ひとりぼっちになった僕は新しい家族に愛と幸せを教えてもらいました

波木真帆

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日本滞在中の過ごし方

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「カールくんは日本での二週間をどう過ごす予定になっているのかな?」

食事を三分の二ほど食べ終えたところで、伯父さんがカールに声をかけた。カールはやはりまだ少し緊張した様子だったけれど、ゆっくりと口を開いた。

「えっと、リューヤとノボルが通っている学校に五日間通うことができるので、一緒に勉強します」

「ああ、そうか。短期聴講システムか。それはいいな」

村山が張り切って制服を準備していたけれど、それはここでは何も言わないでおこう。もしかしたら村山がサプライズにしているかもしれないからな。カールの通っている学校では制服はないそうだからきっと喜ぶだろう。

「ねぇねぇ、カールくんは将来なりたいものでも決まっているのかな?」

「あの、僕……Rechtsanwa弁護士になりたいなと思っていて……ノボルにアヤトさんの話を聞いてから、ずっとアヤトさんのこと尊敬していて……」

絢斗さんの質問にカールは今度はとびっきりの笑顔で見つめながら答えた。

「わぁ、それは嬉しいな。ありがとう。それなら、もし良かったら空いている時間で私の講義に参加してみる?」

「えっ? いいんですか?」

「うん。せっかくの機会だし、今はオンラインで講義やっているから参加は可能だよ。龍弥くんのお家から参加してもらってもいいけど、うちで講義に参加してその後、卓さんの事務所で弁護士の仕事を実際に見学するのも楽しいんじゃない?」

「事務所を見学? そんなこといいんですか?」

「いいよね、卓さん」

「ああ、そうだな。カールくんくらい優秀で意欲のあるものなら構わないよ。事務の中谷くんはドイツ語も堪能だし、きっとカールくんの将来の役にたつだろう」

「――っ!! ぜひお願いします!!!」

嬉しそうなカールの声に、村山の両親も嬉しそうだった。まぁ、伯父さんのところなら安心してカールを任せられるだろうしな。願ってもない場所だろう。

「じゃあ早速日にちを決めようか」

伯父さんの言葉に、すぐにカールのスケジュールが立てられた。学校と伯父さんの事務所に行く以外の日は村山家で行動をするだろうからきっと有意義な二週間になるだろうな。

「卓さん、それに絢斗さんもありがとうございます」

「いえいえ、カールくんがうちに来てくれたら直くんも喜ぶから問題ないですよ。ね、直くん」

「はい。僕……すっごく嬉しいです」

「その日はうちで昼食も準備するから、勉強道具以外は持ってこなくていいよ」

「卓さんのご飯、とっても美味しいから楽しみにしていてね」

「カール……パパのご飯、本当に美味しいですよ」

「わぁ、それは楽しみだな」

カールの嬉しそうな声に、村山も両親も嬉しそうに笑っていた。

「そろそろデザートを食べようか」

そんな絢斗さんの声に、村山の母さんとカールがすぐに反応して、近くに寄ってきた。

「じゃあ、席替えしてこっちで食べましょう」

伯父さんと村山の父さんを右端に向かい合わせに追いやって、俺と村山はスイーツ組に参加した。
普段なら食事の後にデザートがなくても特別気にはならない俺だが、直くんと一緒なら話は別だ。直くんが気兼ねなくデザートを食べるためにも俺がそばにいてやらないと。残っても俺が食べると言ってあげておかないと直くんは本当に食べたいものを選べないからな。

さっきの飲み物の挽回をするためにもここはしっかりと直くんを見守ってやらないとな。

俺と直くんと絢斗さん、村山とカールと村山の母さんのそれぞれでタブレットの写真を見ながら、どのデザートにするか選ぶ。

「これはわらび餅。プルプルしてて美味しいよ。黒蜜をかけて食べるんだ。こっちの抹茶パフェは抹茶とバニラのアイスが入っているみたいだね」

写真ではわからない情報も説明すると直くんは嬉しそうに笑っていた。

「わぁー、どれも美味しそうですね」

「直くんが食べてみたいもの全部注文していいよ。残ったら俺が食べるから」

「いいんですか?」

「いいって。俺、どれだけ食べてもお腹空くから気にしないでいいよ」

俺の言葉に直くんは笑顔を浮かべて、絢斗さんとデザートを選んでいた。

「じゃあ、わらび餅と抹茶プリン、それに黒糖のシフォンケーキにしようか。直くん、注文してみようか」

「はい」

絢斗さんから聴きながらタブレットを操作していく直くんをみると、嬉しくなってくる。
そっと伯父さんに視線を向けると、今度は優しい表情で頷いてくれてホッとした。
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