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番外編
会いに行こうか
ちょっと書いてしまったその後のお話。
おまけの姪っ子ちゃんsideも楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side尊>
「尊、明日お兄さんの家に行こうか?」
たっぷりと愛されて抱き合って眠った後、二人で並んで温泉に入っていると浬さんが突然そんなことを言ってきた。
「えっ? そんなっ、美鈴のことを気にしているなら別にいいんですよ」
姪っ子の美鈴からのメッセージがたくさん来ていたのを浬さんに知られて、彼女だと勘違いされていた。
すぐに信じてくれたけれど、そのまままたイチャイチャと戯れてしまっていたから美鈴に返事ができていないままだ。
もう流石に美鈴も諦めているだろうし、今更連絡を取らなくてもいいだろう。
俺はそんな気持ちになっていたのに、まさか浬さんから兄の家に行こうと言い出すなんて思ってもなかった。
「だが、数年ぶりに正月に会えるはずだったんだろう? これから親戚になるのに最初から悪い印象を持たれるのも嫌だからな」
「親戚って……」
浬さんがそこまで考えてくれていることに驚いた。
「あの、それって……俺との仲をうちの家族にも伝えるってことですか?」
「私は隠し事をするつもりはないよ。正々堂々と尊を夫にすると発表するつもりだし、君のご両親や親戚にも許しを請うつもりだ」
「もうそこまで……」
もちろんここまで愛し合った以上、浬さんと別れるつもりはないし、一生浬さんのそばにいる覚悟もできているけれど自分の両親に紹介することまではまだ現実的に考えてはなかった。
「言っただろう? 一年半前に尊に一目惚れしてからずっとこれから先のことを考えていたんだ。前社長にも社長として落ち着いたら計画を実行する旨も伝えていたし、それを認めてもらえないようなら社長に就くことも断っていた。私が社長として今一ノ宮グループのトップに立っているというのは、もうすでに会社としても私が男性のパートナーと共にこれから過ごしていくのを認めてくれているということだ」
「それじゃあ、俺のために肩書を捨ててもいいって言ったのは……」
「もちろん、君が社長としての私のそばにいられないというのなら捨てる気なのは今でも変わらない。ただ、会社としてはもう認めているから気にしないでいいよ」
「そんな……っ」
自分がそばにいることで浬さんの立場が悪くなるなら身を引こうと思っていた自分が恥ずかしい。
もうそこまで根回しされていたなんて……。
「だから、今度は尊の方だよ。みんなに認めてもらうためにも一緒に出かけようか。認めてもらえなくても尊を手放すつもりはないことだけは知っておいてもらうけれどね」
「浬さん……」
ここまで俺のことを思ってくれている浬さんがたまらなく愛おしい。
そうだな、こんなに好きな人を隠して両親や親戚に隠して生きていくなんてできない。
「俺、美鈴に連絡しますよ。明日行くって」
スマホを手に取り、たっぷりのメッセージが届いているアプリを開いた。
<明日の午後、そっちに行くから一緒に初詣に行こうか>
それで送ろうかと思ったけれど、一瞬悩んで書き足した。
<俺の婚約者も連れていくから、兄貴にも伝えておいて>
きっと大騒ぎになるだろうな。
それもまた楽しいか。
メッセージを送って、サイレントモードにしてから浬さんに抱きついた。
「尊、どうした?」
「出かけるまでまだ時間があるから、イチャイチャしたい。いい?」
欲望を一気に解放して誘うと、浬さんの表情が紳士から獣に変わる。
それを見るだけで身体の奥がゾクゾクしてしまう。
もう俺はすっかり浬さんに身体を作り変えられてしまったみたいだ。
もう女を抱くこともできない。その責任をとってもらわないとな。
そうしてその日も遅くまで、たっぷりと欲望の蜜を注がれ続けた。
ああ、俺は本当に幸せだ。
<side美鈴>
「もう、尊お兄ちゃんってば全然メッセージ返してくれない!」
「もういい加減にしなさい。尊さんも忙しいのよ」
「だってー!」
パパの弟の尊お兄ちゃんはものすごいイケメン。
パパもかっこいい部類には入るけど、尊お兄ちゃんは芸能人みたいにかっこよくて、私の憧れ。
年末の誕生日にはいつもプレゼントを贈ってくれるけれど、それがまたセンスが良くて最高。
友達からも羨ましがられるんだけど忙しくてなかなか会えない。
いつも年末年始は海外に行ってるから、会えるのはお盆の数日だけ。
それなのに、今年はお正月に日本にいるって聞いてこれはチャンスだと思った。
一緒に初詣に行こうと頼んだら行けそうなら連絡するって言ってくれた。
これは行ってくれるってことだよね?
