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指切りげんまん
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「せいくん、あーんして」
「だが、これは一花のエビフライだろう? 一花が食べる分がなくなってしまうぞ」
「いいの! 一花はせいくんと半分ずっこしたいんだもん。美味しいものは半分ずっこした方が美味しいんだよ」
「――っ!!」
以前、私が言ったことを覚えてくれていたのか。ああ、本当に一花には敵わないな。
「はい。あーん」
小さな手で支えるには少し重そうな、大きなエビフライが刺さったフォークを差し出されて、私は素直に口を開けた。先端の美味しい部分をもらうのは申し訳ないが、一花の分がなくならないようになんとか一口分を食べさせてもらった。
「せいくん、美味しい?」
「ああ、最高に美味しいよ。今まで食べた中で一番美味しいエビフライだな」
「ふふっ。一花も食べるー! んーっ、美味しい!!」
私の食べかけのエビフライを嬉しそうに口に運び、満面の笑みを見せてくれる一花が愛おしすぎてたまらなかった。
あっという間に食事を完食し、一花と理央くんの前にデザートのプリンとバニラアイスが置かれる。
前もって半分ずつに分けてもってきてもらわなかったのは、自分たちでやりたいだろうと思ったからだ。
「わぁー! 美味しそう!! 理央くん、みて! このプリンすっごく美味しそうだよ!」
「このアイスも美味しそう! ねぇねぇ、どっちから食べる?」
「アイス、溶けちゃうからアイスから食べようか」
「うん、さんせーい!」
そうか、一つずつ食べることにしたのだな。
二人の様子が可愛すぎて、父も母もスマホを片手に撮影モードに入っている。
小さなアイスグラスに入ったアイスを二つの小さなスプーンでそれぞれ掬いながら、
「んー! 甘いね」
「ほんと! 美味しい!」
と一口食べるたびに感想を言い合う姿が可愛い。
大人なら数口で完食してしまう量のアイスを何度も掬いながら食べ合うのをみて心が癒される思いだった。
「貴船先輩。一花くんのようなお友達が理央にできてよかったです」
「ああ、私もそう思っていたよ。これからもよろしく頼む」
「はい。喜んで」
プリンを食べ終えた二人は、朝からの疲れとお腹がいっぱいになったからか、二人して船を漕ぎ始め、肩と頭を寄せ合うながら眠ってしまった。
「あらあら、よっぽど楽しかったのね。笑顔で眠ってるわ」
「本当に。なんて可愛らしいのかしら」
「なんだか兄弟みたいね」
向かいの特等席から二人の眠る姿を見た母たちは、それを忘れることなく写真に収めた。
「それでは今日のところはお開きにしましょうか。また近いうちに集まって食事でもしましょう」
櫻葉会長の声かけにこれが社交辞令でないことがわかっている観月くんの父は
「いい店を知っていますのでご都合のよろしい時にぜひ行きましょう」
と笑顔で父と櫻葉会長に声をかけていた。この店の常連である観月くんの父上が勧める店なら安心だな。
きっと父たちもそう思ったことだろう。
私と観月くんはそれぞれ愛しい眠り姫をそっと抱きかかえると、一花と理央くんが小指同士を絡めたままになっていたことに気づいた。
「何か約束でもしたんでしょうね」
「ああ、後で聞いてみるか」
可愛い二人の内緒の約束はなんだろうか。気になるところだ。
<side一花>
入学式のお祝いでお店に行くとそこで理央くんに会った。
僕よりも身長が低くて可愛い理央くんを見ているとなんだか弟みたいに思えてくる。
桜守にも小学校から入ってきたし、まだ慣れていない理央くんのことを僕が守ってあげなくちゃっていう気になるんだ。
理央くんが大好きだっていうりょうちゃんもせいくんと仲良しさんみたいでなんだか嬉しい。
パパも貴船のおじちゃまも理央くんのパパと楽しそうにおしゃべりしてるし、ママと未知子ちゃんと理央くんのママも楽しそう。みんなが仲良しっていいなぁ。
美味しいご飯をせいくんとわけっこしながら食べて、楽しみにしていたデザートの時間。
目の前に置かれたバニラアイスとプリンは輝いて見えた。
理央くんと少しずつ味わって食べると、いつものバニラアイスよりもずっと美味しく感じた。
やっぱりせいくんが言った通り、半分ずっこした方が美味しいんだな。
少し硬めのプリンは一花の好きなもの。理央くんに聞くと、理央くんも少し硬いのが好きなんだって。
それでこの前、お家でママとプリンを作ったんだって教えてくれた。
「すごーい! 理央くん、プリン作れるんだ!」
「うん。難しかったけど、ママと頑張って作ったからりょうちゃんもパパも美味しいって言ってくれたよ」
「いいなぁ、いいなぁ。一花も作りたい! 作って美味しいって言われたい!」
「じゃあ、今度僕のお家でママと一緒に作ろう!」
「いいの?」
「うん。ママにお願いするね! ママなら絶対にいいって言ってくれるよ」
「わぁー! 約束だよ」
「うん。約束!!」
僕たちは小指を絡めて、指切りげんまんしたんだ。
夢の中で僕たちはお揃いのエプロンと三角巾をつけてプリンを作ってた。
楽しい夢まで見られて、今日は幸せな入学式だったな。
そうして、僕の楽しい入学式の一日は終わった。
* * *
ようやく入学式編終わりました。一花たちが可愛すぎてこれだけで20話。
まぁ、それぞれの出会いもあるから仕方がないということにしておきます(笑)
さて、これから可愛い一花の日常が始まりますので、こんなお話が読みたいというのがあればリクエストください♡
