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村山の勘
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「この子たちに合う洋服も買いたいんですけど……」
「はい。衣装はこちらにございます」
ぬいぐるみたちをレジで預かってもらい、洋服を見せてもらうとそこには人間顔負けの洋服たちが山のように並んでいた。
「普通に洋服屋みたいだな」
「ぬいぐるみたち専用ではございませんので、お揃いでお召しいただけるのですよ」
「そうなんですか? それはすごいですね」
「磯山、どんなのにするんだ?」
「そうだな……あっ、これうちの制服に似てないか?」
「ああ、確かに似てるな」
「これをお揃いで着せるのはどうだろう?」
「いいんじゃないか」
村山が賛同してくれたことが後押しになり、俺はそれに決めた。
「ぬいぐるみに着せますか?」
「うーん、そうだな……。いや、自分で着せた方が喜ぶか?」
悩みまくったけれど、結局洋服はプレゼントとして包んでもらうことにした。
そのほうが直くんも楽しめると思ったんだ。
「それではお包みいたしますので、しばらくお待ちください」
プレゼントが無事に買えたことにホッとして、店内を見回すと村山の姿が見えない。
「あれ? 村山? どこ行ったんだ?」
「ごめん、ごめん。こっちだよ」
少し離れた棚の間からひょっこりと顔をだす。
「何してるんだ?」
「いや、せっかく来たから俺もぬいぐるみ買おうかなって思ってさ」
「えっ? 直くんに?」
「違うよ、今度カールが来るだろ。慣れない日本だしこういうのがあると安心するかなって。ほら、『Glücksbringer』だろ?」
「なるほど。でもカールに会ったこともないのに、選べるのか?」
「それは俺の勘だよ。こういうのは外れたことがないんだ」
にやっと笑う村山を見ながら、思わず笑ってしまう。
「大した自信だな。でも、きっとカールも喜ぶよ」
「ありがとう」
村山は嬉しそうに笑いながら、いろんな動物たちを見て回っていたけれど犬ゾーンで足を止め、悩みに悩んで垂れ下がった耳が可愛いクリーム色のラブラドールを選んで
「これにするよ!」
と自信たっぷりに言っていた。
カールがラブラドールか……。
確かに人懐っこい性格だから合っているかもしれないな。
そう思っていると後ろから
「お待たせいたしました」
と声が聞こえた。
急いでレジに向かうと、レジ台には可愛いリボンでラッピングされた袋が紙袋に入って置かれていた。
「こちらがお洋服でございます。こちらのぬいぐるみは二体ともそのままお手渡しでよろしいですか?」
「はい。大丈夫です」
料金を支払い、受け取ったクマは一つが100cm、もう一つが80cmで二つ抱きかかえるとかなりのものだったが持てないほどではない。
紙袋を持ったまま、その二体を抱きかかえていると村山もレジにやってきた。
「お前は洋服は買わなくていいのか?」
「このぬいぐるみを気に入ってくれたら一緒に買いにくるよ」
「ああ、なるほど。それはいいな」
「ふふっ。それにしてもすごい格好だな」
「お前も抱っこして帰れよ。そうしたら俺だけ目立たないだろ」
「二人の方が余計目立つと思うけど、まぁいいよ。付き合ってやる」
そう言って支払いを済ませた村山と一緒にぬいぐるみを抱きかかえたまま店を出た。
そのタイミングでポケットに入れていたスマホが震えるのを感じた。
「ちょっと待ってくれ、村山。電話が来てる」
声をかけてロビーに置かれたソファーに荷物を置き、スマホを取り出すと画面表示には母さんの名前。
ーはい。もしもし。
ーあっ、昇。買い物は終わった?
ーうん。今、ちょうど終わってこれから伯父さん家に行こうと思ってるけど。
ーそれならちょうどいいわ。私たちもケーキを受け取っていくところだから、昇を拾ってあげるわよ。今、どこなの?
ー今、銀座のイリゼホテル。
ーああ、やっぱり。そこの店に行ったと思ったわ。
ーえっ、なんで?
