理想の相手見つけました! 〜イケメン33才童貞男がノンケなあの子に恋をする

波木真帆

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理性が飛んでいく※

脱衣所に入っただけで感じるダリルの甘い匂いに興奮してしまう。
どうやらダリルは浴室に入っているみたいだ。

ゴクリと唾を呑み込んで、浴室の扉の前から声をかけた。

『ダリル、大丈夫ですか?』

『あ、シュン! 中に入ってきてください』

なんでもないことのようにそう言われてドキドキするが、裏を返せばダリルは俺に裸を見られても気にならないということだ。
それは俺のことを何の意識もしていないと言われているのと同義だろう。

やはりダリルはゲイではない。
俺がどれだけ意識してもダリルの恋愛対象にはなれないのだ。

人の好みをどうすることもできないのだから仕方がない。
そう思う反面、悲しくも思う。

俺のこれからの人生でダリル以上に好きになれる人はいないだろう。
これからダリルの裸を見てしまったら、もう確定だ。

きっと誰を見てもダリルを思い出してしまうはずだ。

それでも、今この機会を逃すことはできない。
たとえ一生一人になることが確定してもその思い出だけで生きていこう。

流石に自分も裸になって入ることはできず、作務衣を着たまま扉を開けた。
洗い場にあった小さな椅子に腰をかけているダリルと鏡越しに目が合う。
その弾けるような笑顔を見るだけでさっきまでの鬱々とした気持ちが晴れる。

ああ、やっぱり俺はダリルが好きなんだな。

『あ、シュン!』

『何を手伝いますか?』

『背中が届かなくて……背中を洗ってもらってもいいですか?』

そう言ってダリルは俺に泡で出るボディーソープのボトルを渡した。

できるだけダリルの裸を見ないように、床を見ながらダリルに近づきボディーソープをボディスポンジにつけようとした。

『シュン、ごめんなさい。僕……肌が弱くて、手で洗わないと赤くなってしまうんです』

『えっ……』

ダリルの裸を、手で……。

くっ――!!
どうする?

いや、大丈夫。ダリルは後ろを向いているし、多少勃ってもバレないはずだ。
さっさと終わらせて、ダリルが出てくる前に処理しておけばいける!

必死に自分に言い聞かせた俺は震える手で泡をつけ、

『じゃ、じゃあ、洗いますね』

と声も震わせながら、ダリルの背中に触れた。

「――っ!!!」

なんだ、これ!
吸い付くような滑らかな肌。
まるでマシュマロのようにもっちりとしてて気持ちがいい。

色白でこんな綺麗な肌に触れているだけで下半身に熱が溜まってくるのがわかる。
ああ、なんて幸せなんだ……。

今日は俺の人生で最高に幸せな日だ。

幸せを噛み締めるように背中を洗っていると、

『シュンの手、おっきぃから気持ちがいいです』

と蕩けるような甘い声でダリルが言ってくれる。
ダリルは素直に感想を伝えてくれているだけなんだろうが、この状況でおっきぃやら、気持ちがいいやら言われると違うことを想像してしまう。

必死にダリルの裸を直視しないようにしているけれど、ダリルに触れている俺の手が事細かな感触を伝えてくるものだから、とんでもなく興奮してしまっている。

今、後ろを向かれたらやばいくらいの状況に陥っているがどうしようもない。

それでもダリルの肌から離れがたく、ダリルの小さな背中を念入りに洗い終えて、

『背中洗い終わったので、一度流しますか?』

と声をかけた。

これで、俺の手伝いは終わりだ。

さっと洗い流して、さっさとここから離れよう。
そう思ったのだが、神はまた私に試練を与え始めた。

『シュンの洗い方がとっても気持ちが良かったので、こっちも洗ってもらえますか?』

ダリルはそう言いながら、くるっと俺の方に身体ごと振り向いてしまったのだ。

「えっ――!!」

思いがけないこの状況に思考回路が止まってしまっている。

なんせ、座ったまま振り向いてきたダリルの目の前にあるのは、作務衣を大きく押し上げた俺のモノ。
それはどう繕ったって隠せない代物だ。

ダリルは俺の昂りを目の当たりにして、目をぱちくりさせたまま驚いている俺を見上げる。

「ぐぅ――っ!!!」

そのアングルはやばいっ!!

俺の角度からはぷっくりと膨らんだ可愛い乳首も足の間に見える小さな果実のようなペニスも見えるのだから。
そんなダリルがまるで俺のを咥えているように見えるアングルに、俺の昂りはさらに作務衣を押し上げていく。

『わっ!』

『あっ!!』

驚くダリルの声にハッと我に返った俺は、慌てて両手で股間を押さえるがもう遅い。

『あの、シュン……いまの……』

『いや、すみません……あまりにもダリルが可愛くてつい……。ダリルを怖がらせるつもりじゃなかったんです』

奴に襲われて怪我までしているダリルに欲望の象徴のようなものを見せるなんて……俺はバカだ。

『あの、出ていきます……っ』

急いで逃げるように背中を向けた瞬間、

『ちょっと待ってっ!!』

急にダリルが俺の背中に抱きついてきた。

『――っ!!! ダリルっ!!』

こんな状況だというのに、俺の身体はダリルの素肌の感触を生々しく伝えてくる。
そのせいで俺の興奮がさらに増していく。
ああ、もうこれ以上ダリルを怖がらせたくないのに。

『手を離してください……』

震えながらダリルに告げる。
けれど、必死に振り絞った俺の言葉にダリルは俺の予想とは全く違う言葉を投げかけてきた。

『いやです。僕……シュンが好きなんです……っ、だから、行かないでっ!!』

『えっ?』

ダリルが、俺を好き?
嘘だろ?
そんなの、俺が望んだただの夢じゃないか?

あまりのことに足が震える。
俺は後ろ手にダリルを支えながら、ゆっくりと身体の向きを変えた。

裸のダリルと作務衣姿で抱き合う俺。
この状況をまだはっきりと理解できていない。

『あの……今の、言葉……本気、ですか?』

『冗談で、こんなこと……言ったりしません……っ』

少し潤んだ瞳で見上げられ、その瞬間、俺の理性が飛んでいった気がした。
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