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番外編
大きなサプライズ
昨日の拓哉のほうのお話で面白い感想をいただいて、
「あー、そのほうが楽しかったかも!」と思ったので、ちょっと書いてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「拓哉さん、おかえりなさい!」
いつものように拓哉さんを出迎える。
でも今日はなんだかいつも以上にハグが強い。
それはそれでとても嬉しいけれど、何かあったのかちょっと心配になる。
おかえりのキスをして、ジャケットを渡される。
この瞬間、拓哉さんと結婚しているような気になって嬉しい。
ジャケットにブラシを当てクローゼットにしまう間に、拓哉さんが手を洗って寝室にやってきた。
「ありがとう。ちょっと話をしてもいいかな?」
「は、はい」
拓哉さんから話があると言われると、いつもドキドキしてしまう。
だけど、そんな僕を気遣って優しく肩を抱いて声をかけてくれるから、悪い話ではないと安心できる。
一緒にベッドに腰を下ろす。
「実は、今日母親から連絡があったんだ」
「えっ、あのギリシャにいる?」
「そうそう。よく覚えていたね」
えらい、えらいと褒めるように、僕の頭を優しく撫でてくれる。
子猫か、子犬のような気持ちになるけれど、拓哉さんの愛情表現が嬉しい。
「いつもこの時期に長期休暇をとっていたから、それを使ってギリシャに来ないかって言われたんだけどね。今年はひかりとゆっくり過ごしたかったから断ったんだ」
「そう、なんですか……」
ご両親には紹介するのが僕ではちょっと恥ずかしいのかな、とほんの少し頭に浮かんでしまった。
「もう少し二人っきりの時間を過ごしてから、両親に紹介するためにギリシャに連れて行こうかと思っていたんだけどね」
そんな僕の気持ちを先回りするように、拓哉さんはそう言ってくれた。
「本当に……僕を紹介してくれるんですか?」
「当たり前だろう。ひかりは私の一生の伴侶なんだから」
そうはっきりと告げられて、胸の奥がじんわりと暖かくなる。
「拓哉さん……僕、嬉しいです」
「ああ、そんなに喜んでくれて私も嬉しいよ」
拓哉さんがちゅっと優しいキスをしてくれる。ああ、僕……本当に……幸せだ。
「ただ、困ったことになってね……」
「困ったこと、ですか?」
「ああ。ギリシャに行くのを断るために、かわいい恋人ができた話をしたんだ。そうしたら……」
拓哉さんの曇った表情にちょっと不安になる。
すると、予想外の言葉がきた。
「ひかりに会うために、週末帰ってくるって言い出したんだ。せっかく週末は二人でドライブに行こうと思ってたのに……」
えっ、僕に会うために?
週末って、もう数日後だよ?
あまりの行動力に驚きしかない。
「ほんと、悪い! うちの親、良くも悪くも行動力があって、会いたいと思ったらすぐに動いてしまうんだよ。ひかりには週末、窮屈な思いをさせてしまうかもしれないが、困ったことがあればなんでも言ってくれ」
拓哉さんのご両親に会えるのはもちろん緊張する。
でも、恋人として紹介してもらえる喜びのほうが大きい。
どんな人たちなんだろう。
拓哉さんのご両親だから、うちの両親とは全く違うだろうな。
なんだか、楽しみになってきた。
そうしてあっという間に、ご両親がやってくる日が明日に迫った。
土曜日のお昼前に到着するご両親を、拓哉さんと一緒に空港にお迎えに行く予定だ。
「じゃあ、行ってくるよ」
「はい。行ってらっしゃい」
病院に行く拓哉さんをキスとハグで見送る。
その後、いつものように掃除をしたり、洗濯をしたり……と家事をしながら、過ごしていると、突然玄関のチャイムが鳴った。
「拓哉さんが、忘れ物をしたのかも!」
