俺の天使に触れないで  〜アルと理玖の物語〜

波木真帆

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俺とアルの日常と香月の事件


このお話は
『俺の天使に触れないで 隆之と晴の物語』 41話目 『無事でいてくれ!』のアルと理玖sideのお話です。
併せて読んでいただけるとさらに楽しんでいただけるかと思います。


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今日シュパースは定休日。
ということで、昨日からアルの家に泊まりに来ている。
これももういつものことだ。

店で賄いを食べてからアルの家に行くから、家ではワインを飲みながら、チーズやフルーツを少し食べるくらい。

BGMにドイツのクラシック音楽やポップミュージックなんかをランダムに流しながら、2人でたわいもない話をする。

アルは俺が居る時はテレビはつけない。
どうやらテレビに俺の視線が向かうのが嫌らしい。
テレビにまで嫉妬するってどういうことだよ。

そう思いながらも、2人でいる間ずっと俺の方ばかり見てくれるアルが好きでたまらないんだ。
アルはドイツ人だし、俺にいつも愛を囁いてくれる。
俺もずっと外国暮らしだったから素直に気持ちを伝えることに抵抗はない。
だけど、最近俺の方が好きな気持ちが強すぎるんじゃないかと思って少し恥ずかしくなっている。

一緒にお風呂に入って身体を満遍なく触られ……いや、洗ってもらって、ホカホカになったところでベッドに連れて行かれるのもお約束。

週に一度のこのお泊まりの日しかアルと繋がるのは出来ないから、できる日はついつい朝までコースだ。
翌日は足腰がフラフラになって昼過ぎからしか動けないけど仕方ない。

今日も明け方近くまでアルにじっくり愛されて身体は疲れているけど、1週間で擦り減ったアルを思う存分充電できて心は大満足だ。

アルも全身で俺を好きだと言ってくれるから会うたびに心が満ちて行く。

お昼を過ぎてようやく身体が動くようになって来た。
アルに抱き抱えられてシャワーを浴びて、アルの手料理で朝昼兼用ご飯を食べる。

今日はトマトとバジルのパスタだ。
ちゃんとスープも付いていて手が込んでいる。
お腹もいっぱいになって、これから何しよっかと話していると、突然アルのスマホが鳴った。

「悪い、電源を切っておくのを忘れていたようだ。リク、ちょっとすまない」

そう言って電話を取ると、アルの声が少し変わった気がした。
何かあったんだろうか?

気になってアルに声をかけると、どうやら相手は早瀬さんだったらしい。

店で変なことはなかったかって……。

そういえば、昨日Keller地下貯蔵庫からアプフェルショーレが3本無くなってたっけ。
数え間違いだと思ってたけど、注文で出た数とも合ってなかったんだよな。
一応、鷹斗さんに報告して調べておくって言ってくれてたんだよね。

その話をしたら、アルは慌てて電話口の早瀬さんに報告をしてた。

電話を切った時にはアルの顔は青褪めてて、どうしたの? って聞いたら、香月が誰かに連れ去られたみたいだって……。

俺はびっくりした。
香月が誰かに狙われてるらしいとは知っていたけど、こんな昼間から連れ去られるなんて漫画や小説みたいなことが実際に起こったことに驚いたんだ。

俺たちは慌てて準備をして、早瀬さんの送ってきてくれた住所の場所へと向かった。

指示された場所はとあるスタジオだった。
どうやらポスター撮影をしていた最中にここから連れ去られたらしい。

犯人が真島かもしれないということで、俺は連れ去られた先は香月の家じゃないかと思った。
あそこなら誰も来ないし、そのまま置き去りにしてもバレることもない。
学生用のアパートだ、鍵はなくとも壊して侵入するのも難しいことではないだろう。

そう思って早瀬さんたちみんなを香月のアパート近くまで連れて行った。
俺の予想通り香月はアパートにいた。
俺が部屋についた時には香月は意識がなく、ぐったりとした様子で担架で運ばれて行くところだった。

俺は咄嗟にジャケットを香月の顔にかけ、救急車を見送った。

このままいても邪魔になるだろうとアルに言われて、俺たちはアルの家に帰った。
本当なら今日は自分の家に帰るはずだったけれど、香月の様子を見て落ち込んでいる俺を1人にしておけないとアルに連れて帰られたんだ。

それから数日アルの家に泊まらせてもらった。
アルの元には早瀬さんから逐一香月についての連絡が入っていたからだ。

薬を飲まされていたけれど、特に問題もなく退院できたと話を聞いた時は嬉しくて涙が出た。
そんな俺をアルはずっと抱きしめてくれていた。

犯人も捕まったらしいと話を聞いて、やっと香月も落ち着けるなと思っていた。
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