ひとりぼっちのぼくが異世界で公爵さまに溺愛されています

波木真帆

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第四章 (王城 過去編)

フレッド   31−2

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ユージーンを止め、馬から降りようと思ったところで気づいた。
どうやって降りるのがシュウを怖がらせずにすむのかということに。

うーん、私が抱いて降りたとしても怪我をさせることはまずないと自信持って言えるのだが、如何せん高すぎる。
ヒョイっと降りればいいのだが、高さがあるから怖がるかもしれないな。
いっそのこと目を塞いでやるか?

そう考えを張り巡らせていると、ヒューバートが馬から降りて急いで我々の元に駆け寄ってきた。
何事かと問えば、シュウが馬から降りるのを手伝うという。

ヒューバートが言ってくれたことはよくわかる。
しかし、シュウのことを考えて申し出てくれたこととは頭ではわかってはいても、ヒューバートがシュウの手を握り腕の中で抱きしめるなど許せるはずがない。

ヒューバートにそんなことを頼むくらいなら、私が抱いたまま降りてやる。

シュウに手を差し伸べるヒューバートに『いや、いい』と断り、シュウに私が抱いたまま降りるから怖がらないでいいと声をかけようとしたところで、もう1人シュウに手を差し伸べる人物が現れた。

アンドリュー王だ。

アンドリュー王は私とヒューバートのやりとりを見て急いで馬を降り、我々の元にやってきてくれたのだ。
確かにその心遣いは大変嬉しい。

ヒューバートに頼むくらいならば、アンドリュー王の方がどれだけマシか。
いや、マシなどと言っては恐れ多いな。

しかし、シュウがアンドリュー王の手を握り、アンドリュー王の胸に飛び込んでいく……ゔぅー、考えただけで嫌になるが、こうやって差し伸べられた手を払い落とすわけにもいかない。

うーん、ここはアンドリュー王に頼むしかないか。

アンドリュー王はシュウにとっては身内も同然。
そうだ、家族だ。

私は必死に自分をそう納得させて、息を整えてからシュウに
『怪我をすると危ないから陛下にお願いしよう』とアンドリューさまの手を取るように促した。

シュウは不思議そうな顔をしながらも、私のいう通り、アンドリュー王に手を差し出した。
シュウの手がアンドリュー王の手に包まれる。

そのことに一瞬苛立ちは感じたものの、今はシュウのことだけを考えようと心を落ち着かせた。

アンドリュー王はシュウの手をしっかりと握ると、キュッと引っ張った。
その瞬間、シュウの身体は私の足の間からアンドリュー王の胸元にと飛んでいってしまった。

ストっと軽やかな音と共にシュウはアンドリュー王の大きな身体にすっぽりと覆われた。
シュウのあの安心しきった表情に胸がチリチリと痛くなる。

これ以上シュウを抱いて欲しくないと私は急いで馬から降りた。

そして、アンドリュー王の腕の中からシュウを引き抜き、思いっきりシュウを抱きしめた。

時間にしてほんの数十秒なのかもしれないが、シュウが他の男の腕に抱かれているのを見るのは本当に苦行のような思いだった。

シュウはまだ抱いている相手がアンドリュー王だと思っているのか、顔を擦り寄せ思いっきり息を吸い込んでハッとし表情で私を見上げた。

「えっ?」

なんでフレッドが? と言わんばかりの声に思わず、

「シュウ、私の腕の中では不満か?」

と尋ねると、シュウは満面の笑みで『フレッドの匂いがするなぁと思ったらフレッドだったからびっくりしたんだ』と教えてくれた。

シュウが私の匂いを覚えてすぐにアンドリュー王じゃないことに気づいてくれたことが嬉しくて、アンドリュー王たちの前だということも忘れてシュウをそのまま強く抱きしめ続けた。

アンドリュー王に抱き合うのはその辺にしてそろそろ店に入ろうと促され、私は急いでシュウを離した。
そして、今度はシュウの腕を絡め店に向かって歩き始めた。

「アルフレッド、私にまであれほど嫉妬せずとも良いだろうに……」

アンドリュー王はそう呆れたように言っていたが、きっと相手がトーマ王妃ならばきっとアンドリュー王も同じように私に嫉妬したはずだ。
我々は似たもの同士なのだからこれはきっと間違い無いだろう。