連絡を入れてくれたのに、掃除してたから聞こえなかったのかも。
そう思いながら、急いで玄関の扉を開けた。
「拓哉さん、忘れも――」
そう尋ねようとした、僕の目の前にいたのは……
「こんにちは。ひかりちゃん」
優しい笑顔の女性と、拓哉さんによく似た少し年配の男性だった。
「会えて嬉しいわー!」
そう言ってさっと玄関に入ってきた女性が、嬉しそうに僕を優しく抱きしめる。
なぜか、その温もりにホッとする。
こうして愛情を感じるハグをされたのは、拓哉さん以外初めて。
親にもされたことがない。
あまりの突然のことで、頭がうまく回らないけれど、この人のハグはとても心地よかった。
「ほら、汐里。感動の出会いはその辺にして、とりあえず中に入ろう。ひかりくんも、何がなんだかわからないだろう」
「あ、そうね。ひかりちゃん。行きましょう」
そういうと、女性は僕の手を優しく取って、一緒にリビングに入っていった。
その場所をまるで知っているように歩くその姿に、僕はハッとした。
「あの、もしかして……拓哉さんの、お母さんとお父さん、ですか?」
「せいかーい! 拓哉を驚かせようと思って、一日早く来たの。ひかりちゃんもびっくりした?」
子どものような無邪気な笑顔を向けられて、僕は思わず笑ってしまった。
「あー、そのほうが楽しかったかも!」と思ったので、ちょっと書いてみました。
楽しんでいただけると嬉しいです♡
* * *
「拓哉さん、おかえりなさい!」
いつものように拓哉さんを出迎える。
でも今日はなんだかいつも以上にハグが強い。
それはそれでとても嬉しいけれど、何かあったのかちょっと心配になる。
おかえりのキスをして、ジャケットを渡される。
この瞬間、拓哉さんと結婚しているような気になって嬉しい。
ジャケットにブラシを当てクローゼットにしまう間に、拓哉さんが手を洗って寝室にやってきた。
「ありがとう。ちょっと話をしてもいいかな?」
「は、はい」
拓哉さんから話があると言われると、いつもドキドキしてしまう。
だけど、そんな僕を気遣って優しく肩を抱いて声をかけてくれるから、悪い話ではないと安心できる。
一緒にベッドに腰を下ろす。
「実は、今日母親から連絡があったんだ」
「えっ、あのギリシャにいる?」
「そうそう。よく覚えていたね」
えらい、えらいと褒めるように、僕の頭を優しく撫でてくれる。
子猫か、子犬のような気持ちになるけれど、拓哉さんの愛情表現が嬉しい。
「いつもこの時期に長期休暇をとっていたから、それを使ってギリシャに来ないかって言われたんだけどね。今年はひかりとゆっくり過ごしたかったから断ったんだ」
「そう、なんですか……」
ご両親には紹介するのが僕ではちょっと恥ずかしいのかな、とほんの少し頭に浮かんでしまった。
「もう少し二人っきりの時間を過ごしてから、両親に紹介するためにギリシャに連れて行こうかと思っていたんだけどね」
そんな僕の気持ちを先回りするように、拓哉さんはそう言ってくれた。
「本当に……僕を紹介してくれるんですか?」
「当たり前だろう。ひかりは私の一生の伴侶なんだから」
そうはっきりと告げられて、胸の奥がじんわりと暖かくなる。
「拓哉さん……僕、嬉しいです」
「ああ、そんなに喜んでくれて私も嬉しいよ」
拓哉さんがちゅっと優しいキスをしてくれる。ああ、僕……本当に……幸せだ。
「ただ、困ったことになってね……」
「困ったこと、ですか?」
「ああ。ギリシャに行くのを断るために、かわいい恋人ができた話をしたんだ。そうしたら……」
拓哉さんの曇った表情にちょっと不安になる。
すると、予想外の言葉がきた。
「ひかりに会うために、週末帰ってくるって言い出したんだ。せっかく週末は二人でドライブに行こうと思ってたのに……」
えっ、僕に会うために?
週末って、もう数日後だよ?
