イメケンスパダリ弁護士はようやく見つけた最愛と激甘な夫夫生活始めます

波木真帆

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番外編

理央のお出かけ  6

あと2話くらいで終わらせたいなと思ってますが……うーん、終わるかな。
こんなに長くなる予定じゃなかったんですが、楽しすぎて終わりません(汗)
楽しんでいただけると嬉しいです♡

  *   *   *


<side凌也>

「先生、今日は早く終わりそうですね」

あとはもう片付けるだけ。これなら予定より早く理央を迎えに行けそうだ。

「ははっ。君があんな調子ならそれはそうだろう。よほど早く帰りたいと見えるな」

「えっ? そんなふうに見えましたか?」

いつも通りを心がけていたはずなのだが、いつのまにバレていたのだろう。

「なんだ、自分で気づいていないのか? 恋は盲目とはよく言ったもんだな」

磯山先生に笑われて少し恥ずかしくなってしまうが、理央と離れ離れで、しかも外出させているとなると心配でどうしようもない。過保護だとはわかっていても、今までの理央の環境が俺を心配させる。

あんなにも可愛い理央が俺と出会うまで無事でいたのが奇跡なほどなのだから。

「どうせ、君が溺愛している姫のことでも思っていたんだろう? 今日はどうしているんだ? 家に一人で置いているのか?」

「いえ、今日は榊くんが理央を預かってくれるというので頼んだんです」

「榊くんが? だが、今日は彼は大学に行っているんじゃなかったか?」

「ええ、そうなんです。だから一緒に大学に……って、ああ、そうか。先生、緑川教授から榊くんのことを聞いたんですね」

「ああ、絢斗あやとが何日も前から楽しみにしていたからね。まさか君の姫も一緒に行っているとは思わなかったから、きっと今頃、絢斗は喜んでいるだろうな。君の話が話題になるたびに会ってみたいと溢していたからね。君が姫を囲うようになってからは、鳴宮くんとのお茶会の話題に必ず出ているみたいだぞ」

鳴宮教授とそんな話をされていたとは……俺の噂はかなりの範囲まで広がっているようだ。

「今日は緑川教授が一緒にいてくださるから安心ですが、大学は広いですからね。そこだけが心配で……ほら、特にあまりいい噂の聞かないあの薮田の息子がまだ在籍しているでしょう……」

「ああ、彼か。大学の方も彼には少し手を焼いていると言っていたが、父親である薮田准教授は大学に貢献しているからね。彼が息子を助手として個人的に雇っているから、大学側としても何も言えないらしい。絢斗のゼミの子たちも声をかけられたりして怯えているそうだから、彼がいない日を狙ってゼミを開いたりしているみたいなんだがな……。なかなか難しいところだよ。今日は大丈夫なのか?」

「はい。緑川教授がいないことを確認して、榊くんに声をかけたみたいですから。そこは安心しているんですが……」

そんな話をしていると、胸ポケットに入れていた俺のスマホが震え始めた。嫌な予感がする。急いでスマホを見ると、理央が榊くんから一定の距離を離れたとの通知だった。

慌ててGPSを確認すると、普段の歩行速度ではない速度で理央がひと気のない中庭に向かっている様子が見える。あの場所には今の時期、特に何もない。そんな場所に理央自身の意思で向かうのはあり得ない。しかも榊くんとも周防くんとも離れてたった一人でなんて……。

俺の脳裏に誰かに連れ去られていく理央の姿が浮かぶ。

「先生! 理央が大変なことになっているようです! 申し訳ありませんが先に失礼します」

「なんだと? 私も一緒に行こう。人手は多い方がいいだろう」

「すみません。お願いします!」

俺は急いで片付けを終わらせ磯山先生と別々の車で急いで大学に向かった。その間もずっとGPSの画面をつけたままだ。

幸いなことに今いる場所から理央のいる場所までは車で5分ほどしか離れていない。

理央! 無事でいてくれ!!

理央の無事がわかるまで行きた心地がしない。ああ、やっぱり一緒にいさせたらよかった。

そんな後悔が頭をよぎるが、今は後悔している場合じゃない。理央を見つけることが先決だ。

駐車場に車を停め、急いで降りると理央が榊くんたちのいる場所に向かって合流した様子がGPSから読み取ることができた。

ああ……っ。よかったぁ……。

ホッとして膝から崩れ落ちそうになるが、喜ぶのはまだ早い。理央の無事を確認しなければ!

「観月くん! 今はどうなってる?」

「どうやら榊くんたちと合流して学食に向かっているようです」

「そうか、それなら安心――」
「すみません、無事を確認したいので急いで向かいます」

俺は磯山先生を残し、急いで学食に向かった。

誰とすれ違ってもどうでもいい。理央の無事だけが分かればいいんだ。

ようやく学食に辿りついた瞬間、奥に理央の姿が見えた

ああ! いた!

あまりの嬉しさに気づけば、大声で理央の名を叫んでいた。
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