馬から降り少し歩いた先にあったアンドリュー王のおすすめの店は、ゆったりとくつろげそうな落ち着いた雰囲気の店。
その扉を開けると、シュウの好きな香ばしい焼き菓子の香りで溢れていた。

シュウに目を向けると、スンスンと甘い焼き菓子の香りに酔いしれている。
シュウのこんな仕草が愛おしくてたまらないのだ。

アンドリュー王はそんなシュウの様子を嬉しそう見つめていたが、シュウにトーマ王妃へお土産を買っていきましょうというと、途端に目を細めて幸せそうに笑っていた。
きっとトーマ王妃が喜ぶ姿でも想像したのだろう。
やはり2人は仲睦まじいな。

店主は突然現れた国王の姿に驚き、口ごもりながら一生懸命アンドリュー王に挨拶をし始めた。
そんな店主の様子を気遣ったのか、アンドリュー王が
『堅苦しい挨拶はいい。先に部屋に案内してくれぬか?』というと、
店主は安堵の表情を浮かべ、『こちらへどうぞ』と奥の個室へと案内してくれた。

アンドリュー王は席に着くとすぐに、シュウのためにこの店に来たことを告げ、シュウのためにこの店にある菓子を全種類少量ずつ持ってくるようにと店主に頼んだ。

店主は、国王であるアンドリュー王がここまで甘やかすこの子が一体どういう存在なのか気になっていることだろう。

なにしろ国王はトーマ王妃を溺愛していて、他の者には目もくれないというのが国民の……いや、オランディアの常識になっているのだからな。

それなのに、髪の色が違うとはいえ、トーマ王妃と雰囲気に似ている美しい女性に丁重なおもてなしをしている姿にさぞ驚いているに違いない。
それどころか、変な噂でも立ちはしないかとさえ思ってしまう。

店主にはそれとなく、我々の関係を伝えたほうがいいのではないか。
私が色々と考えを張り巡らせている間に、シュウはアンドリュー王と楽しい会話を繰り広げている。
まぁ話題はやはりというか、なんというかトーマ王妃のことであるから私は何にも心配はしていないが、さっき手を取り合った2人の姿を思い出すとほんの少し嫉妬してしまう。


仲良さげに話す2人の姿を眺めていると、店主と店員が数人やってきてテーブルの上に手早く菓子と紅茶を並べていく。
流石に少量とはいえ、全種類並ぶと壮観だ。

シュウは並べられた菓子を前に

「わぁっ、美味しそう~!!」

と感嘆の声を上げた。
その声に店主らは満面の笑みを浮かべている。

普通貴族の令嬢たちは例え嬉しいことがあったとしてもここまで大声を上げることはない。
大口を開けることははしたないと思われるからだ。

シュウも本来ならばマナー違反だと言われるだろう。
しかし、シュウの喜びの声は人を幸せにさせるのだ。
シュウの声に皆一様に笑みを浮かべるのが証拠だ。
それがわかっているから、私はシュウの心からの賛辞の言葉を咎めることは絶対にしない。

アンドリュー王もそんなシュウの声に目を細めて喜んでいる。
きっとトーマ王妃もこうやって嬉しい時に声を上げるのだろうな。

本当にシュウとトーマ王妃はよく似ている。

シュウはテーブルに並べられた菓子を前にどれから手をつけようか悩んでいる様子だ。
ならば、私が食べさせてやろう。

そう思って手を伸ばすと、先にアンドリュー王の手が菓子皿に伸びた。
そしてそのまま

「シュウ、これはトーマが一番好きなお菓子だぞ」

とシュウに菓子を勧め出した。

シュウに菓子を勧めるのはいい。
だが、一番最初にシュウが口にするのは私が勧めたものでなければ!

私はアンドリュー王の手を遮るようにシュウに
『シュウ、こっちのも美味しそうだぞ』
と目の前で勧めてやった。

店主はそんな我々の様子を不思議そうに眺めながらも、口に出すことは憚られたようで
『どうぞごゆっくりお召し上がりください』とだけ言って、部屋を出ていった。

「ほら、シュウ。あーんして」

私がそういうと、シュウは可愛らしい口を開けた。
もうすっかり私の手から食べることに躊躇いはないようだ。

とりあえず、アンドリュー王の勧めたものよりも先に私の勧めた菓子を口にしたのだから良しとしよう。

シュウは私が口に入れてやった菓子を幸せそうに頬張り、

「おいし~いっ!」

と言ってくれた。
それだけで大満足だ。

だが、

「シュウ、こっちのも食べてみてくれ」

とアンドリュー王に言われて、口を開けようとしたのを私は見逃さなかった。
咄嗟に気づいて慌てて口を手で押さえたのは褒めるが、そもそも口を開けようとしてしまったことはお仕置き案件だな。

