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番外編
嬉しい再会 9
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<sideゴードン辺境伯>
ハーヴィーが自分とご伴侶さまとの違いに自信をなくしていたが、そもそもが比べられるお相手ではないのだ。
公爵さまのお話によれば、お二人は今のこの世界とは違う世界でお会いになった。
その世界では公爵さまは皆から嫌悪され、虐げられるお顔立ちをされていて深く傷ついた毎日を過ごしていらっしゃった。
そこに現れたのがあのご伴侶さま。
美しい見目をもち、虐げられていた公爵さまをお救いになったのだ。
そのおかげで今の世界があると言っていい。
ご伴侶さまは公爵さまばかりでなく、この世界もお救いになったのだ。
そして、ハーヴィーも運命に翻弄されていたが、こうして本来の姿を取り戻し私の前に現れてくれた。
ご伴侶さまの存在が私に唯一を与えてくれたということだ。
ご伴侶さまにはどれほどお礼を言っても足りないほどだ。
それくらい今の私にはハーヴィーのいない人生など考えられないのだから。
そのお話を伺った時に、最後にそっと公爵さまから教えていただいた。
実は、ご伴侶さまはトーマ王妃の御子なのだと。
これは代々王家にのみ伝わる秘匿事項で受け継がれてきたようだ。
王家に飾られたアンドリュー王とトーマ王妃の肖像画は誰でも見られるようになっていたから、公爵さまとご伴侶さまが瓜二つだということは皆が知るところだが、ご伴侶さまがトーマ王妃の御子となれば似ているのも納得だ。
数百年も昔の王妃の御子が今、我々と同じ時を過ごしているというのは、我々にはなんとも理解し難いことであるが、別の世界にいらっしゃったという公爵さまのお話を伺った後ならそれも信じられる。
皆に幸せな未来をつくってくださったトーマ王妃の御子だからこそ、私にも幸せを与えてくれたのだろう。
「ハーヴィー。この世には理解しがたいことも起こることがある。ご伴侶さまは神の思し召しによりトーマ王妃の御子として今、私たちの前に現れてくださった。あのお考えもこの領地や、そしてオランディアの全てを幸せにするために神により与えられたお知恵を私たちに授けてくれているのだ。だから、ご伴侶さまと自分を比べる必要など何もない」
「ザック……」
「ご伴侶さまと比べて自分を卑下したり、落ち込んだりするのは勿体無いだろう? それよりもせっかく与えてくださったお知恵を活かしていくことが大事なのではないか? 知恵を与えるだけでは何も始まらない。それをどこでどうやって活用していくかが重要なのだ。きっとご伴侶さまはその知恵を私たちが活かせると信用なさってお教えくださったのだ。だから、ハーヴィー。私とともに頑張ってくれないか?」
「ザックっ!! ごめんなさいっ! 私……自分に自信がなさすぎて、何も見えてませんでした。私、頑張ります! シュウさまにお教えいただいたお知恵を有効活用してザックとこの領地に暮らす人たちのためにできるように……」
「ああ、ハーヴィー!! わかってくれて嬉しいよ」
ハーヴィーは涙を流しながら、私に抱きついてくれた。
ハーヴィーは今までずっと父や兄の陰に隠れて自分を押し殺しながら生きてきたのだ。
だからこそ自分に自信がなかった。
というよりは自信を持たないように生きてきたのだろう。
だから、素直で快活なご伴侶さまを見て、劣等感を抱いてしまったのだ。
だが、そんなものを抱く相手ですらないということを知り、そして、反対にご伴侶さまに知恵を与えられた存在だということがハーヴィーの自信に繋がったのだ。
ハーヴィーはきっとこれで変われる。
公私共に私の信頼できるパートナーになってくれるはずだ。
<sideフレッド>
「シュウが私と出会った時からずっと言ってくれていたあの栽培方法だが、ようやく日の目を見そうだな」
「うん。それもこれもフレッドがゴードンさんに会わせてくれたおかげだよ。ゴードンさんって本当にすごい科学者さんなんだね」
「ああ、そうだな。この世界でいちばんの科学者だろうな」
「へぇー、すごいなぁ――わっ! どうしたの?」
あまりにもシュウがゴードンを手放しで喜ぶからつい嫉妬してしまった。
小さなシュウを腕の中に抱きしめて離したくなくなってしまう。
「私よりゴードンを気に入ったのかと思ってな……」
「ああ、そっか。ふふっ。フレッドったら、そんなことあるわけないってわかってるくせに」
「わかってはいても目の前で他の男を褒められるのは嬉しくはない」
「ぼくにはフレッドだけだよ。それを言ったらぼくだって嫉妬してたよ」
「えっ? それはどういうことだ?」
「だって、ハーヴィーさんのこと気にしていたでしょう? もしかしたらフレッドはハーヴィーさんが気に入ったのかなって思っちゃった」
「そんなことはないっ! 私にはシュウだけなのだぞ」
ハーヴィーを見ていたのはおそらく、以前の世界での記憶のせいだ。
すっかり変わったなと喜んでいたのが表情に出ていたのかもしれない。
まさかそれをシュウが嫉妬してくれているとは思いもしなかった。
「ふふっ。じゃあ、フレッドにはぼくだけだって教えて……」
「えっ、んっ……!」
突然シュウの唇が重なってきた。
珍しいシュウからの口付けに戸惑いが隠せない。
「ふふっ。フレッド……お風呂入ろ」
だが、この可愛い誘いに一瞬にしてスイッチが入った。
「ああ、たっぷり可愛がってやる」
