異世界で監禁された僕は助けてくれた公爵さまからこの上ない寵愛を受けています

波木真帆

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嬉しい効果

ああ、なんて甘さだ……

それでいて全く飽きることのない、上質な甘さ。
残すなんて絶対に考えられない。
トキの先端に残る最後の一滴まで舐め取って口を離すと、トキは力なくベッドに横たわっていた。

「トキ!」

慌てて抱き上げたが、どうやら力尽きて眠ってしまっているようだ。
おそらく、私が与えた快感があまりにも気持ち良すぎて身体がついてこれなかったのだろう。
それはトキが私のことを心から好きな証。
そうでなければここまでの状態にはならない。

ああ……っ。
トキが私を好いてくれている。
なんと幸せなのだろう。

これまで、自分の一方通行な思いだとばかり思っていただけにこの誤算はあまりにも嬉しすぎる。

だが、考えてみればトキはずっと私だけを信頼してくれていた。
最初に目覚めた時こそ、私を見て怯えたがすぐに私の腕の中で眠ってくれた。
あれほど酷い目に遭い、この世界の人間を根こそぎ憎んでもおかしくないのに、私にだけはずっと甘えてくれた。

清らかなフィリグランだからその気持ちが恋愛の情に気づかなかっただけで最初から私を思ってくれていたに違いない。全ていい方向に考えすぎだと笑われても今日くらいはそう思わせてくれてもいいだろう。
なんと言ってもトキが私への思いを自覚してくれた日なのだから。

愛しいトキを裸で抱きしめているとどうにも我慢できなくなってくる。
だが眠っているトキに無体なことをするわけにはいかない。

自分の理性が飛ばないように、トキに夜着を着せ、自分も同じ夜着に着替えた。
ベッドの傍らにクラウスが用意してくれているグラスの水を口に含み、トキに飲ませようと唇を重ねた。

「ん?」

やけに熱い口内に嫌な予感がして、トキの首筋に手を当てた。

「熱が……っ」

これはまずい。

私は急いでベルを鳴らした

緊急を要するベルの鳴らし方をしたせいで、クラウスが飛んできた。
それでも寝室を強く叩かなかったのは、トキを驚かせないためだろう。

トキをベッドに寝かせて、私はそっと扉に駆け寄った。

「旦那様。何事でございますか?」

「トキが熱を出している。すぐにロジェリオを呼べ」

「は、はい」

私のただならぬ空気を察したのか、クラウスはすぐに部屋を出てロジェリオを呼んできた。
トキがフィリグランだと知ってから、ここに常駐してくれるようになったから助かる。

すぐにロジェリオがやってきた。

「旦那様。ロジェリオにございます。トキ様がお熱を出されたと伺いましたが、診察をさせていただいてもよろしいでしょうか?」

「入れ」

その声に、すぐにロジェリオが寝室に入ってきた。

「失礼致します」

部屋に入ると、すぐに私の隣にいるトキに近づき、眠っているトキの表情をみた後でそっと手を取った。

「なるほど。少し熱が出ていらっしゃるようですが、呼吸その他に異変はございません。何か変わったことがございましたか?」

そう尋ねてくるロジェリオの目は明らかに何かを察しているように見えた。
公爵とはいえ、医師の診察に嘘を述べるわけにはいかない。
クラウスを退席させ、ロジェリオだけにトキとのこれまでの経緯を伝えた。

「――トキが私を好いてくれていることがわかり、多少無理はさせてしまったかもしれない。だが、トキも望んだことだったのだ。決して無理はさせていない」

正直に話をすると、黙って聞いていたロジェリオがふっと口角をあげる。

「それはトキ様のご表情から存じておりました。ただ、初めての経験に身体が驚いただけでしょう。心配することはございません。朝には熱が下がるかと」

「そうか、よかった……」

ホッと胸をなでおろすと。ロジェリオは優しく微笑みかける。

「旦那様。本当にここまでよく辛抱なさいましたね。トキ様の信用を勝ち得た旦那様は本当に素晴らしい」

「私はただトキを守りたい一心だっただけだが、そう言ってもらえて嬉しいよ」

「確認ですが、トキ様は旦那様の蜜をお飲みになったのですね?」

「ああ、飲んだというよりは舐めたくらいだろうが、甘くて美味しいと言ってくれたのだよ」

そう答えるとロジェリオは心から安堵した表情を見せた。

「相性のいい蜜を体内に入れると身体に良い影響を与えると言われておりますので、トキ様の体調はこれからますます御回復なさることでしょう」

「そうか、それは本当に良かった」

「ですが、最後まではまだなさらぬように……」

そう釘を刺されたが、それまでは許可をもらえたと思えば、私にとって嬉しいとしか言いようがなかった。
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