シュウはアンドリュー王から勧められた焼き菓子を頬張って、それも美味しそうに笑顔を浮かべた。

甘いものが好きなシュウのことだ。
出されたものは全部食べたいだろうが、シュウにはきっと無理だろう。
土産として持って帰るのは別として、残ったものは私とアンドリュー王で食べるから安心しろというとシュウは安堵の笑顔を見せた。

焼き菓子とそれに合う濃い紅茶で憩いのひと時を過ごしながら、三人で会話を楽しんでいると、突然部屋の外からヒューバートの『ちょっと落ち着きなさい!!』という大きな声が聞こえた。

いつも冷静なヒューバートがこんなにも声を荒らげるとは一体何事だろうか。

私はアンドリュー王と目で合図をしながら、何かあった場合には身を挺してシュウを守ろうと考えていた。

しんと静まり返った部屋で外の様子を伺っていると、

「ここに陛下がいらっしゃるって聞いて来たんだ! 陛下に会わせてくれっ! どうしてもお会いして話がしたいんだ!!!」

「だめだ! 陛下は今日は公務ではない。陛下にお会いしたいのならきちんと手順を踏んで陛下のお許しをいただいてからにしろ」

「そんな悠長に待っていられない!! すぐにでも陛下にお会いしなければいけないんだ!!」

とヒューバートと何者かが言い争う声が聞こえる。

どうやら目的はアンドリュー王のようだ。
わざわざここにいると知ってやってきたところを見ると、よっぽどの理由がありそうだ。

ガチャガチャと扉が回される音にシュウは少し怯えた表情を見せ、

「アンドリューさま……」

恐怖に満ちた声でアンドリュー王に声を掛ける。

アンドリュー王はシュウを安心させるために、私にシュウを守っているようにと指示を出して扉へと向かった。


「何の騒ぎだ!!!」

突然目の前に現れたアンドリュー王の姿に、扉の前で騒いでいた者はもちろん、ヒューバートさえも驚きの表情を浮かべている。

とてつもなく怒っている様子のアンドリュー王を前に、ヒューバートはすぐに謝罪の言葉を述べ、すくにその者を帰らせると言ったのだが、騒ぎを起こしていた者はハッとした顔でヒューバートの手を掻い潜り、アンドリュー王の前に跪いた。

「国王さま! どうして私が肖像画の絵師に選んでいただけなかったのか、理由をお聞かせください!」

顔を床に擦り付けんばかりに頭を下げ、理由を教えてくれと必死に頼むその姿はただごとではない。
その者のあまりにも真剣な様子に私はもしや……とある考えが頭をよぎった。

「其方は……ジョブラン・ギーゲル画伯か」

アンドリュー王のその言葉にやはりそうかと納得せざるを得なかった。
床に跪く彼からは普通の一般人には見られない、人を惹きつける独特の雰囲気を纏っていたからだ。

ジョブラン・ギーゲル画伯……彼の功績は一言では語り尽くせない。
彼はこのオランディアに存在した画家の中で、最も絵画らしい絵画を描いた画家だと言われている。
つまり、他者に的確に内容や意図が伝わることを最も上手く表現した画家ということだ。
彼の構図をより美しく見せる繊細な筆触、色鮮やかで情熱的な筆致で描かれた的確でわかりやすい表現は見るものを感嘆させる。
ありきたりな構図だからこそ、その素晴らしさが光るのだ。
彼の描く絵は後世の画家に多大な影響を与えたといえる。

私はそこまで美術史に造詣は深くないが、それでもギーゲル画伯のことは目にしていた。
まさかギーゲル画伯をこの目で見ることができるとは……。
なんという僥倖だろうか。

ああ、目の前で動くギーゲル画伯を見るだけで感動すらしてしまうな。

彼がさっきアンドリュー王に訴えていた肖像画の絵師の話。
おそらくシュウに決まらなければ彼に決まっていたことだろう。
きっとカーティスからもう打診があったのに違いない。

