俺の天使に触れないで  〜隆之と晴の物語〜

波木真帆

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幕間  香月晴を許さない!

今回は真島視点の話になります。
男女の行為を匂わせる内容があります。
主人公(晴と隆之)は出てきません。


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俺の名前は真島  亮太まじま  りょうた

実家は周りを山に囲まれたかなりの田舎。
家には鍵もかけないから、勝手に近所の人が入ってくる。
誰それの夫婦がケンカしただの、どこそこの息子と娘が付き合い出しただの、あそこの嫁が浮気したらしいだの、すぐに町中に噂が広まってしまう。
こんな田舎からどうしても出たくて、親に都会に出たいと言ったら、桜城大学なら許してやると言われた。

俺の学力では無理なことを知っていてそんなことを言うんだ。
でも、俺はここから逃げ出したい。
その思いだけを胸に勉強しまくったが、現役では合格できなかった。
かと言って予備校なんかにも通わせてもらえず、3年間の自宅での独学の末、ようやく合格できた。

期待でいっぱいの大学入学の日、俺は運命の人に出会った。

『三浦あすかちゃん』

小柄だけど、二重の目がクリクリとしていて清楚な美人って感じ。
こんな可愛い子、田舎にはいなかった。
やっぱり都会は違うよな。

じっと見つめていると、彼女と目が合った気がした。逸らすこともできなくて、ずっと見つめていると話しかけられた。

その後は彼女に誘われるがままに、気づいたらどんなものかもわからないようなサークルに入会してしまっていた。

俺が入会したサークルはインターカレッジサークル、通称インカレサークルといって、まあ、簡単に言えば他大学の学生と一緒に活動するサークルのことで、夏はバーベキューをやったり、冬はスキーやスノボをしたり、その中でもメインはうちの大学祭でミスコンを主催することだった。

最初の頃は何度かサークルの集まりに足を運んだけれど、タイミングが悪いのか彼女と会えることはなく、次第に行くことはなくなった。

彼女とは学部も違うようで、授業でも会えないままあっという間に俺は4年になっていた。
早いやつはもう就職が内定したやつもいるらしい。
こんな時期にもう受かるなんて、どうせコネだろ。

俺は何社も受けたが筆記試験で落ちたり、運良く面接まで行けたとしても届くのはお祈りメールばかり……。

単位もギリギリでしか取れないし、もう自暴自棄になって何もかも辞めてしまおうかと思った時、ミスコンで久しぶりに彼女の姿をみた。

舞台上から俺に笑いかける姿を見て、彼女への気持ちが再燃した。
どうしても気持ちを伝えたくて、告白したら言うこと聞いてくれるなら付き合ってあげると言ってくれた。

俺にようやく訪れた春に飛び上がりそうなほど嬉しくなった。

それからは彼女に言われるがまま、同じ学部の香月とか言う男の素性を調べたり、バッグから鍵を持ってきたりなんでもした。

それから何日か経った頃、夜中に突然彼女から電話が来て、俺の家に来るという。

急いで家を片付けて、彼女を迎えると汚れた服を着て彼女は泣いていた。

<香月に料理を作るよう命令されたのに、作ったら不味いと言って料理をぶつけてきた>

そう泣きながら話す彼女が可哀想で可哀想で、俺の中で香月への恨みがどんどん膨らんでいくのがわかった。

「ねぇ、慰めて……」

その言葉に俺はタガが外れたように彼女を求めた。
何度も何度も求める俺にしがみついてくる彼女が可愛くて、絶対に守ってやる……そう思った。

それからしばらくは俺の家で幸せな日々を過ごした。
朝、見送ってくれて帰ったらおかえりと言ってくれる。

俺の作ったご飯を美味しそうに食べてくれる。
その日々が楽しかったのに、彼女は急に帰って来なくなった。

突然ドンドンと玄関を叩く音がして、外に出ると警察がいた。

刑事がなにかいろいろ話していたが、彼女が警察に連れて行かれたこと、原因は香月だということしか俺の耳には入らなかった。

俺の幸せをぶち壊したあいつ、
香月晴を絶対許さない!
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