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番外編
理央のおでかけ 8
楽しすぎて終わりそうにないので10話で終わりを目指します!
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side絢斗>
年に数回卒業生の秀吾くんに手伝いをお願いする。彼に仕事を休ませてまで手伝いに来てもらうのは申し訳ないのだけれど、自分ではどうにもできないことを秀吾くんがやってくれるからついつい頼んでしまう。
私は片付けや整理をする能力が著しく劣っているみたいだ。
秀吾くんの予定を潰さないためにも手伝いを頼む日は一ヶ月以上前から頼んでいるのだけど、数日前に突然同伴者を増やしたいと連絡が来た。私としては秀吾くんさえ来てくれたら誰を連れてきてくれても構わない。けれど、秀吾くんが周防くん以外を連れてくるなんて珍しい。というか、秀吾くんがここに連れてくるくらい仲がいい子がいるなんて知らなかった。
それで気になって誰を連れてくるのかを聞いてみたら、なんとあの観月くんの姫!!!
観月くんはいつも笑顔で紳士的だけど、裏を返せば感情を表に出さない。絶対に自分のプライベートな部分を見せることはせず、自分のテリトリーには誰も入れないという徹底ぶり。
そんな彼が出会ってすぐの相手を自宅に招き入れて、しかも半ば軟禁状態で溺愛しているというのだから、最初聞いた時は耳を疑った。
けれど、その情報は観月くんの事務所で働く秀吾くんの父である元春さんからのものだから確実に本当のことだ。
それから日を追うごとに観月くん情報がどんどん増えてくる。最近の情報源はもっぱら同じ大学教授で仲の良い鳴宮皐月だ。
時間が合うたびにお互いの部屋でお茶会をしているのだけど、皐月の話題はほとんどが息子や息子の恋人、それに愛する旦那さまの話題や教え子たちの話が多かった。けれど最近はここに観月くんの話題が加わった。
「観月くんの溺愛する姫に会ってみたいよね。二人でいる時ってどんな感じなんだろう……。想像つかないな」
「確かに。でも、ああいうタイプこそ、本当に好きな相手には何もかも曝け出すんじゃないかな」
「そうかも。うちの伊織もね――」
ああ、そういえば安慶名くんも観月くんと同じタイプかもしれない。誰に告白されても決して靡かなかった安慶名くんが自分からアタックしていったっていうんだから、やっぱりそういうものなのかもしれない。
「ねぇ、当日時間ができたら榊くんと姫に会いにきてもいい?」
「いいよ。っていうか、周防くんもきっと一緒だから周防くんも楽しみにしてあげて」
「ああっ、そうだった。榊くんがいるところ、周防くんありだからね」
「そうそう!」
なんて、話をしていたのだけど、当日観月くんの姫を見て驚いてしまった。
高校生、いや下手すれば中学生にも見えそうな童顔で華奢な可愛い子。だけど、芯の強そうな目をしていてものすごく好感が持てる子だった。
決して観月くんに頼り切って寄りかかっているわけじゃない。ものすごい力を秘めていそうな、そんな気がした。
その彼が学内で迷子になり、偶然にも保護したのは皐月だった。私の部屋に来ようとして、目の前を走り去っていく姫を見つけて追いかけてくれたらしい。本当に皐月様々だ。
みんなで合流してやっと学食で食事を取ろうとしていると、そこに観月くんが現れた。
額に汗をかき、心の底から心配して駆けつけたというのがありありと見えるその姿を見て、ああ、本物だと思った。
姫を愛おしそうに抱きしめ、ほっとしたようにラブラブな会話を楽しむ二人に誰が邪魔なんてできるだろうか。
可愛い姫をしっかりと腕に抱き、私と皐月の元に歩いてきた彼は
「緑川教授、それから鳴宮教授もお久しぶりです。相変わらず仲がよろしいのですね」
いつものそつのない表情を見せたけれど、皐月に揶揄われて途端に表情が崩れた。
ああ、本当に変わったんだ。いや、あの姫が変えたのか。改めて私はあの姫の偉大さを知った。
「絢斗」
「えっ? あっ、卓さん。どうしてここに?」
「観月くんの姫がここに来ていると聞いたから私もついてきたんだよ。今から食事か?」
「ええ。よかったら卓さんも一緒にどうですか? それとももう食べました?」
「いや、まだだ。よかったよ、絢斗と一緒に食べられるなら」
学食で一緒に食べられるなんて久しぶりだ。
「あーあ、いいなぁ。私も宗一郎さんに一緒に来て貰えばよかった」
皐月がそんなことを言っているけれど、皐月の目は観月くんの姫を見つめている。どうやら本当に観月くんの姫が気に入ったみたいだな。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
<side絢斗>
年に数回卒業生の秀吾くんに手伝いをお願いする。彼に仕事を休ませてまで手伝いに来てもらうのは申し訳ないのだけれど、自分ではどうにもできないことを秀吾くんがやってくれるからついつい頼んでしまう。
私は片付けや整理をする能力が著しく劣っているみたいだ。
秀吾くんの予定を潰さないためにも手伝いを頼む日は一ヶ月以上前から頼んでいるのだけど、数日前に突然同伴者を増やしたいと連絡が来た。私としては秀吾くんさえ来てくれたら誰を連れてきてくれても構わない。けれど、秀吾くんが周防くん以外を連れてくるなんて珍しい。というか、秀吾くんがここに連れてくるくらい仲がいい子がいるなんて知らなかった。
それで気になって誰を連れてくるのかを聞いてみたら、なんとあの観月くんの姫!!!
