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メルヘンチックなカフェ
「もう大丈夫。下ろしていいよ」
そういうと、アルはちょっと勿体無いという表情を浮かべながらも俺を下ろしてくれた。
「理玖、初めてのお化け屋敷はどうだった?」
お化け屋敷から出てきた香月に感想を求められる。
どうだったと尋ねられても、最初らへんで脱落して、あとはアルに抱きかかえてもらっていたから、ほとんど覚えていない。俺の記憶に残っているのは、アルの安心する匂いと温もりだけだ。
とりあえず正直に怖かったと告げると、香月も共感してくれたみたいだ。
一応腰が抜けていたのは治ったけれど、まだすぐには動き回れそうにない。
「香月、叫びすぎて喉乾いたんじゃないか? あそこでちょっと休憩しよう」
すぐ近くにカフェがあったのを思い出して誘ってみた。
メルヘンチックなカフェだから、香月は絶対に誘いに乗ってくれると思ったけれど、予想以上に喜んでくれて助かる。
絵本さながらの可愛い置物が並べられたそのカフェを見ていると、ドイツに住んでいた頃を思い出す。
「せっかくだから、雰囲気を楽しむためにも店内ではドイツ語で過ごそうか?」
「わぁ、それ楽しそう! 良いだろう、香月」
まるで俺の頭の中を読んだみたいに、アルがドイツ語で話すことを提案してくれて嬉しい。
香月も早瀬さんもすぐに賛同してくれるからありがたい。
というか、香月は早瀬さんがドイツを話すのが好きなんだよな。
俺も、アルのドイツ語を聞くのが好きだから気持ちがよくわかる。
カフェに入ると、店中のあちらこちらから視線を感じる。
でもそれは無理もない。カフェにいる店員もお客さんも全員が女性。
そこにアルや早瀬さんみたいな見るからにイケメン王子や、香月みたいな可愛い系の王子が入ってきたら目を惹くのは当たり前だ。俺は……なんで一緒にいるんだろう……とか思われてなければいいけど。
『リク。私から離れるな。みんながリクを狙ってる』
小声な上に、しかもネイティブなドイツ語だから俺以外には全く聴こえていないだろう。
だけど、みんなが俺を狙ってるなんて、いくら恋人だからって言い過ぎだ。
『何言ってるの。それはアルだよ。みんな、アルを見て目をハートにしてるし』
俺のなのに……
なんて気持ちが込み上げる。
でもアルは、俺がそんなことを言っても周りに視線を向けることはしない。
ずっと俺に寄り添って、俺だけを見てくれる。
だから、心配はしないんだ。
俺とアルが先にレジに並ぶ。
レジスタッフは俺の顔を見て、日本語のメニューを渡そうとしたけれど俺は先に英語で書かれたメニューを手に取った。
ドイツ語しか話せない設定にしようかと思ったけれど、ドイツ語のメニューファないから仕方がない。
俺とアルの二人で話す時はドイツ語で、注文するのは英語で伝えるとなんとか伝わったみたいだ。
マロンパフェとチーズケーキ、そしてブラックのアイスコーヒーとアイスカフェラテを頼み、香月たちとレジを代わる。
注文したものをトレイごと渡され、俺が受け取ろうとしたけれどその前にアルが軽々と片手で受け取った。
『どこに座ろうか?』
俺の問いにアルはすぐに席を決めた。
アルが選んだのは、可愛い中庭が見える少し広めのテーブル席。
あそこなら、周りの視線も気にならなさそうだ。
アルは自分も店をやっているからか、どこがこの店で一番いい席なのかを瞬時に見分けることができる。
俺たちはもちろん並んで座り、香月と早瀬さんが来るのを待った。
『理玖は何頼んだの?』
席にやってきた香月は、すぐにそれを尋ねてきた。
香月たちのトレイにはプリンパフェとティラミスが載っている。
俺が悩んだやつだ。やっぱり香月とは食べ物の好みが似ている。
香月は早瀬さんと食べさせ合いながら、楽しそうにスイーツを食べ進める。
俺も、アルの口元にチーズケーキを持っていくと、アルはこの上なく嬉しそうな笑みを浮かべて食べてくれた。
『美味しいな』
『ね、ここのチーズケーキ、イケるよね』
中にいちじくが入っている少し珍しいチーズケーキだけど、食感が面白くて美味しい。
『もちろん味も美味しいが、リクが食べさせてくれたから余計に美味しいんだよ』
耳元で甘く囁かれてドキッとする。
『じゃあ、アルも俺に食べさせてよ』
アルをドキッとさせてみたくてそう告げると、アルは嬉しそうに俺の口にマロンクリームを運んだ。
そういうと、アルはちょっと勿体無いという表情を浮かべながらも俺を下ろしてくれた。
「理玖、初めてのお化け屋敷はどうだった?」
お化け屋敷から出てきた香月に感想を求められる。