ーだって、瑠璃さんがぬいぐるみをよく買いに行っているもの。龍弥くんなら、絶対にその店を昇に教えるって思ってたわ。
俺が村山に教えてもらうとわかってて近くで待機してくれてたってことか……。
やっぱり母さんには構わないな。
ーあと五分くらいで着けるから、入り口で待ってて。
ーわかった。ありがとう。
そう言って電話を切ってから、村山にそれを教えた。
「へぇー、さすがだな。磯山の母さん」
「まぁな。伯父さん家にいく前にお前の家に寄るから乗っていけよ」
「ああ、ありがとう。助かるよ」
これで銀座をぬいぐるみを抱っこして歩き回るのは避けられたな。
まぁ、直くんと一緒なら余裕でやってたけど。
それからしばらくして迎えに来てくれた母さんと父さんに笑われたのはいうまでもない。
「はい。衣装はこちらにございます」
ぬいぐるみたちをレジで預かってもらい、洋服を見せてもらうとそこには人間顔負けの洋服たちが山のように並んでいた。
「普通に洋服屋みたいだな」
「ぬいぐるみたち専用ではございませんので、お揃いでお召しいただけるのですよ」
「そうなんですか? それはすごいですね」
「磯山、どんなのにするんだ?」
「そうだな……あっ、これうちの制服に似てないか?」
「ああ、確かに似てるな」
「これをお揃いで着せるのはどうだろう?」
「いいんじゃないか」
村山が賛同してくれたことが後押しになり、俺はそれに決めた。
「ぬいぐるみに着せますか?」
「うーん、そうだな……。いや、自分で着せた方が喜ぶか?」
悩みまくったけれど、結局洋服はプレゼントとして包んでもらうことにした。
そのほうが直くんも楽しめると思ったんだ。
「それではお包みいたしますので、しばらくお待ちください」
プレゼントが無事に買えたことにホッとして、店内を見回すと村山の姿が見えない。
「あれ? 村山? どこ行ったんだ?」
「ごめん、ごめん。こっちだよ」
少し離れた棚の間からひょっこりと顔をだす。
「何してるんだ?」
「いや、せっかく来たから俺もぬいぐるみ買おうかなって思ってさ」
「えっ? 直くんに?」
「違うよ、今度カールが来るだろ。慣れない日本だしこういうのがあると安心するかなって。ほら、『Glücksbringer』だろ?」
「なるほど。でもカールに会ったこともないのに、選べるのか?」
「それは俺の勘だよ。こういうのは外れたことがないんだ」
にやっと笑う村山を見ながら、思わず笑ってしまう。
「大した自信だな。でも、きっとカールも喜ぶよ」
「ありがとう」
村山は嬉しそうに笑いながら、いろんな動物たちを見て回っていたけれど犬ゾーンで足を止め、悩みに悩んで垂れ下がった耳が可愛いクリーム色のラブラドールを選んで
「これにするよ!」
と自信たっぷりに言っていた。
カールがラブラドールか……。
確かに人懐っこい性格だから合っているかもしれないな。
そう思っていると後ろから
「お待たせいたしました」
と声が聞こえた。
急いでレジに向かうと、レジ台には可愛いリボンでラッピングされた袋が紙袋に入って置かれていた。
「こちらがお洋服でございます。こちらのぬいぐるみは二体ともそのままお手渡しでよろしいですか?」
「はい。大丈夫です」
料金を支払い、受け取ったクマは一つが100cm、もう一つが80cmで二つ抱きかかえるとかなりのものだったが持てないほどではない。
紙袋を持ったまま、その二体を抱きかかえていると村山もレジにやってきた。
「お前は洋服は買わなくていいのか?」
「このぬいぐるみを気に入ってくれたら一緒に買いにくるよ」
「ああ、なるほど。それはいいな」
「ふふっ。それにしてもすごい格好だな」
「お前も抱っこして帰れよ。そうしたら俺だけ目立たないだろ」
「二人の方が余計目立つと思うけど、まぁいいよ。付き合ってやる」
そう言って支払いを済ませた村山と一緒にぬいぐるみを抱きかかえたまま店を出た。
そのタイミングでポケットに入れていたスマホが震えるのを感じた。
「ちょっと待ってくれ、村山。電話が来てる」
声をかけてロビーに置かれたソファーに荷物を置き、スマホを取り出すと画面表示には母さんの名前。
ーはい。もしもし。
ーあっ、昇。買い物は終わった?
ーうん。今、ちょうど終わってこれから伯父さん家に行こうと思ってるけど。
ーそれならちょうどいいわ。私たちもケーキを受け取っていくところだから、昇を拾ってあげるわよ。今、どこなの?
ー今、銀座のイリゼホテル。
ーああ、やっぱり。そこの店に行ったと思ったわ。
ーえっ、なんで?
ーだって、瑠璃さんがぬいぐるみをよく買いに行っているもの。龍弥くんなら、絶対にその店を昇に教えるって思ってたわ。
俺が村山に教えてもらうとわかってて近くで待機してくれてたってことか……。
やっぱり母さんには構わないな。
ーあと五分くらいで着けるから、入り口で待ってて。
ーわかった。ありがとう。
そう言って電話を切ってから、村山にそれを教えた。
「へぇー、さすがだな。磯山の母さん」
「まぁな。伯父さん家にいく前にお前の家に寄るから乗っていけよ」
「ああ、ありがとう。助かるよ」
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まぁ、直くんと一緒なら余裕でやってたけど。
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