でもママは、大人の社交辞令だから期待しない方がいいって言ってくる。
でも私には社交辞令なんて関係ない!
絶対に一緒に行きたくて何度も何度もメッセージを送ったけど、見ている様子もない。
はぁーーっ。
あっという間に三が日も終わったし、やっぱりダメだったのかなって思ってたら突然尊お兄ちゃんからメッセージが来た。
<明日の午後、そっちに行くから一緒に初詣に行こうか>
一瞬見間違えかと思った。
でも何度見てもこっちにくるって書いてある!!
「ママー! パパー! 尊お兄ちゃん来るってー! 一緒に初詣行ってくれるって~!!」
嬉しくて大声で叫びながらパパとママのところに駆け寄っていた私のスマホに時間差でもう一度メッセージが届いた。
<俺の婚約者も連れていくから、兄貴にも伝えておいて>
えっ? こ、婚約者?
う、うそでしょ?
信じられない気持ちのままパパとママにそのメッセージを伝えると、さっきの私以上に大声を出して叫んでいた。
尊お兄ちゃんが婚約……。
そのショックに身体が震えたけれど、翌日尊お兄ちゃんが連れてきたのがとんでもないイケメンなスパダリで、あまりの嬉しさにママと手を取り合ってはしゃいでしまったのはいうまでもない。
おまけの姪っ子ちゃんsideも楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side尊>
「尊、明日お兄さんの家に行こうか?」
たっぷりと愛されて抱き合って眠った後、二人で並んで温泉に入っていると浬さんが突然そんなことを言ってきた。
「えっ? そんなっ、美鈴のことを気にしているなら別にいいんですよ」
姪っ子の美鈴からのメッセージがたくさん来ていたのを浬さんに知られて、彼女だと勘違いされていた。
すぐに信じてくれたけれど、そのまままたイチャイチャと戯れてしまっていたから美鈴に返事ができていないままだ。
もう流石に美鈴も諦めているだろうし、今更連絡を取らなくてもいいだろう。
俺はそんな気持ちになっていたのに、まさか浬さんから兄の家に行こうと言い出すなんて思ってもなかった。
「だが、数年ぶりに正月に会えるはずだったんだろう? これから親戚になるのに最初から悪い印象を持たれるのも嫌だからな」
「親戚って……」
浬さんがそこまで考えてくれていることに驚いた。
「あの、それって……俺との仲をうちの家族にも伝えるってことですか?」
「私は隠し事をするつもりはないよ。正々堂々と尊を夫にすると発表するつもりだし、君のご両親や親戚にも許しを請うつもりだ」
「もうそこまで……」
もちろんここまで愛し合った以上、浬さんと別れるつもりはないし、一生浬さんのそばにいる覚悟もできているけれど自分の両親に紹介することまではまだ現実的に考えてはなかった。
「言っただろう? 一年半前に尊に一目惚れしてからずっとこれから先のことを考えていたんだ。前社長にも社長として落ち着いたら計画を実行する旨も伝えていたし、それを認めてもらえないようなら社長に就くことも断っていた。私が社長として今一ノ宮グループのトップに立っているというのは、もうすでに会社としても私が男性のパートナーと共にこれから過ごしていくのを認めてくれているということだ」
「それじゃあ、俺のために肩書を捨ててもいいって言ったのは……」
「もちろん、君が社長としての私のそばにいられないというのなら捨てる気なのは今でも変わらない。ただ、会社としてはもう認めているから気にしないでいいよ」
「そんな……っ」
自分がそばにいることで浬さんの立場が悪くなるなら身を引こうと思っていた自分が恥ずかしい。
