溺愛されまくりの会長令息が財閥イケメンスパダリ御曹司に見初められました

波木真帆

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自己紹介

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「おはようございます」

「おはようございます。今日はどうぞよろしくお願いします」

笑顔で乗り込んでくる真守くんの母上は真守くんによく似ていて可愛らしい。
とても若く見えるから年の離れた姉と言っても納得してしまうほどだ。

我々の中に座っていただくのも気が引けて、一花たちのところに一緒に座ってもらうことにした。
すぐに一花たちとも打ち解けて楽しそうにおしゃべりをしている。さすが母親だな。

真守くんの伯父上には私たちのところに座ってもらった。
威圧感漂う伯父上の存在に少し緊張感が走ったが年齢は私とそこまで離れていなさそうだ。
おそらく二~三歳上くらいだろうか。

「初対面で緊張させて申し訳ないな。だが、今日は同じ保護者として遠慮なく過ごしてほしい。よろしく頼むよ」

私たちの緊張を察して笑顔で話しかけてくれる伯父上にホッとした。

「はい。こちらこそよろしくお願いします。じゃあ、全員揃ったのでお互いに自己紹介でもしましょうか」

「そうだな。じゃあ最年長の私からさせてもらうとしよう」

私の提案にすぐに伯父上は乗ってくれた。

「私は和倉わくらあきら。真守の母の雪乃の兄で今は、イギリスで古美術商をしているよ。ちょうど日本への買い付け時期とこの遠足が被ったから真守の父の代わりに参加させてもらったんだ。君たちと知り合えて嬉しいよ。こうして知り合えた縁だ。明と呼んでくれたらいい」

「ありがとうございます、明さん。イギリスで古美術商ですか。それはすごいですね。日本のものは海外でもかなり人気だと聞きますよ」

「ああ。イギリスだけじゃなくヨーロッパ全土で日本のものは人気があるよ。だからこそ目利きが必要になってくるけどね」

「あ、あの……イギリスで古美術商ということは、もしかしてグランヴィエ家とも関わりが?」

エヴァンが少し驚いた様子で尋ねると、明さんは笑顔を見せた。

「グランヴィエは私の大きな取引先の一つだよ。特に次期総帥のセオドアさまは大の日本贔屓でね、私の商品を気に入ってくださっているよ。もしかして知り合いかな?」

「はい。グランヴィエ家と我がロレーヌ家は古くから親交があります。次期総帥のセオドアとは同じ立場にいるもの同士、顔を合わせることも多いですよ」

「ロレーヌ家の次期総帥……ああ、そうか。君は真守が言っていた弓弦くんの……」

「はい。エヴァン・ロレーヌです。ユヅルがマモルとイチカと一緒の小学校に通いたいというので、日本に移り住みました。今は桜城大学の学生です」

「君の噂はセオドアさまからよく伺っているよ。いつかフランスに行くことがあれば挨拶をしたいと思っていたがまさかこここで会えるとは……エヴァンさまとお呼びしたほうがよろしいですか?」

「そんな……っ、ここでは同じ保護者同士。そう仰ったでしょう? エヴァンと呼んでください」

エヴァンの言葉に明さんは笑顔を見せた。

「ありがとう。それではエヴァンと呼ばせてもらうよ」

車内に和やかな空気が流れたところで、観月くんと悠木くんが自己紹介をした。

「法学部に医学部か、二人とも優秀だな。私も桜城大学の卒業生だからみんな後輩だ。私の場合は経済学部だから君たちほど優秀ではないがね」

「そんなことはないですよ。うちの経済学部は卒論が群を抜いて難しくて留年も多いと聞きますよ」

「ああ、それは確かにあるかもしれないな。志良堂教授も鳴宮教授も手抜きは一切認めないからね。だがその分、認められた人たちの卒業後は素晴らしいものばかりだよ」

さっき話に出ていた倉橋先輩もその経済学部出身で、志良堂教授から実力を認められていたというから確かにその通りだろうな。明さんもきっと志良堂ゼミで優秀な成績を誇っていたことだろう。

そして、最後に私が自己紹介をした。

「貴船征哉です。桜城大学の医学部を昨年卒業して、今年から父の後を継ぐべく貴船コンツェルンで仕事を始めました」

「んっ? 昨年卒業して、今年から仕事を? 去年一年は留学でもしていたのかな?」

「司法修習に行っていたんです。大きな会社の後継として法律の知識もあった方がいいかと思って在学中に司法試験を受けて合格したので」

「医学部に通いながら司法試験にも? それは素晴らしいな。何人かダブルライセンスの話は聞いていたが、まさか貴船くんもそうとは思わなかったよ。そんなに優秀なら貴船コンツェルンも安泰だな」

真っ直ぐに褒められて照れ臭かったが、嬉しくないわけはない。

お互い自己紹介も終わったところでようやく今日の目的地である動物園に到着した。


  *   *   *

次回からようやく遠足開始です。
どうぞお楽しみに♡
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