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ひとつの提案
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名残惜しそうにしながらもビデオチャットを終え、三人の空間に戻る。
テーブルを囲んで直くんの隣はもちろん俺。
そして、村山は俺の前に座った。
「村山、食えよ」
「ああ。もらうよ。美味しそうだな」
「そのシュークリーム、絢斗さんのおすすめらしいよ」
「そうか、それなら間違いないな」
村山は飲み物こそ、ブラックコーヒーなど砂糖なしを好むけれど、甘いものは割とイケる方だ。
それは、この間も話していたけれど、村山の母さんとスイーツをよく食べに行っているからだろう。
「直くんも食べて。少し大きいから食べきれなかったら残してもいいよ。俺が食べるから」
「はい」
直くんは残すのが苦手らしく、出されたものを必死に食べようとする。
きっとそんなふうに躾けられたんだろう。
実の母親から虐待されていたと伯父さんが言っていたから残したら酷い目に遭っていたのかもしれない。
俺が食べるから大丈夫というと、最初こそ遠慮していたけれど
――俺、どれだけ食べてもお腹空くんだ。
と言って直くんの残してくれたものを喜んで食べていたら、安心するようになった。
正直に言っても、直くんの食べ残しなんて、俺にとってはご馳走でしかないんだからこれこそまさにwin-winなのだろう。
安心したように少し大きなシュークリームに小さな口で齧り付く直くんが可愛い。
クリームつけてくれたら俺が喜んで指で拭ってやるんだけど……と思っていると、
「ああ、美味いな。これ。母さんも好きそうだ」
と村山から絶賛の声が聞こえる。
「ははっ。カールも甘いもの好きだから、村山の母さんとは話が合いそうだな。日本の甘いものを食べたいって言ってたから連れて行ってやったら喜ぶぞ」
「カールを見て思ったけど、うちに来てくれただけでうちの母さんが大喜びしそうだ」
「そうなのか?」
「ああ。カールみたいなタイプの息子が欲しいっていっつも言ってるからな。ほら、直純くんもカールと同じようなタイプだろう? お前の母さんも気に入っていたんじゃないか?」
「ああ。俺のこと放って絢斗さんと母さんと二人で直くんを囲んでたよ。これからフランスに行くから直くんと離れ離れになるのが寂しいらしい」
「ははっ。実の息子と別れるより直くんと別れる方が寂しいのか。それは相当だな」
「でも、これからビデオ通話とかメッセージとかできるようになったから、母さんたちとも繋がっていられるよね」
「はい。パパとあやちゃんが僕にスマホを買ってくれたんです」
ほんのりと頬を染めながら、俺に視線を向ける直くんを見ると、唇の端に少しカスタードがついているのを発見した。
「直くん、ついてるよ」
そう言いながら、指で拭ってそのまま指を舐めて見せると直くんは照れながらも
「ありがとうございます」
と笑っていた。
くぅーっ! 可愛いっ!!
これも伯父さんと絢斗さんが目の前でラブラブっぷりを見せつけてくれるおかげだな。
二人がすることは家族として当然だと思ってくれるおかげで、結構スキンシップを多くしても嫌がられたりしない。
それどころか、直くんの方からあーんとかもしてくれたりするから最高なんだ。
村山はそんな俺たちの様子を見ても何も言わずに黙々とシュークリームを食べていた。
「それでカールが来ている間のことなんだけど……」
おやつを食べ終わって、真剣な表情で村山が話を切り出した。
スキップですでに今年の七月に高校を卒業しているカールは日本の大学に入学するまで自由に時間を過ごすことができる。それを利用して日本にやってくるわけだけど一つだけ問題がある。
「俺たちは普通に学校があるだろう? 昼間は好きに行動させてていいのか?」
「そう、それなんだけど……ほら、うちの学校に短期聴講システムがあるだろ? それを利用してカールに一週間一緒に授業を受けさせたらどうかなって思ってるんだ」
「カールが、うちの学校に?」
「ああ。元々日本の大学に入りたいって言って勉強しているから、勉強についていけないことはないし、日本の授業に慣れるためにもこういう経験はあってもいいだろう? 一応担任に確認しておいたんだけど、十日程度までなら特別な手続きはいらないって言ってたぞ。その代わり、お前の両親にカールの保護者ってことでサインをしてもらう必要があるらしいけど、どうかな?」
「それは別に構わないし、カールと学校に行けるなら最高だよ」
「そうか。じゃあ、早速明日にでも担任に話しておこう。制服も準備しないといけないしな。カールには学校に行けるかもって話はしているけど、制服の話はしてないからきっと喜ぶぞ。ドイツの学校には制服がないからな」
歴史的な背景もあってドイツでは制服はあまり好まれないらしいけど、日本が好きなカールは制服に興味津々だった。
村山のさっきの様子を見ても、カールの制服姿は喜ぶだろうな。