彼はそれを最高の栄誉だと思っていたはずだ。
だからこそこのような強行に及んだんだろう。
処罰を覚悟してでも自分が選ばれなかった理由を聞きたいと思うのは当然だ。

とはいえ、彼のためにシュウを肖像画の絵師から外すことはできない。
我々が元の時代に戻れる可能性はもうあのシュウの絵しかないのだから。

アンドリュー王はギーゲル画伯の思いを慮って、優しく諭すように話しかけたが、やはり理由を言わなければ納得しないようだ。
どうすれば彼を傷つけずに納得してもらえるだろうかと思っていると、シュウが突然ギーゲル画伯と話したいと言ってきた。

しかし、いくら高尚な画伯とはいえ、彼の怒りの矛先がシュウに向くのは許せない。
ダメだと言おうとしたのだが、シュウの熱心な頼みに反対などできなかった。

私も一緒についていくことを約束させると、シュウはギーゲル画伯に近づいた。

シュウが声をかけるとギーゲル画伯は驚いた表情でシュウを見上げた。

「貴方は……?」

と問われ、シュウは正直にアンドリュー王とトーマ王妃の肖像画を描くことになった者だと答えた。

ギーゲル画伯は信じられないと言った表情でシュウに画家なのか? と問いかけたが、シュウが答えるよりも先に私が

「彼女は画家ではない。私の大切な伴侶だ」

と言ってやると、ギーゲル画伯は驚き、シュウは顔を真っ赤にして私に文句を言ってきた。

ギーゲル画伯の方は私の言ったことがよく理解できないようだったが、

「一体どういうことなのですか?」

と尋ね返してきた。

まぁ普通はそう思うだろうなと思っていると、隣にいたヒューバートがギーゲル画伯に我々とアンドリュー王との関係を説明してくれた。

すると、我々が王族だとわかって床に平伏し謝罪をした。
その後で、

「なぜ、奥方さまが国王さまと王妃さまの肖像画の絵師をされるのですか?」

と改めて尋ねてきた。
まぁそれはそうだろう。
しかし、シュウが身内だから選ばれたと思われるのが一番困るのだが……。

シュウはどう答えようか悩んでいるようだったが、ギーゲル画伯が一番納得してくれる方法があるではないか。

「シュウが描いた絵をギーゲル画伯に見せてはどうか?」

そう提案すると、シュウは言葉を詰まらせまだ悩んでいるようだったが、アンドリュー王もさっきまで描いていた絵を見せてやってほしいと頼むと、流石に断れないようだった。

どうやら描きかけの絵を見せるのが恥ずかしかったようだが、あれは恥ずかしがるような絵ではない。
あれを見せればきっと、いや、必ず納得するはずだ。

シュウは座っていた席の隣においていた画板から絵を外し、それをアンドリュー王に手渡した。
アンドリュー王はその絵を見ると、得も言われぬ表情を浮かべ、それを画伯に手渡した。

ギーゲル画伯はそれを恭しく受け取ると、シュウの描いた絵を穴が開くほどじっくりと見つめていた。

高尚な画家だからこそ、シュウの絵の素晴らしさがわかるはずだ。
ギーゲル画伯は現実が受け入れられないと言った様子でゴクリと唾を飲み込んだ。

そしてその絵を本当にシュウが描いたとわかると、ギーゲル画伯は突然涙を流し始めた。
シュウの絵の凄さが理解できたのだろう。

シュウはギーゲル画伯の突然の涙に焦った様子を見せていたが、

「これほどまでに感情が揺さぶられる絵を拝見したのは初めてでございます。
国王さまが私やジュリアム・ユーラ画伯を選ばなかった意味がよくわかりました。
私たちにはこのような絵は描けませぬ。これは奥方さまの素晴らしい才能でございます」

ギーゲル画伯からの心からの賛辞にお礼の言葉をかけていた。

ギーゲル画伯はシュウの絵に感銘を受けたようで、今回の騒ぎを起こしたことをアンドリュー王に詫びたが、

すると、アンドリューさまは、

「ははっ。何を申すか。ギーゲル画伯、其方は我々に話をしに来ただけだ。そうだろう? 私も其方と話ができて楽しかったぞ。
なぁ、アルフレッド。シュウ」

と一笑に付した。

アンドリュー王の気持ちを理解し、我々も楽しかったと伝えると、ギーゲル画伯にようやく笑顔が戻った。

「ありがとうございます。ありがとうございます」

何度もお礼を言いながら、彼の頬にはキラキラと涙が流れていた。

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