欲情を孕んだ私の目をシュウが恍惚として見つめる。
ああ、今日は当分手放せそうにない。
ハーヴィーが自分とご伴侶さまとの違いに自信をなくしていたが、そもそもが比べられるお相手ではないのだ。
公爵さまのお話によれば、お二人は今のこの世界とは違う世界でお会いになった。
その世界では公爵さまは皆から嫌悪され、虐げられるお顔立ちをされていて深く傷ついた毎日を過ごしていらっしゃった。
そこに現れたのがあのご伴侶さま。
美しい見目をもち、虐げられていた公爵さまをお救いになったのだ。
そのおかげで今の世界があると言っていい。
ご伴侶さまは公爵さまばかりでなく、この世界もお救いになったのだ。
そして、ハーヴィーも運命に翻弄されていたが、こうして本来の姿を取り戻し私の前に現れてくれた。
ご伴侶さまの存在が私に唯一を与えてくれたということだ。
ご伴侶さまにはどれほどお礼を言っても足りないほどだ。
それくらい今の私にはハーヴィーのいない人生など考えられないのだから。
そのお話を伺った時に、最後にそっと公爵さまから教えていただいた。
実は、ご伴侶さまはトーマ王妃の御子なのだと。
これは代々王家にのみ伝わる秘匿事項で受け継がれてきたようだ。
王家に飾られたアンドリュー王とトーマ王妃の肖像画は誰でも見られるようになっていたから、公爵さまとご伴侶さまが瓜二つだということは皆が知るところだが、ご伴侶さまがトーマ王妃の御子となれば似ているのも納得だ。
数百年も昔の王妃の御子が今、我々と同じ時を過ごしているというのは、我々にはなんとも理解し難いことであるが、別の世界にいらっしゃったという公爵さまのお話を伺った後ならそれも信じられる。
皆に幸せな未来をつくってくださったトーマ王妃の御子だからこそ、私にも幸せを与えてくれたのだろう。
「ハーヴィー。この世には理解しがたいことも起こることがある。ご伴侶さまは神の思し召しによりトーマ王妃の御子として今、私たちの前に現れてくださった。あのお考えもこの領地や、そしてオランディアの全てを幸せにするために神により与えられたお知恵を私たちに授けてくれているのだ。だから、ご伴侶さまと自分を比べる必要など何もない」
「ザック……」
「ご伴侶さまと比べて自分を卑下したり、落ち込んだりするのは勿体無いだろう? それよりもせっかく与えてくださったお知恵を活かしていくことが大事なのではないか? 知恵を与えるだけでは何も始まらない。それをどこでどうやって活用していくかが重要なのだ。きっとご伴侶さまはその知恵を私たちが活かせると信用なさってお教えくださったのだ。だから、ハーヴィー。私とともに頑張ってくれないか?」
「ザックっ!! ごめんなさいっ! 私……自分に自信がなさすぎて、何も見えてませんでした。私、頑張ります! シュウさまにお教えいただいたお知恵を有効活用してザックとこの領地に暮らす人たちのためにできるように……」
「ああ、ハーヴィー!! わかってくれて嬉しいよ」
ハーヴィーは涙を流しながら、私に抱きついてくれた。
ハーヴィーは今までずっと父や兄の陰に隠れて自分を押し殺しながら生きてきたのだ。
だからこそ自分に自信がなかった。
というよりは自信を持たないように生きてきたのだろう。
だから、素直で快活なご伴侶さまを見て、劣等感を抱いてしまったのだ。
だが、そんなものを抱く相手ですらないということを知り、そして、反対にご伴侶さまに知恵を与えられた存在だということがハーヴィーの自信に繋がったのだ。
ハーヴィーはきっとこれで変われる。
公私共に私の信頼できるパートナーになってくれるはずだ。
<sideフレッド>
「シュウが私と出会った時からずっと言ってくれていたあの栽培方法だが、ようやく日の目を見そうだな」
「うん。それもこれもフレッドがゴードンさんに会わせてくれたおかげだよ。ゴードンさんって本当にすごい科学者さんなんだね」
「ああ、そうだな。この世界でいちばんの科学者だろうな」
「へぇー、すごいなぁ――わっ! どうしたの?」
あまりにもシュウがゴードンを手放しで喜ぶからつい嫉妬してしまった。
小さなシュウを腕の中に抱きしめて離したくなくなってしまう。
「私よりゴードンを気に入ったのかと思ってな……」
「ああ、そっか。ふふっ。フレッドったら、そんなことあるわけないってわかってるくせに」
「わかってはいても目の前で他の男を褒められるのは嬉しくはない」
「ぼくにはフレッドだけだよ。それを言ったらぼくだって嫉妬してたよ」
「えっ? それはどういうことだ?」
「だって、ハーヴィーさんのこと気にしていたでしょう? もしかしたらフレッドはハーヴィーさんが気に入ったのかなって思っちゃった」
「そんなことはないっ! 私にはシュウだけなのだぞ」
ハーヴィーを見ていたのはおそらく、以前の世界での記憶のせいだ。
すっかり変わったなと喜んでいたのが表情に出ていたのかもしれない。
まさかそれをシュウが嫉妬してくれているとは思いもしなかった。
「ふふっ。じゃあ、フレッドにはぼくだけだって教えて……」
「えっ、んっ……!」
突然シュウの唇が重なってきた。
珍しいシュウからの口付けに戸惑いが隠せない。
「ふふっ。フレッド……お風呂入ろ」
だが、この可愛い誘いに一瞬にしてスイッチが入った。
「ああ、たっぷり可愛がってやる」
欲情を孕んだ私の目をシュウが恍惚として見つめる。
ああ、今日は当分手放せそうにない。
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