっ……アズール、それは……っ」
「冗談だよ。頑張って行ってきてって言う」
「アズール……それは、本心か?」
「うん……アズール、頑張ってルーを見送るよ。だから、今夜はずっと離れないでいて……」
アズールの目に涙が浮かんでいるのが見える。
本当は行ってほしく無いのだろう。
それでもこんなにも健気に私を送り出してくれるのだな。
ああ、本当に私は幸せ者だ。
「アズール、帰ったぞ」
「あっ、ルー! おかえりなさい!」
「珍しいな。私が帰ってきていたことに気づいていなかったのか?」
いつもなら、扉を開ける前から私が近づいてきていることに気づいてくれるアズールなのに、今日は扉を開けると驚いた表情を見せていた。
「ヴェルとのおしゃべりが楽しくて、ルーが帰ってきてたのわからなかった。ごめんね」
「ふふっ。素直だから許してあげよう。それよりそんなに楽しい会話をしていたのか?」
「うん、あのね……」
「あ、アズールさまっ!」
ヴェルナーは私の後ろから入ってきたマクシミリアンの存在に気づき、慌ててアズールの言葉を止めようとしたようだが一歩及ばなかったようだ。
「ヴェルが、マックスと同じ熊さんのお耳と尻尾がついたお洋服を着てたら、マックスが喜んだっていうお話だよ」
「――っ!!」
全てをバラされて、ヴェルナーは恥ずかしそうに顔を赤らめているが、その表情は失敗だぞ。
現に私の後ろでマクシミリアンが興奮しかけているのだから。
「ねぇ、マックスー。やっぱりヴェルがおんなじお耳や尻尾つけていると嬉しいの?」
「えっ? それは……もちろん同じものをつけてくれるのは嬉しいですが、私はそのままの美しい黒耳としなやかに動く尻尾も大好きですよ」
「――つ、マクシミリアンっ。それは本当か?」
「ええ。もちろんです。いつも抱き合っている時に、ヴェルナーの細くてしなやかな尻尾が私の小さな尻尾に巻き付いているのを知っていますか?」
「えっ? 私がそんなことをしているのか?」
「ふふっ。やっぱり無意識でしたね。ヴェルナーは私が中からいなくなるのが嫌なんですよ、だから、引き抜こうとするときゅっと巻きついてきて離れられないようにするんです」
なるほど。
ヴェルナーの細くて長い尻尾なら可能だな。
それをアズールにやられたら……ああ、ひとたまりもないな。
しかもそれを無意識でやっているのか。
「知らなかった……」
小さく呟くヴェルナーをそっと抱き寄せて、何やら話をしている。
その表情は二人とも幸せそうだ。
てっきりマクシミリアンの方が愛情の比重は大きいのかと思っていたが、私の思っていた以上にヴェルナーもマクシミリアンを愛しているようだな。
「いいなぁ、ヴェル……」
そんな二人の様子を見ながらアズールがポツリと呟く声が聞こえた。
「アズールは何がそんなに羨ましいんだ? 私もアズールが狼の耳と尻尾をつけてくれたのは嬉しかったが、今のこの姿も大好きだぞ」
アズールを抱き寄せ、しっかりと思いを伝える。
アズールが爺からの贈り物である狼の耳と尻尾のついた衣装をつけてくれたのはとてつもなく興奮した。
そのままアズールの中に挿入り、たっぷりと愛し合ったくらいだ。
それからも何度も何度もあの衣装を着たアズールとたっぷりと愛し合っている。
だが決して、ウサギの耳と尻尾をつけたアズールよりも狼がいいと思っているわけではない。
ウサギの姿であってもとてつもなく興奮するのだから。
結局のところ、アズールがどんな姿であっても、私は興奮する。
だから、羨ましがる必要など全く無いのだ。
けれど、アズールにとっては違うようだ。
「ルーが大好きって言ってくれるのは嬉しいけど、でも……このちっちゃな尻尾じゃルーの尻尾に巻き付けないもん。アズールはずっとルーと離れたく無いのに……」
そんな可愛いことを言われて願いを叶えないのでは伴侶とは言えない。
それにアズールの方から離れたく無いと言われるなんて私にとっては喜びでしか無いのだから。
「ならば、今夜はずっと離れないでいようか」
「本当?」
「ああ、本当だとも。私はいつだってアズールの願いを叶えたいと思っているのだから」
「ルー、嬉しいっ!!」
可愛いアズールを胸に抱きしめているとこのまま押し倒したくなってしまうが、ここにマクシミリアンとヴェルナーがいることはしっかりと覚えている。
どうしてマクシミリアンと一緒にここにきたんだったかということを思い出して、思わず
「ああっ!!」
と声をあげてしまった。
「ルー? 急にどうしたの?」
「いや、アズールが可愛い話をしてくれたから、大事な話をするのを忘れていたんだ」
「大事な話?」
「ルーディーさま、私たちは外に出ていましょうか?」
「いや、構わん。お前たちにも関わることだからな」
マクシミリアンとヴェルナーは気を利かせてくれようとしたが、一緒にいた方がいいだろう。
そう判断して、私は言葉を続けた。
「アズール、次の特別遠征訓練に私は参加しようと思うのだが、アズールはどう思う?」
「やっぱり行くの?」
「ああ、これからのタイミングを考えたら今回参加しておくのが一番良い選択だと思ったんだ。だが、ちゃんとアズールの意見も聞いておきたくてな」
「アズールは……ルーについていく」
「えっ……アズール、それは……っ」
「冗談だよ。頑張って行ってきてって言う」
「アズール……それは、本心か?」
「うん……アズール、頑張ってルーを見送るよ。だから、今夜はずっと離れないでいて……」
アズールの目に涙が浮かんでいるのが見える。
本当は行ってほしく無いのだろう。
それでもこんなにも健気に私を送り出してくれるのだな。
ああ、本当に私は幸せ者だ。
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