もうそこまで根回しされていたなんて……。
「だから、今度は尊の方だよ。みんなに認めてもらうためにも一緒に出かけようか。認めてもらえなくても尊を手放すつもりはないことだけは知っておいてもらうけれどね」
「浬さん……」
ここまで俺のことを思ってくれている浬さんがたまらなく愛おしい。
そうだな、こんなに好きな人を隠して両親や親戚に隠して生きていくなんてできない。
「俺、美鈴に連絡しますよ。明日行くって」
スマホを手に取り、たっぷりのメッセージが届いているアプリを開いた。
<明日の午後、そっちに行くから一緒に初詣に行こうか>
それで送ろうかと思ったけれど、一瞬悩んで書き足した。
<俺の婚約者も連れていくから、兄貴にも伝えておいて>
きっと大騒ぎになるだろうな。
それもまた楽しいか。
メッセージを送って、サイレントモードにしてから浬さんに抱きついた。
「尊、どうした?」
「出かけるまでまだ時間があるから、イチャイチャしたい。いい?」
欲望を一気に解放して誘うと、浬さんの表情が紳士から獣に変わる。
それを見るだけで身体の奥がゾクゾクしてしまう。
もう俺はすっかり浬さんに身体を作り変えられてしまったみたいだ。
もう女を抱くこともできない。その責任をとってもらわないとな。
そうしてその日も遅くまで、たっぷりと欲望の蜜を注がれ続けた。
ああ、俺は本当に幸せだ。
<side美鈴>
「もう、尊お兄ちゃんってば全然メッセージ返してくれない!」
「もういい加減にしなさい。尊さんも忙しいのよ」
「だってー!」
パパの弟の尊お兄ちゃんはものすごいイケメン。
パパもかっこいい部類には入るけど、尊お兄ちゃんは芸能人みたいにかっこよくて、私の憧れ。
年末の誕生日にはいつもプレゼントを贈ってくれるけれど、それがまたセンスが良くて最高。
友達からも羨ましがられるんだけど忙しくてなかなか会えない。
いつも年末年始は海外に行ってるから、会えるのはお盆の数日だけ。
それなのに、今年はお正月に日本にいるって聞いてこれはチャンスだと思った。
一緒に初詣に行こうと頼んだら行けそうなら連絡するって言ってくれた。
これは行ってくれるってことだよね?
でもママは、大人の社交辞令だから期待しない方がいいって言ってくる。
でも私には社交辞令なんて関係ない!
絶対に一緒に行きたくて何度も何度もメッセージを送ったけど、見ている様子もない。
はぁーーっ。
あっという間に三が日も終わったし、やっぱりダメだったのかなって思ってたら突然尊お兄ちゃんからメッセージが来た。
<明日の午後、そっちに行くから一緒に初詣に行こうか>
一瞬見間違えかと思った。
でも何度見てもこっちにくるって書いてある!!
「ママー! パパー! 尊お兄ちゃん来るってー! 一緒に初詣行ってくれるって~!!」
嬉しくて大声で叫びながらパパとママのところに駆け寄っていた私のスマホに時間差でもう一度メッセージが届いた。
<俺の婚約者も連れていくから、兄貴にも伝えておいて>
えっ? こ、婚約者?
う、うそでしょ?
信じられない気持ちのままパパとママにそのメッセージを伝えると、さっきの私以上に大声を出して叫んでいた。
尊お兄ちゃんが婚約……。
そのショックに身体が震えたけれど、翌日尊お兄ちゃんが連れてきたのがとんでもないイケメンなスパダリで、あまりの嬉しさにママと手を取り合ってはしゃいでしまったのはいうまでもない。
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