あまりの行動力に驚きしかない。
「ほんと、悪い! うちの親、良くも悪くも行動力があって、会いたいと思ったらすぐに動いてしまうんだよ。ひかりには週末、窮屈な思いをさせてしまうかもしれないが、困ったことがあればなんでも言ってくれ」
拓哉さんのご両親に会えるのはもちろん緊張する。
でも、恋人として紹介してもらえる喜びのほうが大きい。
どんな人たちなんだろう。
拓哉さんのご両親だから、うちの両親とは全く違うだろうな。
なんだか、楽しみになってきた。
そうしてあっという間に、ご両親がやってくる日が明日に迫った。
土曜日のお昼前に到着するご両親を、拓哉さんと一緒に空港にお迎えに行く予定だ。
「じゃあ、行ってくるよ」
「はい。行ってらっしゃい」
病院に行く拓哉さんをキスとハグで見送る。
その後、いつものように掃除をしたり、洗濯をしたり……と家事をしながら、過ごしていると、突然玄関のチャイムが鳴った。
「拓哉さんが、忘れ物をしたのかも!」
連絡を入れてくれたのに、掃除してたから聞こえなかったのかも。
そう思いながら、急いで玄関の扉を開けた。
「拓哉さん、忘れも――」
そう尋ねようとした、僕の目の前にいたのは……
「こんにちは。ひかりちゃん」
優しい笑顔の女性と、拓哉さんによく似た少し年配の男性だった。
「会えて嬉しいわー!」
そう言ってさっと玄関に入ってきた女性が、嬉しそうに僕を優しく抱きしめる。
なぜか、その温もりにホッとする。
こうして愛情を感じるハグをされたのは、拓哉さん以外初めて。
親にもされたことがない。
あまりの突然のことで、頭がうまく回らないけれど、この人のハグはとても心地よかった。
「ほら、汐里。感動の出会いはその辺にして、とりあえず中に入ろう。ひかりくんも、何がなんだかわからないだろう」
「あ、そうね。ひかりちゃん。行きましょう」
そういうと、女性は僕の手を優しく取って、一緒にリビングに入っていった。
その場所をまるで知っているように歩くその姿に、僕はハッとした。
「あの、もしかして……拓哉さんの、お母さんとお父さん、ですか?」
「せいかーい! 拓哉を驚かせようと思って、一日早く来たの。ひかりちゃんもびっくりした?」
子どものような無邪気な笑顔を向けられて、僕は思わず笑ってしまった。
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閨のことなんかは基本的には旦那様から教えてもらうのが一番でしょうが、旦那さまに喜んでもらう術とかおすすめとかあったら嬉しいですよね。先輩たちの言葉は旦那さまたちも大喜びしそうです。
定期的に両親から連絡がきているだろう拓哉。
ぽろっと恋人ができたことを漏らしたら緊急で会いにきたりしそう(笑)
そして、当然の如く可愛いひかりが連れ回されますwww
家族に愛されたことのないひかりには嬉しいですね。
でも拓哉はヤキモキしちゃうかも(笑)
いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
ふふ🤭ですね。ひかりにとって唯一の理想の人が拓哉ですからね。
でもやっぱりずっと三番手でいた拓哉にはひかりがゆーちーに惹かれるんじゃないかって不安になりますよね。
お絵描きを見て、すぐに自分かと気づくくらいなんでかなりそっくり(笑)
もう本当に運命の相手ですよね。
ずっと自分の姿を思い続けてくれていた相手がドクズに奪われる前で本当に良かったですね。
自分の食べてみたかったものをレシピを見て作れちゃう。
続けていったらレシピを見ただけで、これはこの調味料入れた方が拓哉さんが気にいるかも……とかアレンジできるようになるかもですね。
自分のお気に入りの店には連れて行きたい旦那たち。
ミモザはにゃんこなら好きになる料理がいっぱいありますからね。
照さんも旦那たちがみんな食が細そうなにゃんこを連れてくるのでにゃんこランチ作ってるかも。
その中でも好きなものだけ少量ずつ入れた特別ランチも作れたりしちゃいます(笑)
いぬぞ〜さま。コメントありがとうございます!
最愛相手だと何度出しても濃くて量が多いからすごいですよね。
飲みたいと願っていたニャンコなので、嬉しくて仕方ないでしょうね。
ひかりは無自覚で煽ってくるタイプなんで(ニャンコはほぼそれですが笑)
旦那は落ち着く暇がないですねwww
いっくんとひかりは確かに似ているかも。
五百円のオムライス食べるために一日昼食抜いても……って頑張っちゃいそうだし。
二人を美味しい大人のお子様ランチの店に連れて行ってあげたいですね💕
また可愛いひかりが見れますね🥰