参考にさせていただきます!ちなみに約束のプリン作りはどこかで出したいなと思っていますのでどうぞお楽しみに♡
「だが、これは一花のエビフライだろう? 一花が食べる分がなくなってしまうぞ」
「いいの! 一花はせいくんと半分ずっこしたいんだもん。美味しいものは半分ずっこした方が美味しいんだよ」
「――っ!!」
以前、私が言ったことを覚えてくれていたのか。ああ、本当に一花には敵わないな。
「はい。あーん」
小さな手で支えるには少し重そうな、大きなエビフライが刺さったフォークを差し出されて、私は素直に口を開けた。先端の美味しい部分をもらうのは申し訳ないが、一花の分がなくならないようになんとか一口分を食べさせてもらった。
「せいくん、美味しい?」
「ああ、最高に美味しいよ。今まで食べた中で一番美味しいエビフライだな」
「ふふっ。一花も食べるー! んーっ、美味しい!!」
私の食べかけのエビフライを嬉しそうに口に運び、満面の笑みを見せてくれる一花が愛おしすぎてたまらなかった。
あっという間に食事を完食し、一花と理央くんの前にデザートのプリンとバニラアイスが置かれる。
前もって半分ずつに分けてもってきてもらわなかったのは、自分たちでやりたいだろうと思ったからだ。
「わぁー! 美味しそう!! 理央くん、みて! このプリンすっごく美味しそうだよ!」
「このアイスも美味しそう! ねぇねぇ、どっちから食べる?」
「アイス、溶けちゃうからアイスから食べようか」
「うん、さんせーい!」
そうか、一つずつ食べることにしたのだな。
二人の様子が可愛すぎて、父も母もスマホを片手に撮影モードに入っている。
小さなアイスグラスに入ったアイスを二つの小さなスプーンでそれぞれ掬いながら、
「んー! 甘いね」
「ほんと! 美味しい!」
と一口食べるたびに感想を言い合う姿が可愛い。
大人なら数口で完食してしまう量のアイスを何度も掬いながら食べ合うのをみて心が癒される思いだった。
「貴船先輩。一花くんのようなお友達が理央にできてよかったです」
「ああ、私もそう思っていたよ。これからもよろしく頼む」
「はい。喜んで」
プリンを食べ終えた二人は、朝からの疲れとお腹がいっぱいになったからか、二人して船を漕ぎ始め、肩と頭を寄せ合うながら眠ってしまった。
「あらあら、よっぽど楽しかったのね。笑顔で眠ってるわ」
「本当に。なんて可愛らしいのかしら」
「なんだか兄弟みたいね」
向かいの特等席から二人の眠る姿を見た母たちは、それを忘れることなく写真に収めた。
「それでは今日のところはお開きにしましょうか。また近いうちに集まって食事でもしましょう」
櫻葉会長の声かけにこれが社交辞令でないことがわかっている観月くんの父は
「いい店を知っていますのでご都合のよろしい時にぜひ行きましょう」
と笑顔で父と櫻葉会長に声をかけていた。この店の常連である観月くんの父上が勧める店なら安心だな。
きっと父たちもそう思ったことだろう。
私と観月くんはそれぞれ愛しい眠り姫をそっと抱きかかえると、一花と理央くんが小指同士を絡めたままになっていたことに気づいた。
「何か約束でもしたんでしょうね」
「ああ、後で聞いてみるか」
可愛い二人の内緒の約束はなんだろうか。気になるところだ。
<side一花>
入学式のお祝いでお店に行くとそこで理央くんに会った。
僕よりも身長が低くて可愛い理央くんを見ているとなんだか弟みたいに思えてくる。
桜守にも小学校から入ってきたし、まだ慣れていない理央くんのことを僕が守ってあげなくちゃっていう気になるんだ。
理央くんが大好きだっていうりょうちゃんもせいくんと仲良しさんみたいでなんだか嬉しい。
パパも貴船のおじちゃまも理央くんのパパと楽しそうにおしゃべりしてるし、ママと未知子ちゃんと理央くんのママも楽しそう。みんなが仲良しっていいなぁ。
美味しいご飯をせいくんとわけっこしながら食べて、楽しみにしていたデザートの時間。
目の前に置かれたバニラアイスとプリンは輝いて見えた。
理央くんと少しずつ味わって食べると、いつものバニラアイスよりもずっと美味しく感じた。
やっぱりせいくんが言った通り、半分ずっこした方が美味しいんだな。
少し硬めのプリンは一花の好きなもの。理央くんに聞くと、理央くんも少し硬いのが好きなんだって。
それでこの前、お家でママとプリンを作ったんだって教えてくれた。
「すごーい! 理央くん、プリン作れるんだ!」
「うん。難しかったけど、ママと頑張って作ったからりょうちゃんもパパも美味しいって言ってくれたよ」
「いいなぁ、いいなぁ。一花も作りたい! 作って美味しいって言われたい!」
「じゃあ、今度僕のお家でママと一緒に作ろう!」
「いいの?」
「うん。ママにお願いするね! ママなら絶対にいいって言ってくれるよ」
「わぁー! 約束だよ」
「うん。約束!!」
僕たちは小指を絡めて、指切りげんまんしたんだ。
夢の中で僕たちはお揃いのエプロンと三角巾をつけてプリンを作ってた。
楽しい夢まで見られて、今日は幸せな入学式だったな。
そうして、僕の楽しい入学式の一日は終わった。
* * *
ようやく入学式編終わりました。一花たちが可愛すぎてこれだけで20話。
まぁ、それぞれの出会いもあるから仕方がないということにしておきます(笑)
さて、これから可愛い一花の日常が始まりますので、こんなお話が読みたいというのがあればリクエストください♡
参考にさせていただきます!ちなみに約束のプリン作りはどこかで出したいなと思っていますのでどうぞお楽しみに♡
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