どうだったと尋ねられても、最初らへんで脱落して、あとはアルに抱きかかえてもらっていたから、ほとんど覚えていない。俺の記憶に残っているのは、アルの安心する匂いと温もりだけだ。
とりあえず正直に怖かったと告げると、香月も共感してくれたみたいだ。
一応腰が抜けていたのは治ったけれど、まだすぐには動き回れそうにない。
「香月、叫びすぎて喉乾いたんじゃないか? あそこでちょっと休憩しよう」
すぐ近くにカフェがあったのを思い出して誘ってみた。
メルヘンチックなカフェだから、香月は絶対に誘いに乗ってくれると思ったけれど、予想以上に喜んでくれて助かる。
絵本さながらの可愛い置物が並べられたそのカフェを見ていると、ドイツに住んでいた頃を思い出す。
「せっかくだから、雰囲気を楽しむためにも店内ではドイツ語で過ごそうか?」
「わぁ、それ楽しそう! 良いだろう、香月」
まるで俺の頭の中を読んだみたいに、アルがドイツ語で話すことを提案してくれて嬉しい。
香月も早瀬さんもすぐに賛同してくれるからありがたい。
というか、香月は早瀬さんがドイツを話すのが好きなんだよな。
俺も、アルのドイツ語を聞くのが好きだから気持ちがよくわかる。
カフェに入ると、店中のあちらこちらから視線を感じる。
でもそれは無理もない。カフェにいる店員もお客さんも全員が女性。
そこにアルや早瀬さんみたいな見るからにイケメン王子や、香月みたいな可愛い系の王子が入ってきたら目を惹くのは当たり前だ。俺は……なんで一緒にいるんだろう……とか思われてなければいいけど。
『リク。私から離れるな。みんながリクを狙ってる』
小声な上に、しかもネイティブなドイツ語だから俺以外には全く聴こえていないだろう。
だけど、みんなが俺を狙ってるなんて、いくら恋人だからって言い過ぎだ。
『何言ってるの。それはアルだよ。みんな、アルを見て目をハートにしてるし』
俺のなのに……
なんて気持ちが込み上げる。
でもアルは、俺がそんなことを言っても周りに視線を向けることはしない。
ずっと俺に寄り添って、俺だけを見てくれる。
だから、心配はしないんだ。
俺とアルが先にレジに並ぶ。
レジスタッフは俺の顔を見て、日本語のメニューを渡そうとしたけれど俺は先に英語で書かれたメニューを手に取った。
ドイツ語しか話せない設定にしようかと思ったけれど、ドイツ語のメニューファないから仕方がない。
俺とアルの二人で話す時はドイツ語で、注文するのは英語で伝えるとなんとか伝わったみたいだ。
マロンパフェとチーズケーキ、そしてブラックのアイスコーヒーとアイスカフェラテを頼み、香月たちとレジを代わる。
注文したものをトレイごと渡され、俺が受け取ろうとしたけれどその前にアルが軽々と片手で受け取った。
『どこに座ろうか?』
俺の問いにアルはすぐに席を決めた。
アルが選んだのは、可愛い中庭が見える少し広めのテーブル席。
あそこなら、周りの視線も気にならなさそうだ。
アルは自分も店をやっているからか、どこがこの店で一番いい席なのかを瞬時に見分けることができる。
俺たちはもちろん並んで座り、香月と早瀬さんが来るのを待った。
『理玖は何頼んだの?』
席にやってきた香月は、すぐにそれを尋ねてきた。
香月たちのトレイにはプリンパフェとティラミスが載っている。
俺が悩んだやつだ。やっぱり香月とは食べ物の好みが似ている。
香月は早瀬さんと食べさせ合いながら、楽しそうにスイーツを食べ進める。
俺も、アルの口元にチーズケーキを持っていくと、アルはこの上なく嬉しそうな笑みを浮かべて食べてくれた。
『美味しいな』
『ね、ここのチーズケーキ、イケるよね』
中にいちじくが入っている少し珍しいチーズケーキだけど、食感が面白くて美味しい。
『もちろん味も美味しいが、リクが食べさせてくれたから余計に美味しいんだよ』
耳元で甘く囁かれてドキッとする。
『じゃあ、アルも俺に食べさせてよ』
アルをドキッとさせてみたくてそう告げると、アルは嬉しそうに俺の口にマロンクリームを運んだ。
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はい、それです!
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いちじくと名の付くものはついつい買ってしまうほど大好物です✨
季節ものなんで年中無いのがさみしいんですけどねぇ。
いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
ふふ🤭この二人は波木ワールドのニャンコの中で危険ですよね。(いろんな意味で笑)
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