観月くんはいつも笑顔で紳士的だけど、裏を返せば感情を表に出さない。絶対に自分のプライベートな部分を見せることはせず、自分のテリトリーには誰も入れないという徹底ぶり。
そんな彼が出会ってすぐの相手を自宅に招き入れて、しかも半ば軟禁状態で溺愛しているというのだから、最初聞いた時は耳を疑った。
けれど、その情報は観月くんの事務所で働く秀吾くんの父である元春さんからのものだから確実に本当のことだ。
それから日を追うごとに観月くん情報がどんどん増えてくる。最近の情報源はもっぱら同じ大学教授で仲の良い鳴宮皐月だ。
時間が合うたびにお互いの部屋でお茶会をしているのだけど、皐月の話題はほとんどが息子や息子の恋人、それに愛する旦那さまの話題や教え子たちの話が多かった。けれど最近はここに観月くんの話題が加わった。
「観月くんの溺愛する姫に会ってみたいよね。二人でいる時ってどんな感じなんだろう……。想像つかないな」
「確かに。でも、ああいうタイプこそ、本当に好きな相手には何もかも曝け出すんじゃないかな」
「そうかも。うちの伊織もね――」
ああ、そういえば安慶名くんも観月くんと同じタイプかもしれない。誰に告白されても決して靡かなかった安慶名くんが自分からアタックしていったっていうんだから、やっぱりそういうものなのかもしれない。
「ねぇ、当日時間ができたら榊くんと姫に会いにきてもいい?」
「いいよ。っていうか、周防くんもきっと一緒だから周防くんも楽しみにしてあげて」
「ああっ、そうだった。榊くんがいるところ、周防くんありだからね」
「そうそう!」
なんて、話をしていたのだけど、当日観月くんの姫を見て驚いてしまった。
高校生、いや下手すれば中学生にも見えそうな童顔で華奢な可愛い子。だけど、芯の強そうな目をしていてものすごく好感が持てる子だった。
決して観月くんに頼り切って寄りかかっているわけじゃない。ものすごい力を秘めていそうな、そんな気がした。
その彼が学内で迷子になり、偶然にも保護したのは皐月だった。私の部屋に来ようとして、目の前を走り去っていく姫を見つけて追いかけてくれたらしい。本当に皐月様々だ。
みんなで合流してやっと学食で食事を取ろうとしていると、そこに観月くんが現れた。
額に汗をかき、心の底から心配して駆けつけたというのがありありと見えるその姿を見て、ああ、本物だと思った。
姫を愛おしそうに抱きしめ、ほっとしたようにラブラブな会話を楽しむ二人に誰が邪魔なんてできるだろうか。
可愛い姫をしっかりと腕に抱き、私と皐月の元に歩いてきた彼は
「緑川教授、それから鳴宮教授もお久しぶりです。相変わらず仲がよろしいのですね」
いつものそつのない表情を見せたけれど、皐月に揶揄われて途端に表情が崩れた。
ああ、本当に変わったんだ。いや、あの姫が変えたのか。改めて私はあの姫の偉大さを知った。
「絢斗」
「えっ? あっ、卓さん。どうしてここに?」
「観月くんの姫がここに来ていると聞いたから私もついてきたんだよ。今から食事か?」
「ええ。よかったら卓さんも一緒にどうですか? それとももう食べました?」
「いや、まだだ。よかったよ、絢斗と一緒に食べられるなら」
学食で一緒に食べられるなんて久しぶりだ。
「あーあ、いいなぁ。私も宗一郎さんに一緒に来て貰えばよかった」
皐月がそんなことを言っているけれど、皐月の目は観月くんの姫を見つめている。どうやら本当に観月くんの姫が気に入ったみたいだな。
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