ああ、そうだ。
買ってきた直くんの制服……後で堪能しようっと。
直くんの制服姿……楽しみだな。
テーブルを囲んで直くんの隣はもちろん俺。
そして、村山は俺の前に座った。
「村山、食えよ」
「ああ。もらうよ。美味しそうだな」
「そのシュークリーム、絢斗さんのおすすめらしいよ」
「そうか、それなら間違いないな」
村山は飲み物こそ、ブラックコーヒーなど砂糖なしを好むけれど、甘いものは割とイケる方だ。
それは、この間も話していたけれど、村山の母さんとスイーツをよく食べに行っているからだろう。
「直くんも食べて。少し大きいから食べきれなかったら残してもいいよ。俺が食べるから」
「はい」
直くんは残すのが苦手らしく、出されたものを必死に食べようとする。
きっとそんなふうに躾けられたんだろう。
実の母親から虐待されていたと伯父さんが言っていたから残したら酷い目に遭っていたのかもしれない。
俺が食べるから大丈夫というと、最初こそ遠慮していたけれど
――俺、どれだけ食べてもお腹空くんだ。
と言って直くんの残してくれたものを喜んで食べていたら、安心するようになった。
正直に言っても、直くんの食べ残しなんて、俺にとってはご馳走でしかないんだからこれこそまさにwin-winなのだろう。
安心したように少し大きなシュークリームに小さな口で齧り付く直くんが可愛い。
クリームつけてくれたら俺が喜んで指で拭ってやるんだけど……と思っていると、
「ああ、美味いな。これ。母さんも好きそうだ」
と村山から絶賛の声が聞こえる。
「ははっ。カールも甘いもの好きだから、村山の母さんとは話が合いそうだな。日本の甘いものを食べたいって言ってたから連れて行ってやったら喜ぶぞ」
「カールを見て思ったけど、うちに来てくれただけでうちの母さんが大喜びしそうだ」
「そうなのか?」
「ああ。カールみたいなタイプの息子が欲しいっていっつも言ってるからな。ほら、直純くんもカールと同じようなタイプだろう? お前の母さんも気に入っていたんじゃないか?」
「ああ。俺のこと放って絢斗さんと母さんと二人で直くんを囲んでたよ。これからフランスに行くから直くんと離れ離れになるのが寂しいらしい」
「ははっ。実の息子と別れるより直くんと別れる方が寂しいのか。それは相当だな」
「でも、これからビデオ通話とかメッセージとかできるようになったから、母さんたちとも繋がっていられるよね」
「はい。パパとあやちゃんが僕にスマホを買ってくれたんです」
ほんのりと頬を染めながら、俺に視線を向ける直くんを見ると、唇の端に少しカスタードがついているのを発見した。
「直くん、ついてるよ」
そう言いながら、指で拭ってそのまま指を舐めて見せると直くんは照れながらも
「ありがとうございます」
と笑っていた。
くぅーっ! 可愛いっ!!
これも伯父さんと絢斗さんが目の前でラブラブっぷりを見せつけてくれるおかげだな。
二人がすることは家族として当然だと思ってくれるおかげで、結構スキンシップを多くしても嫌がられたりしない。
それどころか、直くんの方からあーんとかもしてくれたりするから最高なんだ。
村山はそんな俺たちの様子を見ても何も言わずに黙々とシュークリームを食べていた。
「それでカールが来ている間のことなんだけど……」
おやつを食べ終わって、真剣な表情で村山が話を切り出した。
スキップですでに今年の七月に高校を卒業しているカールは日本の大学に入学するまで自由に時間を過ごすことができる。それを利用して日本にやってくるわけだけど一つだけ問題がある。
「俺たちは普通に学校があるだろう? 昼間は好きに行動させてていいのか?」
「そう、それなんだけど……ほら、うちの学校に短期聴講システムがあるだろ? それを利用してカールに一週間一緒に授業を受けさせたらどうかなって思ってるんだ」
「カールが、うちの学校に?」
「ああ。元々日本の大学に入りたいって言って勉強しているから、勉強についていけないことはないし、日本の授業に慣れるためにもこういう経験はあってもいいだろう? 一応担任に確認しておいたんだけど、十日程度までなら特別な手続きはいらないって言ってたぞ。その代わり、お前の両親にカールの保護者ってことでサインをしてもらう必要があるらしいけど、どうかな?」
「それは別に構わないし、カールと学校に行けるなら最高だよ」
「そうか。じゃあ、早速明日にでも担任に話しておこう。制服も準備しないといけないしな。カールには学校に行けるかもって話はしているけど、制服の話はしてないからきっと喜ぶぞ。ドイツの学校には制服がないからな」
歴史的な背景もあってドイツでは制服はあまり好まれないらしいけど、日本が好きなカールは制服に興味津々だった。
村山のさっきの様子を見ても、カールの制服姿は喜ぶだろうな。
ああ、そうだ。
買ってきた直くんの制服……後で堪能しようっと。
直くんの制服姿……楽しみだな。
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